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【連載6:AFTER】膝にまたがってキス!? ベッドで「ピンクの小さな悪いヤツと…」

2016/01/28 21:00  by   | モテる女

夜のパーティーに誘われたテッサは、自分らしく、ビジネススーツのような生地に喉元まできっちりとある襟ぐり、膝も隠れる“お気に入り”のワンピースを着ることに。

しかし、「まさかそれを着ていくの?」とルームメイトのステフはあきれ気味。

そうこうしているうちに、ネイトの車が到着。助手席に隠れていたハーディンは、またテッサをからかいはじめました(前回)。

「教会じゃなくて、パーティーに行くってわかってるんだよな、テレーサ?」

 

■お坊ちゃんたちのばか騒ぎ

「テレーサって呼ぶのはやめて。テッサのほうが好きなの」そもそも、それがわたしの名前だとなぜ知っているのだろう。テレーサと呼ばれると、父を思い出す。できれば、耳にしたくない。

「いいとも、テレーサ」

わたしはむっとしながら後ろにもたれた。ハーディンとはもう、口をきかない。わざわざ話す価値のない相手だ。

車が走り出す。うるさい音楽から逃れたくて、窓の外をじっと見つめる。そっくりにしか見えない大きな邸宅が立ち並ぶにぎやかな通りに着くと、ネイトが車を停めた。

邸宅の側面にはフラタニティの名称を表すギリシア文字が黒く書かれているが、生い茂っているつるのせいで読めない。邸宅のあちこちからトイレットペーパーが垂れていて、漏れ出る騒音がいかにも、フラタニティハウスに住むお坊ちゃんがばか騒ぎしている様子をうかがわせる。

「盛大なパーティーね。何人くらいいるの?」わたしは息をのんだ。芝生には、赤いカップを手に踊っている人がおおぜいいて、自分がひどく場違いな感じがした。

「大入り満員だ、早くしろ」車から下りたハーディンがドアを乱暴に閉めた。後部座席から眺めていると、いろんな人がネイトとハイタッチをして握手するのに、ハーディンには目もくれない。

驚いたのは、ネイトたちのようにタトゥーを入れている人は見渡す限りひとりもいないということ。ここでなら、わたしにも友達ができるかもしれない。

「行こう」ステフは笑顔とともにドアを開け、ひょいと車をおりた。

わたしは自分を奮い立たせるようにうなずいて車から出ると、もう一度ワンピースのしわを伸ばした。

 

■ばかにしないでよ!

ハーディンはすでにハウスのなかに姿を消していた。屋内に詰めこまれている人数を考えれば、今夜はもう会わずにすむだろう。ステフとネイトのあとをついて、混雑したリビングへ行くと、赤いカップを渡された。「いりません」と丁寧に断ろうとしたのに、遅すぎた。

誰に渡されたのかもわからないカップをカウンターに置き、ネイトたちについてさらに奥へ行くと、ソファに集まる一団のところでふたりがとまった。タトゥーを入れた人々がソファに並んで座っている。見た目からして、ステフの友達だろう。右側のひじ掛けに座るハーディンのほうを見ないようにしていると、彼女がわたしを紹介した。

「こちらはテッサ。あたしのルームメイト。昨日ここに着いたばかりだから、WCUでの最初の週末を楽しく過ごしてもらおうと思って」

彼らはひとりずつ、こっちを見てうなずいたりにっこりしてくれて感じよく見えたけど、ハーディンだけは違った。

オリーブ色の肌をしたすごく魅力的な男子が、握手しようと手を差し出してきた。持っている飲み物のせいで手は冷たいものの、優しい笑顔が温かい。口元にライトが当たって、舌にピアスをしているのが見えたような気がしたが、すぐに口が閉じられたのでわからなかった。

「ゼッドだ。きみの専攻は?」彼はわたしの厚い生地のワンピースに目をやったものの、ほほ笑んだだけで何も言わなかった。

「英文学専攻よ」にっこりしながら胸を張る。ハーディンがばかにしたように鼻を鳴らしたのには、気づかないふりをした。

「それはすごい。おれは文章での巧みな美しい表現—詩華(フラワーズ・・・訳注:フラワーズには女性性器という意味もある)に夢中なんだ」ゼッドが笑ったので、つられて笑ってしまう。

フラワーズ? なにか意味があるの?

「ドリンクは?」わたしが質問する前に、彼が言う。

「ううん。お酒は飲まないの」そう答えると、彼は笑いそうになるのを隠した。

「澄まし屋(ミス・プリス)相手なんて、ステフにまかせておきなよ」ピンクの髪をした小柄な女子がつぶやく。

面倒になるのを避けるため、わたしは聞こえないふうを装った。ミス・プリス?

お高くとまってなんかいないし、猛勉強してここまできただけよ。父が家を出ていってからは、娘に明るい将来を授けようと母がずっと働いてくれたんだから。

「外の空気を吸ってくる」この場を離れようと、回れ右をした。パーティーで騒ぎを起こすなんて、絶対ムリ。友人だってまだいないのに、ここで敵を作るわけにはいかない。

「いっしょに行こうか?」ステフが背後から声をかけてくる。

 

■ハーディンのキス……!

首を横に振ってドアへ向かった。やっぱり来るんじゃなかった。いまごろはパジャマ姿で寝転がって、小説を読んでいるはずだった。ノアとスカイプだってできたのに。

彼がいなくてさみしい。初対面の酔っぱらいばかりのパーティーを抜け出して外で座ることになるなら、ベッドでひとり寝ていたほうがずっとましだった。わたしはノアにショートメールすることにして前庭の端まで歩いた。人があまりいない場所はそこしかなかったからだ。

あなたに会いたい。これまでのところ、大学はそんなに楽しいところじゃない。

送信ボタンを押し、石塀に座って返事を待つ。酔っぱらった女子の一団がくすくす笑いながら、千鳥足で歩いていく。

ノアはすぐに返事をくれた。

どうしたの? ぼくもさみしいよ。いっしょにいられたらいいのにな。

彼の言葉に笑みがこぼれる。

「うわっ、ごめん!」と男子の声がした一秒後、ワンピースの前身頃が冷たい液体で濡れていく。ぶつかってきた彼は、低い壁を支えにして体を起こした。「悪かった、ごめんよ」と彼はつぶやいて地面に座りこむ。

もう、最悪。あの女子には澄まし屋と言われ、こんどはお気に入りのワンピースがびしょ濡れ。どんなアルコールかもわからないし、すごく変なにおいがする。わたしはため息をつきながらなかへ入り、バスルームを探した。

人ごみをかきわけて廊下を歩き、ドアというドアを開けようとしたけど、どれも開かない。部屋のなかでどんなことが繰り広げられているのか……それは考えないようにした。

二階へあがってバスルームを探し続ける。ようやくドアが開いたものの、残念ながら、それは寝室だった。さらに運が悪いことに、そこではハーディンがベッドに横たわり、あのピンクの髪の毛の女子が彼の膝にまたがったまま唇を重ねていた。

 

次回、体をまさぐり合い、挑発するように腰をこすりつけ合う男女、ろれつの回らないステフ……。エスカレートするパーティーから帰れないことを知ったテッサは?

 

【参考】

アナ・トッド(2015)『AFTER 1』(小学館文庫)

 

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