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【連載19:AFTER】直接対決!昨晩のキス相手vs.「ボーイフレンド&お母さん」の乱

2016/02/10 21:00  by   | モテる女

ついにハーディンとキスをしてしまったテッサ! 駆け抜ける衝撃と興奮に、全身から力が抜けてしまいます。

「こんなキスをしたのは初めてだ……」

鎖骨を歯でなぞられ全身を快感が貫きますが、ボーイフレンドのノアを思い出し、なんとか、「……やめて」とハーディンを拒絶します。

しかし、「ただのキスだ。特別なことじゃない」と言われ、大きなショックをうけてしまうのです(前回)。

外に出ると、もう朝の四時。スマホを見ると、ノアやお母さんからのメールが延々と続いているのでした。

■ずっと探していたの……?

フラタニティハウスから一ブロック離れると、真っ暗な通りは静まり返っていた。立ち並ぶほかのハウスは、ハーディンのところほど大きくはなかった。GPSとにらめっこしながら一時間ほど歩き、やっとのことでキャンパスに着く。

すっかり酔いもさめたし、このまま起きていたほうがいいだろう。わたしはセブンイレブンに寄ってコーヒーを買った。カフェインが効いてくると、ハーディンについて知らないことがたくさんあるのに気づいた。

たとえば、タトゥーを入れた不良なのに、お金持ちの坊ちゃんが集まるフラタニティにどうしているのか。そして、情熱的かと思えばすぐに冷たくなるのはなぜか、とか。

でも、これは単に学問的な見地からの興味だ。だって、彼のことを考えて時間を無駄にしている意味がわからないし、彼と仲良くしようとするのもゆうべが最後。わたしのほうからキスしたなんて、信じられない。いままでの人生で最大の過ちだし、こちらが警戒を緩めたとたんハーディンは反撃してきた。

しかも、これまでで最悪の攻撃。誰にも言わないという言葉を信じるほどばかじゃないけど、彼が黙っていてくれるよう祈るしかない。バージンとキスしたのがバレたら、彼だって気まずいはずだ。わたしも、墓場までこの秘密を持っていかなくては。

ゆうべの行動に関しては、母やノアに説明する言い訳が必要だ。キスはさておき—絶対ふたりに知られてはならない—パーティーに行ったことについて。しかも、これで二度目だということ。その前に、まずはノアと話をしなくては。わたしだってもう大人なんだから、母にいちいちチクられる必要はないはずだ。

寮の部屋に着くころには足がよれよれで、わたしはため息をつきながらドアノブを回した。

でも、つぎの瞬間、心臓発作を起こしそうになった。ベッドにハーディンが座っていたからだ。

「なんなのよ!」ようやく落ち着きを取り戻し、半分悲鳴のような声をあげる。

「どこにいた?」彼は落ち着いた声で言った。「きみを探して、二時間も車で走った」

はあ?「何? どうして?」そんなことをするより、なぜ、車で送ると言ってくれなかったの? だいたい、わたしもばかだ。ハーディンがお酒を飲んでいないと言ったときに頼めばよかった。

「夜道をひとりで歩かせるのはよくないと思っただけだ」

ハーディンの表情はまったく読めなかった。ステフはどこにいるかもわからず、リアルに危険をもたらす人物と部屋でふたりきり。わたしはもう笑うしかなかった。自分のものとは思えない耳障りな笑い声は、決しておもしろがってるんじゃない。精神的に参って、どうしたらいいかわからないヒステリックな笑いだった。

怪訝(けげん)そうな彼の表情に、さらに笑いを誘われる。

「出ていって、ハーディン—とにかく出てってよ!」

彼はこちらを見て両手で髪をかきあげた。ハーディン・スコットという、このムカつく人物と知り合ってまだ間もないけど、この仕草は彼がイライラしているか、居心地悪そうなときにしか出ない。

