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LINEはスクショ印刷!弁護士に聞いた「不倫の証拠の集め方」3つ
相川葵A.Aikawa
大好きだったパートナーの不貞行為……。
「もしや?」「信じたくない!」と思っても、人生には直視しなくてはならない時もやってきます。
そこで今回は、恋愛心理カウンセラーの筆者が、不倫問題のプロ中のプロ、弁護士の星野宏明さんに、不貞行為がどうやってバレるのか、そして、有利になるような証拠の集め方とはどんな方法なのかを伺ってまいりました。
■そもそも不貞行為のバレ方あるあるって?
不倫の相手と、堂々と目の前で電話するなんてワカリヤスイ男ならともかく、そんなヤツ滅多にいませんよね。先生、不貞行為って、だいたいどこからバレちゃうんでしょうか?
「もちろん、パートナーの携帯を見て、LINEやメールで……ということもあるのですが、とりあえず家に帰ってこなくなるのでバレる、というケースが一般的ですね」
と、先生あっさりとしたものです。そりゃ、そうですね。家の外に特定の異性ができたら、まずは戻ってこなくなるのが普通のパターン。
携帯を見てバレる、というよりも、むしろ、戻ってこないからバレる、バレるから携帯を見る……と発展するのだと言えますね。
とはいえ、今まで普通に家に帰ってきていた人が、帰って来なくなるとバレやすいですが、そもそも出張が多かったり、勤務時間が長かったりすると、不貞行為になかなか気付くことができないのも現実。
「子どもの入学通知が来て、それで外に子どもがいることがバレてしまったというケースもあるんですよ」
と、どぎついケースもあることを明かしてくれました。入学通知は、精神的にキツイですよね……。
それでは、パートナーの不貞行為を疑ったら、どのようにして証拠集めをするのが、後々自分にとって有利になるのでしょうか?
■1:紙で残す努力を
「LINEやメールは、印刷して、紙で残すことが大切なんです」と先生。
そう! 証拠集めの際に、必ず留意したいのが、目にした証拠を、紙に印刷した状態で残さなくてはならない、ということなんです。
後から誰かに見せられるように、情報を整理できるように。そして、ハッキリと突きつけることができるように……。
なかなか帰って来なくなったパートナーを、疑って開いた携帯。
不貞行為の証拠となるLINEやメールを目にしたときは、ショックだとは思いますが、そのまま画面を消してしまわずに、その情報を、紙にして残す必要があることを忘れてはいけないんですね。
といっても、正直、メールならともかく、LINEは情報の保存が大変……。
ひたすらスクショを保存して、自分の携帯に転送するというのも、現実味のない話です。
そんなときは、自分のスマホのカメラで、パートナーのスマホの画面ごと撮影すると、素早く済みますね。
メールを転送する際は、パートナーの端末に転送した証拠が残らないよう、注意する必要もあるでしょう。
■2:日時がわかるように
せっかく、メールやLINEの情報を保存するのですから、「せっかく保存したのに、無意味だった」なんてことにならないように、こんな注意も覚えておきましょう。
先生、メール、LINEの保存時に、忘れてはいけないことって何ですか?
「いつのメールなのかわかるように、ということです」
そう、折角保存したメールやLINEですが、いつ送受信されたものかわかるようにしておかないといけません。
「メールの場合は、送信日時が書かれているので、分かりやすいんですけどね……」
と、先生。
確かに、メールと違って、LINEって日付が出て、その下にメッセージと時間がババババーっと並ぶ形式なので、うっかりするとメッセージと時間ばかりが残って、“何月何日”というところが疎かになってしまいそう!
LINEの画面保存をするときは、日付もわかるように、画面のスクロールを調整するとか、スクショの印刷時に、日付をメモするといったことを、忘れないようにしましょう!
■3:LINEやメールで証拠がなければ探偵を!
「浮気や不倫に慣れた人は、最初から弁護士や裁判といったことを視野に入れているので、メールやLINEで証拠を残さないというケースもあります」
と先生はおっしゃいます。
このようなタイプの人は、メールやLINEなど、証拠に残るような手段で連絡をとらないか、もしくは、メールやLINEをしても、その中に明らかに「不倫だ」とわかるようなメッセージは残さないのだそうです。
LINEは、タダでさえ短文になることに加えて、「これは不倫に違いない」と確実にわかるようなやりとりをしないケースが多いんだとか……。
でも、それだったら証拠がないですよね。どうしたらいいですか?
「古典的ですが、探偵を使って調べることです。尾行して写真を撮ってもらい、証拠にする」
同じ部屋に出入りするところや、ホテルに出入りするところを写真に撮影してもらえば、決定的瞬間として扱うことができるのだそう!
実際に、「中で何をしているか、わからないじゃないか!」と言い出す人もいるようなのですが、ホテルに二人で入ったということ自体を、不貞行為に準じる行為として扱い、慰謝料請求の対象とすることができるんです。
「録音は、意外と使えません。もし録音したものを証拠にするのなら、テープ起しで紙媒体にする必要があります。法廷では、あくまでも紙媒体のものが証拠として扱われるんです」
それだけではなくて、録音の声では、「その声は私の声じゃない!」と否定する不倫カップルもいるのだそうです。なるほど。それで、証拠としての写真が必要になるんですね。
「写真が証拠としては一番強力かもしれませんね」
と、先生もおっしゃいます。
もし、自分で尾行して写真を撮る……なんてことになった時には、やはりメール、LINEと同じく、何月何日、何時……とわかるようにしておく必要もありそうです!
プラスして、顔をしっかり映るようにすることも大切だそう。洋服や背格好が似ているだけでは、本人だという明確な証拠にはならないんです。
不倫の証拠なんていうと、近年の芸能界では「部屋で不倫相手とバッタリ遭遇」という事件が記憶に新しいところ。
実際、一般の人でもこうしたケースはあるそうですが、いくらなんでもこの状況下で否定はしないだろう……と思っていても、いざ裁判! 慰謝料!となると、見たというだけでは「証拠がない」と否定しはじめる人もいるのだとか!
一方、部屋に監視カメラをつけて録画したものなどは、証拠として充分に使えるので、録音よりは動画で撮影すると良いのだそうです。
ちなみに、これを法廷に出すときは、シーンを切り取り、写真に加工して提出することになるそうです。ただ音声のみの録音と違い、画像がついていると、「この声は私のじゃない」と否定することができないので、決定的な証拠になるそう。
“不倫の証拠集めのための監視カメラ”なるものも販売されているそうなので、怪しい~とお疑いのあなた、コッソリ自宅の寝室に設置してみるのはいかがでしょうか……?
【取材協力】
※ 星野宏明・・・弁護士。北京大学、早稲田大学法学部に所属後、慶應義塾大学大学院法務研究科を修了。実務を経て、西新橋に『星野法律事務所』を設立。家庭問題、消費者問題、介護問題その他、もろもろの生活トラブルの強い味方として活躍中。専門分野は外国人事件、離婚・不貞による慰謝料問題等。
【画像】
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