あなたが知らない「デートDVが深刻化する」本当の理由【後編】

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前編では、ドメスティック・バイオレンス(DV)の内容、DVのメカニズムについて考えてみました。

すると、DVには暴力をふるわれる側にも、その継続に何らかの影響があるのではないかということがみえてきました。

後編では、その点について考えてみます。

 

■被害者の特性

一般的に、DVの被害者たちには共通して、束縛や嫉妬は愛されている証拠、恋人には私が必要だという意識が存在するといわれています。

心理学的には、前者を嫉妬妄想、後者を恋愛幻想とよんでいます。

つまり、DVを自分に対する愛情表現であると錯覚したり、自分が犠牲になれば何も問題ないと考えてしまうことによって、DVが深刻化・長期化してしまうのです。

 

■DVから抜け出すまで

大分大学教育福祉科学部教授の武内珠美らは、被害女性たちに面接をおこない、DV被害女性がその関係から抜け出すまでの心理的プロセスについてあきらかにしました。

すると、DVがおこなわれるパターンとして、(1)身体的暴力を受けてから精神的・社会的暴力を受けるパターン、(2)精神的・社会的暴力を受けてから身体的暴力を受けるパターン、のふたつが存在することがわかりました。

つまり、身体的暴力を受けた時点で誰かに相談する、もしくは別れをおこなっていれば深刻化することはないのです。

また、精神的・社会的暴力についても、何らかの違和感を感じ取っていれば、未然に身体的暴力を防げたかもしれません。

しかしながら、簡単に別れることが出来ない理由には、暴力への恐怖心や加害者からの執拗さに加え、被害者自身が「わたしにはこの人しかいない」と考えていることも影響していました。

ここでも、嫉妬妄想や恋愛幻想がDVを深刻化させていることがわかります。

この嫉妬妄想や恋愛幻想には、自己犠牲的な心理と恋人に対する依存性が高く影響しています。

また、被害者たちにはこのふたつの心理に加え、嫌だ・別れたいと言いにくい自己主張性の低さも認められました。

 

前編で紹介したように、暴力の内容は身体的なもの以外にも、恋人同士であれば思わずしてしまいがちな行動が含まれています。

最初は、何気ないささいな暴力だったかもしれませんが、お互いに暴力だという認識がなく、しだいにエスカレートしてしまう可能性をはらんでいます。

また、暴力をふるわれていることを自覚していても、嫉妬妄想や恋愛幻想に加え、暴力をふるわれている恥ずかしさから、なかなか他人に相談することができません。

そのことが、結果としてDVを深刻化・長期化させることにもつながっているのです。

自分が恋人にされて嫌だと感じることがあったのなら、お互いに話し合ったり、誰かに相談したりしてください。

 

【DV男の見抜き方】

超危険!あなたを不幸にする「デートDV男」の見抜き方9つ【1/3】

超危険!あなたを不幸にする「デートDV男」の見抜き方9つ【2/3】

超危険!あなたを不幸にする「デートDV男」の見抜き方9つ【3/3】

 

【参考】

※ 武内珠美ら(2011)『デートDV被害女性がその関係から抜け出すまでの心理的プロセスに関する質的研究–複線径路・等至性モデル(TEM)を用いて』 大分大学教育福祉科学部研究紀要