> > 【連載17:AFTER】ヤダ助けて…「乱暴するつもりはない」密室で襲われ…ついに!

おすすめ記事一覧

【連載17:AFTER】ヤダ助けて…「乱暴するつもりはない」密室で襲われ…ついに!

2016/02/08 21:00  by   | モテる女

ハーディンと言い争いになり、水の入ったコップを投げつけ、部屋を飛び出したテッサは、イケメングループのゼットとローガンたちと合流し、楽しい時間を過ごします。

そこにハーディンがあらわれ、ゼッドといちゃついているテッサの腕をつかみ、憎まれ口をたたきますが、テッサはハーディンをいらいらさせるために、ゼッドの元へ戻るのです(前回)。

「二階へ部屋を探しに行こう」

 

■犯されそうになるテッサ

例の部屋は見つかったが、ベッドのひとつは残念ながら、酔いつぶれていびきをかく男子に占領されていた。

「すくなくとも、もうひとつのベッドは空いてるよ!」ゼッドはけらけらと笑った。

「おれは歩いてうちに戻る。きみも来る? ソファで眠れるけど」

朦朧(もうろう)とした頭を働かせて、なんとか考えてみた。ゼッドは、ハーディンみたいにおおぜいの女子とベッドをともにしてる。ここで彼についていったら、キスしてもいいと言ったことに……なる。ゼッドのようなハンサムなら、女子のほうだって、キス以上のものを捧げてもいいと思うだろう。

「ステフが戻ってきたらいけないから、ここに残る」

ゼッドは一瞬、がっかりした表情を見せたものの、わかったというようにほほ笑み、気をつけるようにと言って、さよならのハグをしてくれた。彼が出ていってドアが閉まると、やっぱりロックせずにはいられなかった。だって、どんな人間が入ってくるかわからない。ベッドの上の男子はすっかり眠りこけていて、すぐには起きてこないだろう。

一階にいたときはあんなに疲れていたのに、いまはなぜか目が冴えてしかたない。気づくと、ノアとわたしがまだ清い関係でいることについてハーディンに言われたことを考えていた。

週末ごとに違う女子と寝る彼には変に見えるかもしれないけど、ノアは礼儀をわきまえてるだけ。わたしたちの関係にセックスなんて必要ない。ほかにもいろんなことをいっしょにやって楽しく過ごしてる……たとえば……映画に行くとか、散歩するとか。

ベッドに横になったものの、眠れぬまま天井のタイルの数を数えていた。酔っぱらいの男子が時おり音を立てたけど、わたしはそのうち目を閉じてうとうとしはじめた。

「見かけない……顔だな」ふいに耳元で低い声がした。飛び起きた拍子にあごが彼の頭にぶつかり、舌を嚙んでしまう。彼の手はベッドの上、わたしの太腿のすぐそばにあった。息遣いは荒く、アルコールとゲロのにおいがした。

「名前はなんていうんだ、かわいこちゃん?」あまりの臭さに息が詰まる。片方の腕で押しのけようとしても、うまくいかない。彼は声をあげて笑うばかりだった。

「乱暴するつもりはない—ふたりでちょっと楽しもうぜ」彼が唇を舐めると、よだれがあごまで垂れた。

胃がむかむかして、彼に思いきりひざ蹴りすることしか考えられなかった。強烈な一撃を、まさにあの部分にお見舞いしてやる。彼が股間を押さえてひっくり返ったすきに、ドアへ急いだ。震える指でようやくロックを外して廊下へ転がり出ると、何人かに変な目で見られた。

「戻ってこいよ!」気持ち悪い声が、あまり遠くない背後から聞こえた。奇妙なことに、こんなふうに女子が廊下で追いかけられるのを見ても、誰も驚いていない。彼は一メートルも離れていないところにいたが、足元がふらふらなせいで壁にぶつかってばかり。

わたしは脚が勝手に動き、このフラタニティハウスで唯一知っている部屋を目指して廊下の端まで走った。

 

■テッサとハーディンのキス

「ハーディン! ハーディン、お願い、開けて!」片手でドアをたたき、もういっぽうの手でロックされているドアノブをがちゃがちゃ回す。

「ハーディン!」もう一度叫ぶと、ドアがぱっと開いた。なぜ、よりによって彼の部屋に逃げこもうとしたのか自分でもわからないけど、酔っぱらいにいいようにされるより、ハーディンに厳しく非難されるほうがはるかにましだ。

