【連載23:AFTER】どこまでいくの…!? 半裸で抱き合うふたりに「乱入者が登場」

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授業が終わり、部屋に帰ったテッサは勉強の前に仮眠をとろうとしますが、十分もたたないうちにドアをノックする音が聞こえます。意識朦朧としたままドアを開けると、そこにいたのは、なんとハーディン。

少しの小競り合いの後、ハーディンはテッサの両手首を押さえつけ、強引にキスをします。そして、唇を重ねたまま、ふたりはベッドへと歩いていったのです(前回)。

 

■「すごくセクシーだ、テス」

規律委員みたいな声が頭のなかでささやく─はしたないまねはやめなさい。だけど、わたしはそれを押さえつけた。こんどは自分を抑えたりしない。ハーディンの髪を強く引っぱってうめき声を上げさせる。

それを聞いて思わずあげた声が彼のと混じり合い、すごくすてきな気分。聴覚だけでこんなに興奮させられたのは初めてだ。こんな声がまた聞けるなら、どんなことでもしたくなる。

ベッドに座ったハーディンに引き寄せられて、わたしは膝にまたがった。長くしなやかな指が肌に食いこんでくるほどだったけど、その痛みさえ心地いい。体をそっと前後に揺らすと、ハーディンの指先にさらに力がこもる。

「ヤバすぎる、テッサ」唇を重ねたまま、そうささやかれた。彼のあそこが固くなるのを感じて、いままでにない衝撃を覚える。

どこまでいくつもり? 自分に問いかけても、答えは見つからない。

ハーディンはわたしのシャツの裾を探り当てて引きあげた。抵抗せずに許した自分が信じられないけど、やめたくない。彼は熱いキスを中断して、シャツをわたしの頭から脱がせた。じっと目を見たかと思うと、視線を胸に移して唇を嚙む。

「すごくセクシーだ、テス」

みだらな口説き文句にひかれたことはいままでなかった。でもハーディンに言われると、この世でいちばん官能的で美しい言葉に聞こえた。これまで、ゴージャスな下着を買ったことなんて一度もない。ほんとうに、誰にも見られたことがなかったから。

でもいまは、こんなに地味な黒いブラじゃないものを着けていればよかったと思った。ハーディンはありとあらゆるブラを見てきたはずだ、と意地悪な声が頭のなかで響く。

それを振り払おうと、わたしはさらに激しく体を揺すった。背中に回された腕に引き寄せられて、ふたりの胸と胸が触れた瞬間……。

がちゃがちゃとドアノブが音を立てた。わたしはハーディンのひざから飛び下りてシャツを羽織った。夢のような至福の状態は、一瞬にして消え去った。

入ってきたステフはわたしとハーディンを見て、戸口で立ち止まった。目の前の光景を把握したのか、口をあんぐり開ける。

■ステフが乱入してきて……!?

わたしのほほが真っ赤なのは恥ずかしさのせいだけじゃない。ハーディンに感じさせられたからだった。

「もしかして、すごいシーンを見逃しちゃった?」ステフがこちらを見ながらにやにやする。いまにも手をたたいて小躍りしそうだ。

「そうでもない」ハーディンが立ちあがった。振り向きもせず部屋を出ていったあとには、荒く息を切らすわたしと、おもしろがるステフだけが残された。

「ちょっと、なんだったのよ?」彼女はぎょっとしたようなふりをして顔を両手で覆ったけど、すぐに野次馬根性まるだしで質問してきた。「あなたとハーディンが……ふたりがいちゃついてた、ってこと?」

わたしは背を向けて、机の上で探し物をするふりをした。「違う! 冗談はやめて! いちゃついてなんかいない」キスをしただけだ。二度ほど。それからシャツを脱がされて、彼にまたがったまま腰を動かし—でも、本気でセックスしようとしていたわけじゃない。

