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「価値観が違うと苦労する」は間違い?彼との相性を左右するポイントはコレ

星 花

星 花H.Hoshi

「価値観が合わない人と結婚すると大変だよ」というのは、巷でよく聞くセリフですが、実際にはどうなのでしょうか? ひとくちに、“価値観”と言っても、具体的なイメージが湧きにくいですよね……。

今回は、18万部を超えるベストセラー本『この人と結婚していいの?』の著者で、プリマリタル・カウンセリング協会理事長の石井希尚氏に、“パートナーとここがあっていないと苦労する”というポイントについて伺ってみました。

 

目次

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■意外と問題にならない“価値観の違い”

価値観が合わない人と結婚すると苦労する、というのは本当でしょうか?

「“価値観”を辞書で調べると、“何にどう価値を認めるかの基準”(『デジタル大辞泉』より)と書いてあります。では“価値”とはどういう意味かと言えば“それがどのくらい役に立つかの度合い”ということです。

つまり、例えばあなたのお気に入りスマホのアプリがどのくらい社会に役立つか、とかそういうことです。“そんなの何の役に立たないじゃないか。くだらない”と言って彼と喧嘩になっても、別にそれが重大な問題に発展するということはありません。価値観の違いといっても、その程度の問題なのです」

なるほど! もし友人が「彼の好きなアプリがくだらなすぎて、もう別れたい!」と言っているのを聞いたら、冗談かと思って笑ってしまいそうですね。

日常生活に支障があると思えない程度のズレは、あまり真剣に悩むのもバカバカしく感じてしまいそうです。

 

■実は“価値観”なんて気にしてないカップルが圧倒的に多い

「もう一つ“価値”というのは、“あらゆる個人・社会を通じて常に承認されるべき絶対性をもった性質。真・善・美など”(『デジタル大辞泉』より)ということです。

カウンセラーとしてはっきり言えることは、世のカップルのほとんどは“絶対性を持った善や美”のような深いテーマについて膝と膝を突き合わせて論じ合ったりしていませんし、それがすれ違いの原因になっているなんていう例はめったにありません。あえて言えば宗教が違うカップルくらいでしょうか。

ようするに、圧倒的多数のカップルは、実はあまり価値観を問題にしていないということなのです」

確かに、忙しい日常生活の中で、パートナーと討論番組のようなテーマで言い争う機会は、そうそう無さそうですね。あったとしても、そんなことのために、わざわざ面倒な思いをしてまで別れたいと思う人は、少ないように思えます。

 

■問題になるのは“価値観”よりも“快・不快の感覚

「では何が問題になるかと言うと、それは“居心地良さ/悪さ”を計る感覚なのです。たとえば、デートのとき“駅前の牛丼屋さんはNG”とか、“築30年以上の物件でも安ければOK”など、こういうことは“しみこんでいる感覚”であって、価値観とは違います。

これは生まれ育った環境によっていつの間にか自分の中に出来上がっている“基準”です。味覚もこれに入ります。この感覚がなるべく近いほうが問題になりにくいということは、はっきりしています」

なるほど! 共に生活する上でスルーできないほど引っかかってしまうのは、価値観というよりも“快・不快”に関わる感覚なのですね。お互いの価値観の相違は理性で処理できても、理屈抜きに不快に感じることに対しては、本能的・衝動的に怒りや不安を感じてしまいそうです。

では、世のカップルたちに深刻な不和をもたらしてしまう“感覚の違い”とは、具体的にどのようなものがあるのでしょうか? 次の記事で、その具体的なチェックポイントについて教えていただきます。合わせてご覧ください。

 

【取材協力】

石井希尚・・・恋愛・結婚カウンセラー、牧師。欧米では常識になりつつあるプリマリタル・カウンセリングを日本に広めた第一人者。ベストセラー『この人と結婚していいの?』が18万部を超え、全国各地より相談に訪れるカップルが殺到。妻・久美子と夫婦二人三脚で精力的に活躍中。最新刊『50年後も幸せな夫婦でいられる方法』絶賛発売中。オフィシャルサイトは http://www.marre.jp/index.html