米国では76億円!セクハラ訴訟の慰謝料っていくら?

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米イリノイ州のセクハラ訴訟で、なんと9,500万ドル(約76億円)もの賠償を命じる評決が出されました。(※1)

アメリカでは、過去に北米トヨタ自動車に務めていた日本人女性が、同社や同社長などを相手取って総額1億9,000万ドルの損害賠償請求訴訟を起こし、日本でも話題になったことがあります。結局、トヨタの事件では両者が和解。和解内容などは明らかになっていません。(※2)そして、今回のイリノイ州の裁判は、個人が訴えたセクハラ訴訟としては、賠償額が過去最高ともいわれています。

ところで、日本ではセクハラ事件で慰謝料の相場はいくらくらいになるのでしょうか。日本のセクハラ裁判について調べてみました。

 

 

■国内セクハラ慰謝料の相場は?

日本国内の有名なセクハラ事件としては、元大阪府知事・横山ノック氏が選挙カーのなかで女子大生にわいせつな行為を働いたというものが挙げられます。(※3)裁判では、横山氏に対し1,100万円の支払いが命じられ、日本国内のセクハラ訴訟としては過去最高額ともいわれています。ただ、この事件では、女性に対するセクハラだけでなく名誉棄損も認定されており、セクハラ分の賠償額は200万円とのこと。

純粋なセクハラ訴訟では、大学教授が院生に対し性的関係を強要した事件で900万円。また、ピアノ講師が教え子に対し、わいせつな行為を繰り返した事件でも900万円の支払いが命じられており、このあたりが、日本における現時点での最高水準といわれています。(※4)高額な事例でも1,000万円に届かないくらいですから、相場としては、50万円から200万円程度にしかなりません。(※5)

アメリカと比較すると、ケタがいくつも足りませんね。まず、アメリカでは、『懲罰的損害賠償』といって、加害者の行為が強い非難に値すると認められる場合には、実際の損害よりもかなり高額な賠償が命じられるという日本にはない制度があります。こうした制度の有無に加えて、セクハラに対する意識の違いも、両国の賠償額の差を生んでいるのかもしれません。(※6)

 

日本でのセクハラ賠償額は、アメリカと比較するときわめて少額で、被害者にとって納得のいくものではないでしょう。ただ、日本で初のセクハラ裁判で認められた慰謝料は150万円に過ぎず、セクハラ慰謝料は増額しつつあるのは確かです。(※7)誰かが声をあげて、先例を作っていくことで、今後慰謝料の額はさらに変化することでしょう。セクハラで受けた心の傷は、お金をもらって癒せるものではありませんが、泣き寝入りすることは、あなただけでなく他の被害者にとっても損失です。

 

『「男のくせに」もアウト?女性によるセクハラ5パターン』でもお伝えしたように、今は女性に限らず男性もセクハラの被害者になりえます。どうか男女ともに、セクハラの被害に遭われたかたは、勇気をもって加害者に立ち向かいましょう!

 

【参考】

※1. 米イリノイ州のセクハラ訴訟、76億円の賠償命じる評決 | 世界のこぼれ話 | Reuters

※2. 北米トヨタ自動車セクハラ訴訟事件 – Wikipedia

※3. 横山ノック – Wikipedia

※4. 阿部・佐藤協同法律事務所-法律問題Q&A-

※5. 慰謝料請求の相場・妥当な金額 【男女の慰謝料請求サイト】

※6. 懲罰的損害賠償 – Wikipedia

※7. 雇用の分野におけるセクシュアル・ハラスメント(3)セクハラ裁判事例紹介-京都府ホームページ