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【連載2:AFTER】え…なんで男子生徒が!? 「信じられないルームメイト」に大混乱

2016/01/24 21:00  by   | モテる女

母の夢だった大学に合格したテッサは、大学生活初日も、いつものように“計画通り”。(前回)優等生な年下ボーイフレンドのノアと、母とともに3人で、新生活が始まる大学の寮へと向かいます。

しかし、そこで待ち受けていたのは“計画通り”にならないルームメイトとその友人たち……。

 

■大学に出発 でも……?

「おはよう」緊張を隠すためにわたしもにっこり笑い、ダーティーブロンドの髪をポニーテールにまとめようと引っぱった。

「待っててあげるから、ちゃんと整えなさい」母が落ち着いた声で言う。

わたしはうなずいた。大学生活の最初の日なんだから、見苦しくない髪型にしなくては。母はそういう点をきっちり指摘する人だ。お別れの印に、母の好きだというカールヘアにすればよかった。

「車に荷物を積んでおくよ」ノアは母に手を差しだし、車のキーを催促した。そして、わたしのほほに軽くキスしてから、バッグを持って出ていった。すぐあとを母がついていく。

ひとりになると、さっきよりうまく髪の毛をまとめられた。わたしは最後にもう一度、灰色のワンピースにエチケットブラシをかけた。

外に出て、わたしの荷物がいっぱい積まれた車に乗りこむ。そわそわするけど、二
時間も車で揺られているうちにおさまるだろう。

大学はどんなところだろう。そう思った瞬間、ある疑問が頭をもたげた。わたしは、
仲のいい友達をつくれるだろうか?

 

■ここが私のキャンパスね!

車窓から見える、生まれ育ったワシントン州の風景が心を静めてくれる。ワシントン・セントラル大学へだんだん近づいていることを示す標識を見るたび、新しい世界に飛びこんでいくわくわく感が心に広がる……と、そう言えたら、どんなによかっただろう。

でも実際にはいつものとおり、プランニングと妄想にとらわれていた。ノアの話も耳に入ってこなかったが、彼なりにわたしを元気づけようと、無理にテンションをあげているらしい。

「さあ、着いたわよ!」門を抜けて構内に入ると、母が声をあげた。石造りの優美な校舎は、パンフレットやホームページで見たとおりすばらしく、一瞬で心を奪われた。

娘や息子にハグして別れのキスをする保護者、大学のロゴが入った洋服できめた新入生、それに、どこか所在なさげな人など、あたりは数百人もの人間であふれていた。

広大なキャンパスに怖気(おじ)けづいたものの、2、3週間もすればきっと慣れるだろう。

新入生オリエンテーションに同席すると言った母は、終了までの三時間を笑顔で乗り切った。いっぽうノアは、わたしと同じく熱心に耳を傾けていた。

「帰る前に寮の部屋が見たいわ。何も問題ないことを確認しなくちゃ」オリエンテーションが終わると、母は古い建物に目を走らせて不満げな顔をした。何を見ても最悪の部分を見つけだす人だが、雰囲気を和らげようとノアがほほ笑むと、母も調子を合わせてこう言った。

「信じられない! わたしの娘が大学生となり、このキャンパスでひとり生活していくなんて。とにかく夢みたいよ」そして、メイクを崩さぬよう目尻の涙をぬぐう。わたしたちは、両手に荷物を持ったノアを従えて通路を進んだ。

「わたしの部屋があるのはB二十二よ……ここはC棟」さいわい、壁に大きなBの文字が見えた。「お母さん、そっちじゃなくてこっち」荷物は洋服を数着に毛布一枚、愛読書を数冊にとどめた。ノアが持ち運ぶのもそんなに大変ではなかったし、荷解きもすぐに終わるだろう。

「B二十二ね」高すぎるヒールを履いていた母は息を切らせた。長い廊下の端にようやくたどり着き、古びた木製ドアの鍵穴にキーを差しこむ。ドアが開くと、母は目を丸くした。

 

■まさか……あなたがルームメイト!?

