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ネタバレ注意!「ラ・ラ・ランド」の感想でわかる彼の恋愛観3パターン

文平サチオ

文平サチオS.Fumihira

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1:「もう涙が止まらない」

「あんな名作、他にないですよ。ずっと泣いてましたもん」(Aくん、27歳/会社員)

オープニングからずっと泣きっぱなしだったというAくん。「これ見て、5年分泣いた」と言う彼は、ちょっと極端な例にも思えますが、その涙の理由を語ってもらいました。

ロマンチストほど大号泣?

「僕も昔、音楽をやっていて“それじゃ食えない”と諦めた経験がありますし、大学進学がきっかけで地元の彼女と別れたりしているんですよ。その思い出が重なって……」(Aくん)

夢に敗れ、彼女との切ない別れを経験したAくんは、ライアン・ゴズリング演じるセブに自分を重ねてしまったのだとか。

「きっと僕ってロマンチストなんでしょうね。“彼女とのあり得たかもしれない未来”を描いた、最後のシーンで耐え切れなくなりましたから」(Aくん)

シナリオの視点から『ラ・ラ・ランド』を見ると、“夢”と“失われた恋”が、作品の大きなテーマとなっており、Aくんのような「夢追い人」と「ほろ苦い恋の経験者」が一番感動する作りになっています。

Aくんが自分でも言っている通り、夢を追いかけ、“あり得たかもしれない未来”で感動するような男性、“ロマンチックな男”が一番感動する映画なんです。

もし彼が「『ラ・ラ・ランド』で号泣した」と言っていたら、彼はかなりのロマンチック体質だと考えて構いません。 

2:「……そうでもなかったよね」

「賞も取ってるし、みんな“泣いた”とか言ってるんですけど、僕はそうでもなかったですね。あんまり感動しなかったです」(Bくん、26歳/営業職)

前評判を聞いて、期待しながら映画を観に行ったというBくん。しかし、あんまり感動を覚えなかったのだとか。“5年分泣いたAくん”とは、随分と違いますね。

彼は良くも悪くも現実主義?

「たぶん僕は夢を追ったことがないから、主人公たちに感情移入できなかったんでしょうね。夢を追いかけて、好きな人と別れるっておかしくないですか? しっくりきませんでしたよ」(Bくん)

前述したAくんのように、夢中になって何かを追いかけたことはなく、恋愛もそつなくこなしてきたというBくん。シナリオ的な泣き所、“夢”と“失われた恋”に共感できないと、Bくんのように「そこまでじゃなかったな」という感想を抱くこともあるようです。

『ラ・ラ・ランド』を見て「感動しなかったなぁ」と言っている彼は、いい意味でも悪い意味でも、現実主義者なのかもしれません。

恋愛では、ロマンチックさに欠けるかもしれませんが、突然「会社辞めて、ジャズピアニストになる!」とは言い出さないので、ある意味では安心です。

 

3:「他の男と結婚なんてあり得ない!」

「感動したんですけど、ラストが納得いかないですね。どうして愛し合っているのに、他の男と結婚したんでしょうか? 僕が主人公なら最後にあんなふうに笑えませんよ」(Cくん、26歳/公務員)

夢を追いかけるために一度距離を取った二人が、5年後に再開してエンディングを迎えるこの作品。エマ・ストーン演じるミアは既婚者になってしまっています。Cくんはそのラストが腑に落ちなかったのだとか。

女性には“献身”を求めるタイプ

「だって、お互いに愛し合っていたわけでしょ? それなのにどうしてミアは他の男と結婚しちゃったんですか……悲しいですよ、ほんとに」(Cくん)

女優としての道を歩き始めたミアと、セブの間に何があったのか。観客にその空白を想像させることで、シナリオを引き締めるという手法なので、何があったのかは一人一人が想像するしかありません。

「愛してるなら、他の男と何で結婚したんだよぉ!」(Cくん)

愛し合っていた二人が結ばれなかったという結末に、違和感を覚えるというCくんのような男性は、無意識のうちに相手の女性に“献身”を求めていると言えます。

「愛しているから、何があってもオレの傍にいてくれ」という考え方は、見方を変えると、相手の女性に“尽くしてほしい”と求めていることに他なりません。

 

いかがでしたか?

男性が鑑賞後、何気なく呟いた映画の感想からは、彼の恋愛に関する考え方やスタンスが垣間見えるのです。「まだ映画を観ていない」という彼がいれば、二人で映画館に行くのも良いでしょう。その後の感想で彼の価値観が確認できますよ。

友達と行ってもよし、彼氏と行ってもよし、男女の違いをしっかりと実感してみてくださいね。もしかして、「彼って女性っぽい考えなのかも」なんて診断できちゃうかもしれませんよ。