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【連載27:AFTER】「今夜はおれとデートだぞ」に口あんぐり…デートじゃないでしょっ!?

2016/02/18 21:00  by   | モテる女

授業中の大ゲンカの後、話し合いを経て、ようやく心を開きはじめたテッサとハーディン。スケジュールをスマホのアラームで管理しているテッサに、ハーディンは、「明日の授業が終わったらふたりで何か楽しいことをする、というアラームをセットしてくれ」(前回)。

はたして、ハーディンの言う“楽しいこと”とは?

 

■ノアには言えない……

部屋に戻って勉強しようと思ったが、集中できそうになかった。ノートを眺めてもさっぱり頭に入ってこない数時間を過ごしたあと、シャワーを浴びることにした。混んでいるときの男女共用シャワールームはまだ落ち着かないけど、ちょっかい出されることもなかったので、すこしずつ慣れてきた。

熱いお湯が緊張した体をほぐしてくれる。ハーディンと休戦協定を結んでほっとすべきなのに、怒りといら立たしさが不安や困惑に変わっただけだった。明日はハーディンといっしょに“楽しい”ことをして過ごすことになったけど、心配でたまらない。

とにかく、何ごともなく過ぎるよう祈るだけだ。彼と親友になれるとは思っていないが、話すたびに怒鳴り合わなくてすむ関係にはなりたい。

シャワーがあまりに気持ちよくて、ゆっくりしてしまった。部屋に戻ると、帰ってきたステフがまた出ていったあとだった。トリスタンにキャンパス外のディナーに連れてってもらう、とメモがあった。

トリスタンはわたしも好きだ。アイラインが濃すぎるけど、すごくいい人に見える。ステフとトリスタンがこのままつき合うなら、ノアがこんど来たときにダブルデートできるかも。ちょっと待って、冗談でしょう? ノアはああいう人たちとつるんだりしない。でも、三週間前まではわたしも彼と同じように思っていた。

結局、寝る前にノアに電話した。まる一日、話していなかったが、彼は愛想よく答えてくれた。電話に出るなり、きょうはどうだったとすごく心配されたので、とくに問題なく過ごしたと答えた。明日はハーディンと出かけることになったと報告すべきだったものの、黙っていた。

ノアは、強豪チームのシアトル・ハイスクールとサッカーの試合をして大勝したと報告してくれた。いいプレーができたと心の底から喜んでいる彼の声を聞いて、わたしもうれしく思った。

 

■やっぱり、やめだ

翌日はあっという間に時間が過ぎた。ランドンと英文学のクラスに行くと、ハーディンはすでにいつもの席についていた。「今夜はおれとデートだぞ」彼の言葉にわたしは口をあんぐり開けた。

ランドンも同じ表情だ。こんなふうにハーディンに言われるのと、そのせいでわたしに対するランドンの見方が変わるかもしれないのと、どっちがいやだろう? ハーディンと親しくなる道のりは最初から険しいみたいだ。

「デートじゃないでしょ」彼に言ってから、ランドンのほうを向いてため息をついてみせる。「友達としてつき合ってるの」

「同じことだ」ハーディンが口を挟んだ。

クラスのあいだじゅうずっと、わたしは彼を避けた……といっても、それほど難しくなかった。彼のほうも話しかけてこなかったからだ。

授業が終わると、ランドンはバックパックにノートをいれながらハーディンをちらと見て、わたしに向かって口早に言った。「今夜は気をつけて」

「ちょっと仲良くしようとしてるだけよ。ほら、わたしのルームメイトが彼の親友だから」ハーディンに聞こえないよう答えた。

「わかってる。誤解してるわけじゃないよ。ただ、ハーディンがきみの友達としてふさわしいかどうか」ランドンがわざと大きな声で言ったので、わたしは顔を上げた。

「おれの悪口を言う以外にすることはないのかよ? 失せろ」ハーディンがわたしの背後で大声を出す。

ランドンは眉根を寄せ、こちらをまた見た。「とにかく、ぼくが言ったことを忘れないで」去っていく後ろ姿を見送りながら思った。どうしよう。もうすでに彼を動揺させてしまったのかもしれない。

