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夫がテッパンで嫌がる!「離婚にもつながる実家依存」実態3例

タニハタ マユミ

タニハタ マユミM.Tanihata

「結婚しても、実家大好き!」という女性が増えているようです。

母娘関係がこじれてしまうよりは、仲良し親子でいられるほうがずっといいと思うかもしれません。しかし、それが行きすぎると離婚の引き金になってしまう場合もあるのです……。

30代女性からの相談を数多く手がける離婚カウンセラー・阿部貴子さんに、夫が嫌がる実家との付き合い方についてうかがいました。

 

夫の帰宅時間まで実家でのんびり過ごす妻はOUT!

「これは実家の近所に住んでいる方に多いケースです。夫の帰宅時間が遅いからといって、帰ってくるまで実家で過ごしてしまう奥さまがいらっしゃるんです。

あらかじめ帰宅時間を予想し、それまでには家に戻るように気をつけているという方がいました。でも、たまたま夫が先に帰ってきてしまっても“悪いな”という気持ちは薄く、一応謝るものの、その後も実家で過ごす毎日を送っていたのです。

夫が彼女に文句を言っても“あなたが帰ったとき、家にいればいいでしょ”と、改めませんでした」

しかし“これくらい大丈夫”とたかをくくっているうちに、徐々に夫婦の間に亀裂が生じて、夫から離婚を要求されたり、関係がギクシャクして離婚沙汰に至ることも少なくないそうです。

 

出産時の里帰りは、夫の浮気のキケンあり

「出産時に里帰りをする人は多いと思いますが、意外と無防備なのが里帰り中の夫の浮気です。“子どもが生まれたのに、信じられない!”と妻としては憤りでいっぱいになりますが、でも妻サイドにも、反省すべき点があるのです。

妻は、里帰り中は産後の疲れを母親の手厚いフォローで癒してもらい、久々の実家の居心地のよさを満喫します。

ところがその間、夫が仕事で疲れて、夜暗い部屋にひとりで戻ってくるという状況に、なかなか思いをはせられない方が多いのです。実家の居心地のよさに、つい長期間の里帰りをしてしまった方が、夫の浮気に苦しんでいます」

確かに、出産後の産褥期は、心も体も休めなくてはいけない大切な時期です。でも、実家滞在が1年近くもの長期に渡ったため、いざ「さあ、家に戻ろう」というときになって、夫から「もう、戻ってこなくていい!」と、離婚を突きつけられてしまったケースもあるのだとか。

パートナーの置かれている環境や気持ちについて想像することは、大切ですよね。

 

生活面で妻の実家の援助を受けると、夫のメンツは丸つぶれ

「たとえば、自宅購入の際に妻の父親の力を借りたり、頭金を出してもらう。住宅ローンの返済が苦しくなって、ある程度まとまったお金を妻の父親から出してもらうということは、今の世の中、少なくはありません。場合によっては、妻の実家の敷地内に自宅を建てる方もいらっしゃいます。

妻も実家も、よかれと思って援助をした。夫ももちろんそれを感謝の気持ちで承諾した。しかしそれなのに、月日の経過とともに夫の“面白くない“気持ちがジワリジワリと増幅してしまうのです。

妻としては“あなたも納得してたじゃない!”と反論したくなりますが、夫は自分が了解したことは覚えていても、男としてのプライドが満たされず、いつしか現状に対する不満ばかりが蓄積します。そしてそのことが夫婦の不和や、離婚原因に発展してしまう。こういったケースも、最近少しずつ増えているんです」

 

人は自分の本心に、なかなか気づけないもの。自分が我慢して丸くおさまればそれでいいと、頑張ってしまうこともあります。でも、無理は長くは続きません。

いくら実家が大好きでも、いくら夫が優しくても、気づかぬうちに夫の我慢が限界に達して、夫婦生活が崩壊してしまっては、元も子もありません。

結婚後の実家との付き合い方には十分注意が必要だということを、どうぞ覚えておいてください。

【取材協力】

※阿部貴子・・・離婚カウンセラー・行政書士。クウェート生まれ。一橋大学経済学部卒業。大手生命保険会社総合職を経て、結婚。専業主婦へ。7年のブランクを経て行政書士を開業。仕事を通じて離婚の悩みや夫婦の関係修復に携わるケースを経験、離婚カウンセリングを開始する。ときには浮気相談で愛人を排除するべく、直接対決する妻を支援する、熱血カウンセラー。公式サイト『阿部貴子による離婚相談