弁護士に聞く!男性が痴漢冤罪に巻き込まれない方法

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女性にとって、満員電車での痴漢は許しがたい行為ですが、男性にとっても痴漢は切実な問題といえます。

数年前に『それでもボクはやっていない』という映画が話題になりましたが、無実の人が痴漢の犯人に間違われたり、または罪をでっちあげられたりする“痴漢冤罪”のおそれがあるからです。

痴漢冤罪に巻き込まれると、最悪の場合、職や社会的信用を失うなど、その影響はきわめて大きいといわざるをえません。

では、痴漢冤罪を防ぐにはどうすればいいのか? もし、巻き込まれた場合には、どのように対処すればいいのかなど痴漢冤罪対策について、弁護士法人みずほ中央法律事務所の三平聡史(みひらさとし)弁護士のお話をもとに、3回にわたって解説します。

今回は、そもそも痴漢冤罪に遭わないためにはどうすればいいのかについてです。

 

■“バンザイ通勤”は本当に有効か?

自分が痴漢だと疑われないために、両手で吊革を持つ“バンザイ通勤”の男性が増えています。バンザイ通勤は、はたして冤罪対策として有効なのでしょうか。

三平弁護士によれば、「バンザイ通勤はある程度は有効ではあるけれど、絶対大丈夫とは言い切れない」とのこと。

そもそも痴漢冤罪がなぜ起こるのかというと、満員電車では被害者女性から犯人の手だけしか見えていないことも原因のひとつです。

被害者女性が「痴漢です」と声を上げたり、犯人の手をつかもうとしたりすれば、犯人はとっさに手を引っ込めます。

女性が犯人の顔を見ていない場合、その手が引っ込められた方向に立っていた男性は、誰でも犯人だと疑われる可能性があるのです。

このとき、両手で吊革を持っていれば、たしかに「俺は触っていない(触れない)」というアピールにはなります。

ただし、被害者女性から「あの人がやった」と言い張られた場合、本人が「俺はずっと吊革を持っていた」と主張するだけでは犯人扱いは免れません。吊革を持っていたことを証言してくれる第三者が必要です。

“バンザイ通勤さえしていれば大丈夫というわけではない”ということは、肝に銘じておくべきでしょう。

 

■痴漢冤罪を防ぐ3つの対策

バンザイ通勤以外に、痴漢冤罪に巻き込まれないために気をつけるべきことはないのでしょうか。

三平弁護士は、過去の事例をもとに、(1)不自然な通勤経路をとらない、(2)露出度の高い女性の付近は避ける、(3)男性の集団のなかに身を潜める、という3つの方法を提案しています。

 

(1)不自然な通勤経路をとらない

たとえば、必要もないのに満員電車に乗るのは危ないです。

仮に、仕事が始まるのが午後なのに、わざわざ朝のピークタイムの電車に乗った男性が、痴漢と間違われたとします。

“職場近くの喫茶店のモーニングが食べたかったから早く出勤した”といった理由があったとしても、警察や裁判所では「そんなのは不自然だ。痴漢目的で満員電車に乗ったのだろう」と疑いの目を向けられてしまうのです。

このほか、間違って遠回りになる混雑路線に乗ったという事情が、男性に不利に働くこともあります。

たとえば、電車のなかで寝過ごして、慌てて引き返そうとしたら、さらに間違った路線に乗ってしまい、その車中で痴漢に間違われたケースについて考えてみましょう。

本人にしてみれば、めちゃくちゃ焦った状態でさらに痴漢扱いされて踏んだり蹴ったりといった感じですが、やはり「なんでそんな不自然な乗り換え方をしてるんだ。痴漢目的だろ」ということになってしまうのです。

自分にとって不利な条件を作らないためには、なるべく不自然な通勤経路は避けるべきでしょう。

 

(2)露出度の高い女性の付近は避ける

痴漢冤罪のなかには、被害者女性からたまたま犯人に間違われたというケースもあれば、示談金目当ての“痴漢冤罪メーカー”の標的になってしまったというケースもあります。

後者のタイプでは、女性がミニスカート、キャミソールなど露出度の高い衣服を着ていることが多いです(もちろん普通の服装のこともありますが)。

君子危うきに近寄らず。露出度の高い女性を見かけたら、なるべく距離をとりましょう。

 

(3)男性の集団のなかに身を潜める

“女性を見たら痴漢冤罪メーカーと思え”というわけではありませんが、痴漢冤罪被害を防止する究極の方法は、露出度の高い女性に限らず、とにかく満員電車内で女性から離れることです。男性の集団のなかに身を潜めるに尽きます。

男性専用車両の導入が望まれるところです。それがない現時点では、駅のホームで電車待ちをする際、なるべく男性率の高い列に並ぶなど工夫してみてはいかがでしょう。

後ろに女性に並ばれては意味はありませんが、常に乗客の性別と位置関係を意識しておくのは大事なことです。

 

まずは、痴漢冤罪に巻き込まれないための対策をお届けしましたがいかがでしたか? 「夫(彼氏)が、どうもボンヤリしているので痴漢冤罪に遭わないか心配……」というかたは、ぜひ当記事で紹介した方法を彼に教えてあげてくださいね。

次回は、「この人、痴漢です!」と不幸にも犯人と間違われた場合の対処法をお届けします。

 

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【取材協力】

弁護士法人みずほ中央法律事務所 代表弁護士 三平聡史