人は「不安になると温かい食事を求める」ことが明らかに

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不安なとき、心が寒いってよく言いますよね。実際に、温かいものを口にすることで、ほっとしたりもできます。

私たちの心と温度は、いったいどんな関係になっているのでしょうか。オハイオ大学の心理学者マシュー・ベスの研究を紹介します。

 

■不安な気持ちが温かさを求めさせる

マシュー・ベスは、56名の成人を対象に調査をおこないました。

調査に協力したひとたちの半分には、感情が不安になるような失恋などの悲しい出来事を想起させ、残りの半分は感情に変化がないような普通の出来事を想起させました。

その後、スープやコーヒーのような温かい飲食物とクッキーやクラッカーのように温度を感じない飲食物について評価をさせました。

すると、温度を感じない飲食物については、不安な出来事か普通の出来事かに関する影響はみられませんでした。

しかしながら、温かい飲食物については、不安な出来事を想起した場合に明確に欲することがあきらかとなりました。

マシュー・ベスによれば、失恋などの不安な出来事が、社会的孤立感や孤独感を招き、精神的にも肉体的にも知覚温度を低下させたのではないかといいます。

 

■温度が心に影響することも

また、不安な気持ちが、温かいものを求めさせることがわかりました。そして実は、その反対に温度が人の心にも影響することも証明されました。

これを証明したのは、長期の恋愛関係を維持している112名を対象に実験によってです。

実験では事前に、暖かさや寒さに関する語句をもちいて文章をつくらせ、その後、自分たちの恋愛関係について評価をさせました。

すると、暖かさに関する語句をもちいて文章を作ったグループは、自分たちの関係を肯定的に評価しました。

しかしながら、寒さに関する語句をもちいて文章を作ったグループは、自分たちの関係を否定的に評価したのです。

 

いかがでしたか? 私たちは無意識のうちに温度を利用して、自分たちの感情を調整しているのです。

大切な人と一緒にいる部屋の温度、一緒に食べる食事など、ちょっとした物事の温度に気を使うだけで、お互いの不安を減少させ、良好な関係を築くことができるようになるんですね。

 

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【参考】

※ Matthew Vess(2012)『Warm Thoughts: Attachment Anxiety and Sensitivity to Temperature Cues』 Psychological Science