「わたしにはボーイフレンドがいるのよ。忘れたの?」

ステフはつかつかと寄ってきた。「まあね……だからって、ハーディンといちゃついたらだめってわけじゃないよ—とにかく信じられない! 嫌い合ってるとばかり思ってたのに。っていうか、ハーディンは誰のことも嫌いだけどね。

でも、あなたに対する態度は、ほかの人間に対する嫌悪感より強いような気がした」そして、声をあげて笑った。「いつから……どうして、こんなことになったの?」

わたしはステフのベッドに座って髪を両手でかきあげた。「わかんない。土曜日、あなたがパーティーを抜け出したあとのことだけど、キモい男子に襲われそうになって、ハーディンの部屋に逃げこんだの。そして、彼にキスした。このことは絶対に口外しないって約束し合ったけど—きょう、彼がやってきてちょっかいを出してきた。

といっても、そういう意味じゃないからね」わたしはベッドを指さしたが、ステフのにやにやが深まるだけだった。「教科書やノートを放り投げられたから、カッとしてハーディンを押しのけてたら、どういうわけか、ふたりでベッドの上にいたの」

こうして言葉で再現してみると、とんでもない話だ。母が言うように、柄にもないことをやっている自分に気づいて、わたしは両手に顔をうずめた。なぜ、ノアにこんな仕打ちを—しかも、二度までも。

「うっわ、すごい熱々だね」というステフの言葉に自分でもあきれてしまう。

「そんなんじゃない—ひどく間違ってる。わたしはノアを愛してるの。ハーディンはただのいやなやつ。彼にくどかれた女子のひとりになるつもりはないから」

「ハーディンからはいろいろ学べるよ……“あっち”の方面で、ってことだけど」

口がぽかんと開いてしまう。ステフは本気で言ってるの? 彼女もそんなことを……待って、そうなの? 彼女とハーディンが?

「やめてよ、ハーディンから何か学ぶなんてごめんだわ。っていうか、ノア以外の人物とはそんなこと考えられない」でも、ノアとあんなふうに愛撫し合うところは想像できない。

頭のなかでハーディンの言葉が繰り返される。すごくセクシーだ、テス。ノアはそんな台詞、絶対に言わない—わたしをセクシーと言った人なんて、いままでひとりもいなかった。そんなことを考えていると、ほほが熱くなった。「あ、あなたも?」

「ハーディンと? ううん」その瞬間、心のどこかでほっとするわたしにかまわず、ステフは続けた。「まあ……セックスはしてないけど、最初に会ったとき、ちょっとしたお遊びはしたよ。いまさら認めるのも恥ずかしいけどさ。でも、それで終わり。

都合のいいお友達関係が一週間ほど続いただけ」たいしたことじゃないみたいにステフは言ったけど、胸のなかにどす黒い思いが起こるのはとめられなかった。

「そう……都合のいいお友達って何?」口のなかがからからに乾き、ふいに彼女がひどく疎(うと)ましくなる。

「ああ、そんなたいしたことじゃないよ。ちょっとハードな愛撫とか、体のあちこちをまさぐったりとか。全然、真剣な恋愛とかじゃないから」ステフの言葉に胸がずきりとする。本気で驚いたわけではないけど、質問しなければよかった。

「ハーディンには“都合のいいお友達”がおおぜいいるの?」答えなんか聞きたくないのに、質問せずにはいられない。

ステフは鼻を鳴らして、わたしと向かい合うようにベッドに座った。「うん。何百人もいるわけじゃないけど、彼はすごく……お盛んだから」

ステフは、わたしの反応を見てオブラートに包んだ言い方をしている。ハーディンに近づくまいと心のなかで誓うのも、もう何百回目だろうか。相手が彼でなくとも、“都合のいいお友達”になんてなりたくない。絶対に。

 

次回、テッサとハーディンが英文学の授業で大バトル! 登場人物への寸評をまるで自分たちのことのように語り出し、ついには……!?

 

【参考】

アナ・トッド(2015)『AFTER 1』(小学館文庫)

 

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