「ランドンに意地悪なこと言わなくてもいいでしょう? 兄弟も同然なんだから」

ハーディンが目を見開く。「いま、なんて言った?」

「あなたのお父さんと彼のお母さん、そうなんでしょ?」ランドンがうそをついている? それとも、言ってはいけないことだったのだろうか。父親との関係については持ち出すなと言われたけど、あのときの話全部だとは思わなかった。

「きみには関係ない」ハーディンは、ランドンが消えたドアのほうを腹立たしげに見た。

「あのくそ野郎、なぜきみに話したりしたんだ。やつを黙らせないといけないな」

「そんなのやめて。わたしのほうから無理に聞き出したんだから」ハーディンがランドンを傷つけるかと思うと、気分が悪くなる。話題を変えなくては。「それで、きょうはどこへ行くの?」でも、ハーディンににらまれた。

「どこにも行かない。やっぱり、やめだ」彼は言い捨てると、くるりと背を向けて行ってしまった。わたしは立ったまま、彼が気を変えて戻ってくるのを待った。

いったい、なんだっていうの? あんなにころころ気分が変わるなんて、ほんとうにハーディンはつきあいづらい人だ。

 

■おまえら、いまから何するんだ?

寮の部屋に戻ると、ゼッドとトリスタン、それにステフが彼女のベッドに座っていた。トリスタンの目はステフにくぎづけ。ゼッドはジッポーライターの蓋を開け閉めして遊んでいる。いつもだったら、呼んでもいない人が大勢いるのは好きじゃないけど、ゼッドとトリスタンのことは好きだし、わたしには気晴らしが必要だった。

「お帰り、テッサ! 授業はどうだった?」ステフが満面の笑みをこちらに向ける。そして、それを見るトリスタンの顔がぱっと明るくなった。

「まあまあだった。あなたは?」教科書を洋服だんすの上に置くと、彼女は、教授が熱いコーヒーをこぼしたせいで授業を早く切り上げたと教えてくれた。

「きょうはすてきだね、テッサ」ゼッドが言うので、わたしは礼を言ってからステフのベッドに上がりこんだ。四人が座るには狭いけど、なんとか落ちないようにしながら、風変わりな教授たちについていろいろ話していると、ドアが開いた。

みんなで振り向くと、ハーディンが立っていた。

「ちょっと、一回ぐらいノックしてもいいでしょ」ステフにたしなめられて、彼は肩をすくめた。「あたしが裸でいるかもしれないじゃん」と彼女が笑う。マナーが悪いのはとくに気にしていないようだ。

「いままで見たことがないわけじゃないだろ」ハーディンがからかうのを聞いて、ステフとゼッドはくすくす笑ったけど、トリスタンは顔を曇らせた。何がおかしいんだろう。ステフとハーディンがいっしょにいるところなんて想像したくない。

「もう、黙りなさいよ」ステフが笑いながらトリスタンの手を握ると、彼は笑顔を取り戻して体を寄せていった。

「おまえら、いまから何するんだ?」ハーディンはそう言って、向かいに—わたしのベッドに—腰かけた。座らないでと言いたかったけど、黙っていた。一瞬、謝りに来たのかと思ったけど、彼は友達に会いに来ただけ。しかも、そのなかにわたしは入ってない。

ゼッドがにんまりした。「実は映画に行くところなんだ。テッサ、きみも来いよ」

答える間もなく、ハーディンが口を開いた。「テッサとおれは予定がある」奇妙な鋭さがにじむ声。

どうしよう、すごく機嫌悪そうだ。

「なんだって?」ゼッドとステフが揃って声をあげる。

 

次回、ハーディンの車で連れ出されたテッサ。たどりついた場所は……まわりに何もない、ふたりきり、車も建物もなんにもない場所でした。

 

【参考】

アナ・トッド(2015)『AFTER 1』(小学館文庫)

 

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