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意外にも日本人男性は歴史的に化粧好きだった!【後編】

2011/09/24 13:00  by   | 男性心理

前回の記事では、前田和男氏の『男はなぜ化粧をしたがるのか』をもとに、古代から戦国時代にかけての男性の化粧事情をご紹介しました。今回は、江戸時代以降のエピソードをお届けします。

 

■ヒゲはモテるためのアイテム

身だしなみに気遣うのは、貴族や武士など、上流階級に限らていましたが、江戸時代にはその風習が一般庶民の間にも広まります。

まず、江戸初期には庶民の間でヒゲが男たちの先端的ファッションとして流行。ヒゲの薄い江戸っ子は墨でヒゲを描いたり、懸髭と呼ばれる髪のヒゲを付けたり、涙ぐましい努力をしていたのだとか。

また、遊郭のある吉原に向かう土手では、なんと女性にモテようとする男向けに、人造ヒゲと一体になった頭巾が売られていたそうです。

女性にモテたいがために、あの手この手で外見を整える努力というのは、昔も今も変わらないものなのですね。

 

 

■ツルツルお肌がお好き?

一方、江戸も後期となると、しだいにヒゲの流行は廃れ、逆にヒゲを含め体毛全般が嫌われるようになります。

この頃、町人男子の間では眉を抜いて薄くし、これを“かったい眉”として粋を競うことが流行。また、男たちは銭湯で脱毛に励みました。

男湯限定で常備されていた“毛きり石”という軽石は、主にふんどしからはみ出る尻毛を除くためのものなのですが、男たちはすね毛などの濃い体毛もこれで除毛していたそうです。さらには、ぬか袋で熱心に身体を磨いている男もいたとのこと。

現代でも、毛深い男性はあまり好まれず、ツルツル肌がモテる傾向がありますが、そんな現代に通じる風習が、江戸時代にも存在したとは、ちょっと驚きですね。

 

■化粧タブーは富国強兵とともに

このように上流階級から一般庶民にまで行き渡った男性の化粧文化ですが、それが突然終止符を打たれたのは明治時代。

近代化を境に、明治天皇が平安時代から続いていた男のメイクをやめ、ヒゲをたくわえたマッチョな姿をアピールするようになったのです。

明治天皇の姿は“御真影”として全国の学校に配られ、富国強兵の宣伝に一役かいました。これを契機に“男は男らしく”“女は女らしく”という性差が強調されるようになり、男のメイクはタブー視されるにいたります。

 

歴史をひもとくと、男性にとって化粧は珍しいものではなく、むしろ馴染み深いものであったことが分かります。

また、戦乱の世では、化粧は敗者の美学であったり、禁止されたりという面がありますが、現在はむしろ“見た目重視”の時代。こうした背景で、身だしなみに気遣い、化粧品を手に取る男性が増えるのも納得です。

ただ、男性のなかには、化粧品に興味はあっても売り場に足を運びにくいという人もいらっしゃることでしょう。なので、女性からプレゼントしたり、一緒に買いに行ったりするといいかもしれませんね!

 

【参考】

前田和男(2009)『男はなぜ化粧をしたがるのか』 集英社新書

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