「テス?」訳がわからないという声で言いながら、彼は目をこすった。黒のボクサーパンツだけという姿で、髪はありとあらゆる方向に立っている。変な話だが、テスと呼ばれたことより、半裸の彼がこんなにすてきに見えたことのほうに驚いた。

「入ってもいい? あの男子が……」背後をちらと見た。ハーディンはわたしを押しのけて廊下を見た。彼と目が合ったとたん、追いかけてきた男は表情を一変させた。もう一度わたしを見てから方向転換し、廊下の向こうへ戻っていく。

「彼を知ってるの?」

「ああ、なかへ入れ」ハーディンはわたしの腕をつかんで部屋に引き入れた。彼がベッドへ歩いていくのを目で追いながら、わたしはタトゥーの下の筋肉の動きにくぎづけになった。胸や両腕、腹部がすべてタトゥーに覆われていることを思うと、背中に何も入っていないのはすこし変だ。

ハーディンはまた目をこすった。「大丈夫か?」

起こされたばかりだからか、声がすごくかすれている。

「えっ……うん。こんなふうに来て、起こしちゃってごめんなさい。もう、どうすればいいか—」

「心配しなくていい」ハーディンはぼさぼさの髪をかきあげてため息をついた。「やつに何かされたのか?」皮肉やからかうような調子はなかった。

「ううん。もっとも、彼は触ろうとしてきたけど。見ず知らずの酔っぱらいがいたのに、ドアをロックしちゃったの。ばかでしょ? だから、悪いのはわたし」あの気持ち悪い男子に触られることを想像すると、またしても泣きたくなった。

「きみのせいじゃない。こういう……状況に慣れていないからだ」思いやりがあり、いつもとまったく違う口調。わたしはベッドのほうへ歩き、無言のまま許可を求めた。

ハーディンがベッドをぽんとたたいたので、腰を下ろして両手をひざにのせる。

「慣れようとも思わない。これで絶対、最後にする。ここへ来る……というか、パーティーに行くのはもうおしまい。だいたい、どうしてまた来たりしたんだろう。それに、さっきの男……とにかく……」

「泣くな、テス」ハーディンがささやく。

おかしなことに、わたしは自分が泣いているのにも気づかなかった。ハーディンが手を上げる。びくっと体を引きそうになったが、その前に彼の親指がほほの涙をとらえた。優しく触れられたのに驚いて、思わず目が丸くなる。この人は誰? 不機嫌で無礼なハーディンはどこ? 顔を上げて見つめると、彼の瞳孔が大きく開いていた。

「こんなに灰色の目をしているなんて、気づかなかった」近寄らないと聞こえないほど小さな声でハーディンが言う。

わたしのほほにはまだ、彼の手があった。頭がぐるぐるしてきた。彼は下唇ごと口ピアス(くち)を嚙んだ。目が合ったけど、わたしは下を向いた。何がどうなっているのかわからない。でも、ほほから手が離れたとき、もう一度彼の唇を見つめた。わたしのなかで自制心と欲望がせめぎ合う。

そして、自制心が負けた。ハーディンのふいを突くように、わたしは彼の唇に唇を
押し当てた。

 

ついにキスをしたテッサとハーディン。駆け抜ける衝撃と興奮に、テッサは全身から力が抜けてしまいます。ハーディンは唇で首筋をなぞると、髪をつかみ頭を動かないようにしながら、うなじにキスをして……。注目の次回!

 

【参考】

アナ・トッド(2015)『AFTER 1』(小学館文庫)

 

【関連記事】

これで一気読み!連載小説『AFTER』目次ページ

※ ヤダ…大興奮?「愛する彼氏がいても」恋に堕ちちゃう危険なキス

※ 【連載1:AFTER】すべて計画通り!「人生でもっとも大切な日」にオールAの彼氏

※ 【連載2:AFTER】え…なんで男子生徒が!? 「信じられないルームメイト」に大混乱

【連載3:AFTER】うそ…もしかして!? 悲劇「男女共同シャワー」で濡れちゃった

 

【姉妹サイト】

※ 休み明けのダラダラ脳に!「ヤル気スイッチ」を一瞬で押す魔法テク3つ

※ 2位紗栄子よりムカつく!最新版「イラッとするママタレ」1位は

AFTER(1) [ アナ・トッド ]

AFTER(1) [ アナ・トッド ]
価格:626円(税込、送料込)

あわせて読みたい


最新の記事一覧

'Menjoy!編集部'の過去記事一覧