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精神科医に聞く!「女が男に言うとややこしい」言葉のルール4つ

中田綾美

中田綾美A.Nakata

「この女、俺に惚れてる……!? よっしゃ、俺のほうからアプローチかけたろ!」

好きじゃない相手にこんな勘違いされたことはありませんか? それが職場の上司・同僚だったり大学の同じサークル内の人だったりすると、人間関係がこじれるもとでもあり本当に厄介……。

はたらく人・学生のメンタルクリニック院長で大学や専門学校で累計50クラスの授業を担当し2,000人以上の若者を見てきた精神科医の西井重超先生によると、こうした勘違いは男女で言葉の解釈が異なることにも起因するのだそうです。

そこで今回は、面倒くさい事態にまきこまれないために、西井先生から“女が男に言うとややこしい”言葉のルール4つを教えていただきました。

 

■NGその1:「教えて」「お願いします」などの依頼語

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「男はいつも自分を大きく見せていたいもの。“教えて”、“お願いします”、“連れて行ってください”などの依頼語は、そうした気持ちを下手に満たしてしまい、思いもよらぬ誤解を招いてしまう可能性があります。

相手の男性にとって、あなたは“いい気分にさせてくれる人”という位置づけになって、必要のない好意を抱かれかねません。

勘違いを防ぐには、むやみに男性に頼るのではなく、“いいですね、自分でも調べてみます”のような姿勢のほうが望ましいでしょう」

 

■NGその2:「さすが」「すごい」「尊敬します」などの褒める感情語

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「褒め言葉のなかでも主観的な意味合いが強い言葉のほうが誤解を与えやすいといえます。

つまり、“私の好みです、私が認めています”的な言葉になるとややこしい事態が起こりやすいということです。

どうしても褒めなければならないような雰囲気のときは、多人数のときに他の人の意見に同意する形で褒めるか、“素敵な服ですね”などできるだけ本人でなく持ち物を褒めるといった方法を選ぶといいでしょう」

“さすが・知らなかった・すごい・センスがいい・尊敬しています”など、いわゆる“さしすせそ”言葉は、好意のない相手に乱用しないほうがよさそうですね。

 

■NGその3:「うれしいです」「ありがとうございます」など感謝する感情語

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「残念なことに感謝の意を述べるだけで勘違いする男性もいます。特に相手があなたに興味を持っている人であれば、誤解が生じやすいでしょう。

お礼を伝えたいときには感情をこめずにサラッと言ったり、“いつもすみません”など別の言葉を使ったりするほうが無難かもしれません。

人とうまくいく方法、みんなから愛される方法を身につけてきた女性は、次に必要なスキルを身につけてほしいと思います。それは、適度な距離を保つ方法です。

お互いの誤解を生まずにいい関係を保つには、いつもより愛嬌2割減の素っ気なさが適していることもあります」

女性がニッコリ微笑んで「ありがとう」と言うだけで、簡単に落ちちゃう男性もいるみたいですね。誰にでも愛想のいい女性はくれぐれも気をつけて!

 

■NGその4:「コスプレ」「乳液」など下ネタを連想させる言葉

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「女性にはわかりにくいことが多いのですが、“コスプレ”、“乳液”など、男性特有の性的なイメージを彷彿とさせる言葉があります。たとえばアダルトビデオで出てきそうな言葉です。

“コスプレ”は女性にとってはハロウィンパーティーなどみんなで集まって楽しむイメージがありますが、男性にとってはセーラー服やミニスカ警官の服などの性的なイメージに結びつくこともしばしばあるようなので注意しましょう」

女性が男性の面前で「(仮装パーティーの意味で)コスプレっていいよね」、「新しい乳液(のおかげで肌の調子がよくて)いい感じ」などと軽々しく口にしたら、男性は「俺の前でわざわざそんな言葉を使うなんてこちらに気があるのかな」と勘違いしてしまうかもしれません。

わざわざAVの研究をする必要はありませんが、男女で受ける印象の違う単語があるということだけはぜひ肝に銘じておきたいものですね。

 

最後に、西井先生からまとめの言葉をいただきました。

「原則は“ほめない、語らせない、勘違いさせない”で考えましょう。

決してこれらの言葉を使っていけないわけではありません。感謝をする言葉などは特に、まったく使わないとコミュニケーションが希薄になる可能性があります。使い方に気をつけなければいけないということです。

逆を言えば、相手にその気があればこちらを振り向かせるのに効果的な言葉。時と場合に気を付けて言葉を使い分けたいですね」

好きな人には振り向いてもらえず、対象外の男性にばかり言い寄られる……とお悩みの女性はぜひご参考にしてみてくださいね!

 【取材協力】

西井重超・・・はたらく人・学生のメンタルクリニック院長。兵庫医科大学卒業。奈良県立医科大学精神科を経て、産業医科大学精神科教育医長となる。学生の頃は100人中98番の成績。授業がわからないのは教える側が悪いということをモットーに教育スキルを磨き、現在では看護学校を中心に複数校で精神医学の講義を担当。看護学生を教えて来た経験から女性にもわかりやすい表現ができ、診察の傍ら全国からの教え方についての講演依頼もこなす。

 

【画像協力】

七草粥・・・滋賀県在住。フリーのイラストレーター。4パターンすべて経験済みで穴があったら入りたい。

Valery Sidelnykov / shutter stock