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「ピルを飲むと長生きできる」研究で判明した驚きの結果

2012/04/10 18:00  by   | 大人

コンドームを正しく使っても、避妊の失敗率は1年間でおよそ2%になります。手順をおろそかにすれば失敗率は15%まで上昇し、これでは避妊方法としての役割を果たせません。

一方で、飲み忘れさえなければ、ピル(低用量経口避妊薬)の失敗率は1年間で0.3%です。ピルはエストロゲンとプロゲステロンの働きによって、排卵そのものを止めてしまうため、このように高い効果が得られるのです。

だからこそ、ピルを使うのはちょっとハードルが高い、という人もいることでしょう。実際のところ、アメリカでは1960年に承認されたピルが、日本で初めて発売されたのは1999年の9月のことでした。

では、そのピルには女性にとって嬉しい多くの効用があることはご存知でしょうか。そして、“ピルを飲んでいる女性”が“ピルを飲んでいない女性”に比べて長生きできることが、証明されつつあるということも。

今回は、英国一般医協会が1968年5月から2010年までのおよそ40年間に、23000人のピル服用女性と同数の非服用女性を追跡調査した結果を紹介し、“ピルの長寿効果”について考えてみます。

 

■ピルは女性の生活の質を向上させる

ピルには避妊以外にも、生理痛を軽くしたり、月経量を少なくしたりします。また、子宮内膜症や子宮外妊娠、骨粗鬆症や関節リウマチのリスクを軽減することもすでに証明されているため、それらの副効用を目的にピルが処方されることもあるほどです。

しかし、“長生きできる”こと、すなわち“死亡率が低い”ことと大いに関係するのは、実は癌のリスクでした。この大規模な調査結果によれば、大腸から子宮や卵巣、乳房にいたるまで、ほとんどすべての癌について、“ピルを飲んでいる”女性の死亡率がはっきりと低かったのです。

例えば、卵巣癌の観察率は、ピル非服用女性で19.84%に対して、服用女性は9.16%でした。また、大腸癌の観察率は、ピル非服用女性で21.16%に対して、服用女性は11.84%です。これらの結果は年齢・出産回数などによって補正された、統計的に意味のある数値になっています。

全体としての死亡率には暴力や自殺などが含まれることや、ピルそのものが40年で多少変化していることから、“ピルを飲んでいると長生きできる”ことが完全に証明されたわけではありません。

それでも、他に心臓や脳血管などすべての循環器疾患について、ピル服用女性の死亡率が低いことなどから、現在医学界はピルの“長寿効果”を真剣に検討しているのです。

 

いかがでしたか? もちろんピルは医師の指導のもとに飲むべき医薬品であり、軽はずみな気持ちで飲むのは望ましくありません。また、服用するときには注意点も多くあります。

もしもあなたが婦人科関連の症状に悩んでいたり、癌のリスクを少しでも軽減したいと思うのなら、そのあたりをかかりつけのお医者さんと相談したうえで、ピルを飲むこともひとつの選択肢です。

だって、この40年間に2万人以上の女性が残したデータによって、ピルが女性の生活の質を向上させることは、もう証明されているのですから。

 

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【参考】

※ Can the birth control pill help you live longer? – TIME

※ 日本産婦人科学会編(2006)『低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版)』 診断と治療社

※ 北村邦夫(2011)『低用量経口避妊薬』 臨床婦人科産科・65巻4号

※ Hannaford PC(2010)『Mortality among contraceptive pill users:cohort evidence from Royal College of General Practitioners’ Oral Contraception Study』 BMJ

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