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ついに心理学で「なぜ娘は父親を嫌うのか」が解明される

平松隆円

平松隆円R.Hiramatsu

幼稚園の頃は「パパのお嫁さんになる」といっていた女の子も、中学生や高校生になると知らず知らずのうちに父親と距離をとるようになります。

それは男女を問わず、親のもとから離れ自立しようとする成長過程の一つとして、いわゆる反抗期のようなかたちであらわれてきます。

けれども、子どもが女の子の場合、親からの自立のための反抗というのではなく、とくに父親に対しては接触を拒否したり、父親が入った後のお風呂に入るのは嫌だというような不快感をあらわしたりするようになります。

なぜ、父親はそんなにも娘から嫌われてしまうのでしょうか。

その理由について、神戸女学院大学人間科学部人間科学科学生の岩崎かおり氏が、両親の夫婦関係や父親と娘の日常的接触の側面からあきらかにしましたのでご紹介します。

 

■娘が父親を嫌う理由

岩崎氏は、307名の女子高生を対象に調査をおこないました。

父親への嫌悪感について、“父親に対する不潔感”や“父親との接触拒否”から、また両親の夫婦関係については“両親の仲の良さ”や“両親の記念日記憶”から、父親と娘の日常的接触については“父親との会話頻度”や“父親との挨拶頻度”や“父親との同一空間での行動頻度”から調べました。

その結果、両親のことを仲が良いとみなしていない・父親と会話をしない・父親と挨拶をしない女子高生ほど、父親のことを不潔だと思い、また父親と接触したくないと考えていることがわかりました。

その一方で、両親の記念日記憶は父親への嫌悪と関係していませんでした。

また、父親と一緒にテレビを見たり、夕食を食べたりなど同一空間で行動することも、父親への嫌悪と関係はありませんでした。

つまり、両親の仲の良さや父親との会話や挨拶の頻度によって、娘の父親への嫌悪が影響されていたのです。

 

いかがですか。

両親の仲の良さという結果から、母親が父親をどう思っているのかという母親からの影響が娘の父親に対する嫌悪を決めているのです。

つまり、娘に嫌われないためには、まず夫婦仲良くするのが大切なんですね。

そして、嫌われないようにと娘と距離をとるのではなく、積極的にかかわっていかなければ、ますます嫌われてしまうというわけです。

 

【参考】

※ 岩崎かおり(2003)『父親に対する娘の嫌悪感についての研究』 女性学評論