【連載13:AFTER】きみはバージンか…チェック?「危険なゲーム」はセックスまみれ

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ライドンが実家に帰ったため、ハーディンとふたり並んで英文学の授業を受けることになったテッサ。いつになく仲良く『高慢と偏見』について語り合いますが、そこにボーイフレンドのノアから電話が。なぜか罪悪感を抱きながらも、“弟”のようなノアの言動にイラだってしまいます。

部屋に戻るとまたもやステフからパーティーの誘いがあり、ひょんとした偶然から行くことに。出かける支度をしながら、ステフから聞いた衝撃のハーディンの本性は……(前回)?

 

■危ないゲームに参加……!?

今夜のパーティーも先週と同じだった。芝生やハウスは酔っぱらった学生でいっぱい。どうしよう、寮の部屋で天井でも眺めていればよかった。

モリーはハウスに着くとすぐに消えた。ソファの空いているところを見つけて一時間ほど座っていると、ハーディンが歩いてきた。

「きょうは……感じが違うな」彼はちょっと口ごもった。わたしの全身をじろじろ見てから、顔にまた視線を移す。値踏みしているのを隠そうともしない目つき。彼が目を合わせるまで、わたしは黙ったままでいた。「その格好はよく似合ってる」

あきれた。いつもみたいに、体の線が見えない服を着てくればよかった。わたしはシャツの裾を思いきり引っぱった。

「ここで会うなんて驚きだな」

「こっちだって、また来てしまったのが驚きよ」わたしはその場を離れた。ハーディンは追ってこなかったけど、なぜか、追いかけてきてほしいと思ってしまった。

二、三時間もすると、ステフはまた酔っぱらった。というか、ほかのみんなもそうだった。

「〈真実か挑戦か〉のゲームをしようぜ」ろれつの回らないゼッドが言うと、まわりにいた仲間たちがソファに集まってきた。透明な液体の入った瓶をモリーに渡されて、ネイトががぶ飲みする。ハーディンは赤いカップからひと口飲む。大きな手がカップを覆い隠すほどだ。

ゲームにはもうひとり、パンク系の格好をした女子が加わった。あとはハーディン、ゼッド、ネイト、ネイトのルームメイトのトリスタン、モリー、ステフだった。

〈真実か挑戦か〉というのは定番のパーティーゲームのひとつで、真実を選んだ人は、恥ずかしい質問にも正直に答えなければならない。挑戦を選ぶと、無謀なことをさせられる。酔っぱらいばかりでやる〈真実か挑戦か〉なんて、絶対まずいことになる。そう考えていると、モリーがにやりとした。「あんたもやろうよ、テッサ」

「ううん、遠慮しておく」わたしは彼女の目を見ないよう、カーペットに視線を落とした。

「やる気があるなら、上品ぶるのを五分ほどやめないといけないな」ハーディンが言うと、ステフ以外の全員が笑った。彼の言葉が怒りに火を点けた。わたしはお上品ぶってなんかいない。たしかに自由奔放なタイプではないけど、修道院に閉じこもる尼僧でもない。

 

■ついに「挑戦」!

ハーディンをにらみつけ、彼らが作る小さな輪に加わってあぐらをかく。ネイトと、名前も知らないパンク女子のあいだだ。ハーディンが笑ってゼッドに何かささやくと、ゲームが始まった。

最初のうちは、ゼッドがビールの一気飲みに挑戦させられたり、モリーがむき出しの胸を思いきり見せていた。真実を選んだステフは、乳首にピアスをしていることを白状させられた。

「真実か挑戦か、テレーサ?」ハーディンに尋ねられて、わたしはひるんだ。

「真実……にしようかな」

「やっぱりな」ばかにしたように笑われたのにも取り合わずにいると、ネイトが楽しげに両手をこすり合わせた。

「さてと、きみは……バージンか?」ゼッドの質問に思わず咳きこむ。でも、立ち入った内容の質問に驚いているのは、ほほを赤くしているわたしだけ。みんなは固唾(かたず)をのんでこちらを見守っている。

「で、どうなんだ?」ハーディンにせっつかれる。この場から逃げたくなったけど、わたしはうなずいた。当たり前だ、バージンにきまってる。ノアとだって、抱き合ってお互いの体をまさぐるまねごとをしただけなのに。もちろん、服は着たままだった。

それでも、あからさまに驚く人はいなかった。全員、興味津々といった顔をしている。

「ノアと二年もつきあってるのに、セックスはしてないってこと?」ステフに聞かれ
て、居心地が悪くなる。

わたしはうなずくことしかできなかった。「ハーディンの番よ」注意をそらしたくて、あわてて言葉を継いだ。

「挑戦だ」ハーディンはさっさと答えた。緑色の瞳が食い入るようにこちらを見る。

つぎのターゲットはきみだ、大胆なことをやらされるのはきみのほうだと言わんばか
りの激しい視線。

わたしは口ごもった。こんな反応を示されるとは思ってもみなかったし、ちゃんと考えていなかったからだ。どうしよう、何を挑戦させればいい? ハーディンはなんだってするはずだ。わたしに負けを認めるようなことは絶対にいやなはずだから。

「えっと……そうね。じゃあ、やれるものなら……」

「なんだよ?」ハーディンはいらいらと声をあげた。ここにいる全員をほめてちょうだいと言いそうになったけど、やめた。

「シャツを脱いで、ゲームが終わるまでずっとそのままでいて!」とモリーが大声をあげたので、ほっとした。もちろん、ハーディンがシャツを脱ぐからではない。自分では何も思いつかなくて、彼女が代わりに指示を与えてくれたからだ。

「お子さま向けの挑戦だな」ハーディンは文句を言いつつ、シャツを背中から引っぱりあげて脱いだ。そんなつもりはなかったのに、しなやかな上半身に目が吸い寄せられる。意外にも日焼けした肌一面に、黒っぽいタトゥーが入っていた。

胸には鳥が飛び、腹部には大きな樹が描かれている。枝に葉はなく、どこか不気味だ。上腕部には、思っていたよりずっとたくさんの絵柄が彫られていた。肩や腰のあたりは、無作為にいろいろなイメージや像が散っている。ステフに小突かれてやっと、わたしは目をそらした。じろじろ見ていたのが気づかれていないよう、祈るしかなかった。

ゲームはまだまだ続いた。モリーはトリスタンとゼッドの両方にキスをし、ステフは自分の初体験を告白した。ネイトもパンク女子にキスをした。

わたしはなぜ、セックスのことしか頭にない不良に混じって、こんなところにいるのだろう?

「テッサ、真実か挑戦か?」トリスタンがこっちを向いた。

「質問する必要があるか? 彼女は、真実しか—」ハーディンが言いかける。

「挑戦する」ここにいるみんなはもちろん、自分をも驚かせるようなことを言ってしまった。

 

次回、ゲームはさらにエスカレート! 悪ノリしたモリーがハーディンに「テッサにキスして」と命令します。逃げるテッサの運命は……!?

 

【参考】

アナ・トッド(2015)『AFTER 1』(小学館文庫)

 

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