ベッドと机がふたつずつの狭い部屋を見て、わたしにも母の驚いた理由がわかった。部屋の片方の壁一面に、見たこともないバンドのポスターがべたべた貼ってある。メンバーの顔にはピアスがいっぱいで、体はタトゥーだらけ。そして、ベッドには女子がひとり寝そべっていた。

燃えるような赤い髪に、目のまわりを黒いアイライナーでぐりぐり囲み、腕には色鮮やかなタトゥーを入れている。

「どうも」とにっこりした表情は、意外なことにすごく魅力的だ。「あたし、ステフ」彼女がベッドに両ひじをついて上体を起こすと、レースアップのトップスから胸がこぼれそう。ノアが目をくぎづけにしているのに気づいて、わたしは彼の靴を軽く蹴った。

「ど、どうも、テッサよ」あれこれシミュレーションしていた言葉が吹っ飛び、やっとのことで挨拶を返す。

「よろしく、テッサ。寮は狭く、パーティーは派手なWCUへようこそ」真っ赤な髪の彼女はにんまりしたかと思うと、わたしたち三人が言葉を失っているのを見て笑いころげた。母はあごがカーペットに届きそうなほど口をあんぐり開け、ノアは足をもぞもぞ動かしている。

ステフはこちらにやってきて、細い両腕をわたしの体に回してきた。いきなりのことに一瞬ぎょっとしたが、わたしもハグを返した。ほんとに彼女がルームメイトなのかと呆然としていたそのとき、ドアをノックする音がして、ノアがバッグを落とした。

「開いてるよ!」ルームメイトが叫ぶ。ドアが開いて、男子がふたり入ってきた。

新学期の一日目だというのに、女子学生の部屋を男子学生が訪ねてくる? WCUに入ると決めたのは間違いだったかもしれない。それとも、ルームメイトを選ぶ方法があるかどうか調べるべきだった? 不愉快そのものといった表情から察するに、母も同感らしい。

「どうも。あんた、ステフのルームメイト?」男子の片方が言った。ツンツンに立てたブロンドヘアの根元に茶色の地毛がのぞいている。両腕のあちこちにタトゥーが入っていて、耳には五セント硬貨ほどのイヤリングをしている。

「えっ……ええ。テッサです」

「おれはネイト。そんなにビビらないで」彼はにやっとすると、手を伸ばして肩に触れてきた。「あんたもここが気に入るよ」見た目はどぎついけど、温かく魅力的な表情だ。

「準備できたよ」ステフは重たそうな黒のバッグをベッドから取りあげた。わたしは、壁に寄りかかっている背の高い男子に目をやった。大きく波打つふさふさの茶髪をおでこからすっきり上げ、眉と唇にピアスをしている。黒いTシャツから出ている両腕に視線を移すと、やはり、タトゥーに覆われていた。

ステフやネイトとは違い、白と黒、グレーだけで色はない。背が高く、体には無駄な肉もついていない。すごく無礼な態度だと自分でもわかっていたけど、わたしは彼から目をそらすことができなかった。

ネイトと同じように自己紹介するだろうと待っていたのに、彼は不愉快そうに顔をそむけ、細身の黒ジーンズのポケットからスマホを取り出した。

ステフやネイトみたいな愛想のかけらもないが、彼のほうが魅力的だ。どこか引きつけられるものがあり、いつまでも見つめていたくなる。しかし、ノアがあきれているのを感じて、わたしはようやく目をそらし、ショックで呆然としていたふりをした。

 

信じられないルームメイトとその男友達の登場に、驚きを隠せないテッサたち。次回、真面目な文学少女のテッサに、男女共用シャワールームの洗礼が……!?

 

【参考】

※ アナ・トッド(2015)『AFTER 1』(小学館文庫)

 

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