「テレーサ、おれは—」と言いかけた言葉は、ドアをたたくけたたましい音と叫び声にかき消された。

 

■ハーディンvsお母さん、ノア

「テレーサ! テレーサ・ヤング、ここを開けなさい!」母の声だ。朝の六時。わたしの部屋に男子がいるという、まさに最悪のタイミング。

母の怒りにぶち当たったときはいつもそうするように、わたしはすぐさま行動に移った。「ハーディン、クローゼットに隠れて」小声で叱るように言いながら、腕をつかんでベッドから下ろさせる。

あまりの勢いにふたりとも驚いたが、彼はおもしろがるような顔でこちらを見下ろした。

「おれは隠れない。きみは十八歳だろ?」

ハーディンの言うとおりだ—それはわかってる—でも彼は、母がどんな人間か知らない。もどかしさに焦っていると、母がふたたび激しくドアをたたいた。拒絶するようにがっちり腕組みする彼を動かすのは無理そうだ。

わたしは鏡を見て目の下のくまをこすると、歯ブラシを口につっこんで、コーヒーでも消せなかったウォッカのにおいをごまかそうとした。全部混じり合えば、母の鼻もだませるかもしれない。

愛想のいい顔をつくり、挨拶の言葉を練習しながらドアを開ける。でも、そこにいたのは母ひとりではなく、その横にノアが立っていた—当然だ、いまさら驚くことでもない。母は激怒そのものの表情。ノアは……心配そうな顔? 傷ついてる?

「あら、ふたり揃ってどうしたの?」そう言うわたしを押しのけ、母はまっすぐハーディンのところへ行った。そのうしろから、ノアがそっと部屋に入ってくる。

「ずっと電話に出なかったのは、こういうわけね? この……こんな……」母は両腕をハーディンのほうに振り回した。「朝の六時だというのに、タトゥーなんか入れてるトラブルメーカーが寮の部屋にいるなんて!」

頭にカッと血が上った。母のこととなると、ふだんのわたしは強く出られず、怖いと思ってしまうこともあった。殴られたりしたことはないが、母はわたしの過ちを指摘するのに容赦ないからだ。

まさか、“それ”を着るつもりじゃないでしょうね、テッサ?

もう一度、髪をとかしたほうがいいわよ、テッサ。

テストはもっといい点がとれたはずよね、テッサ。

いつも完璧を目指すようプレッシャーをかけられて、もううんざり。

ノアはといえば、突っ立ったままハーディンをにらみつけている。わたしはふたりを—いえ、三人を怒鳴りつけたかった。わたしを子どものように扱う母。母になんでも告げ口するノア。そしてハーディンは、ただハーディンというだけでムカつく。

「せっかく入った大学ですることがこれなの? 徹夜で騒いで男子を部屋に連れこむ? ノアは、あなたのことが心配でたまらなかったというのに。わざわざやってきたら、どこの馬の骨とも知れない人間といちゃついていたなんて」母の言葉に、わたしもノアも思わず息をのんだ。

「いや、実のところ、おれもここに着いたばかりです。それに、彼女は何も悪いことしてませんよ」ハーディンの言葉を聞いて、わたしはぎょっとした。母に向かって、そんな台詞を吐くなんて。

でも、こうと決めたら絶対に動かないハーディンと、誰にも止められない母となら、いい勝負になるかもしれない。ポップコーン片手に、ゆっくり眺めてみたいものだ。

母の表情が無慈悲なものに変わる。「なんですって? あなたになんか話しかけてませんよ。だいたい、あなたみたいな人間がなぜ、娘のまわりをうろつくの? なんの共通点もないのに」

辛辣な一撃をハーディンは無言で受けとめ、母をじっと見ている。

 

次回、母親からさんざん説教をうけた後、テッサはノアとデートをすることに。そして、何かを確かめるように、ノアともキスをするのですが……?

 

【参考】

アナ・トッド(2015)『AFTER 1』(小学館文庫)

 

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