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不倫慰謝料「婚姻期間が長いor短い」どっちが高い?弁護士に聞いた

相川葵

相川葵A.Aikawa

あまり考えたいことではありませんが……もしもあなたのパートナーが不倫をしたとしたら、一体どれくらいの慰謝料を受け取れるものなんでしょうか?

今回は、恋愛心理カウンセラーの筆者が、弁護士の星野宏明さんに、不倫の慰謝料についてお伺いしてまいりました。

 

目次

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■不倫の慰謝料って、どれくらい取れるんですか?

いきなりストレートにお伺いしちゃいます。先生、不倫の慰謝料って、実際どれくらいなんですか?

「大体、150~300万円くらいです」

ひえっ。ひと財産……。皆さん、「高い!」と思いましたでしょうか。それとも、「思ったより安いじゃん……」という印象だったでしょうか。

 

■婚姻期間は長いor短い、どちらが慰謝料が高額になるの?

「新婚なのに不倫された!」……これはかなり精神的ダメージが強いですよね。

しかし、「長くともに結婚生活を送っていて、信頼していたのに裏切られた!」……これもキッツイ話。

一体、不倫の慰謝料としては、どちらが高額になるのでしょうか?

先生おしえてください!

「どちらが高額かということについては、婚姻期間が長いほうが、慰謝料は高額になる傾向です」

なるほど、どちらかといえば、長く築かれてきた信頼関係を崩してしまったほうが、罪は重い(?)という考え方が一般的のようです。

新婚なら、ショックはショックですが、彼とやり直すだけではなく、違う男とやり直すなどなど、選択肢も豊富だからかもしれませんね。

「このほかに、不貞期間が長いか短いかによっても、慰謝料の金額は変わってきます。当然、不貞の期間が長いほど、慰謝料は高額になりますよ」

うんうん。そりゃ、そうですよね!

 

■子どもの有無、家庭崩壊するorしないも関係している!

「他にも、慰謝料の多い少ないに関連する条件はありますよ」

と先生。えっ、そうなの? どういうことが関係してくるんですか?

「まず二人のあいだに子どもがいるかどうかということですね」

確かに、子どもがいないで不倫するのに比べて、子どもがいると、子どもへの心理的な影響や、責任という部分でも考えなくてはいけませんね。

「さらに、不貞行為によって、家庭が崩壊したかどうか、離婚をするのかどうかも、大きなポイントです。家庭が崩壊して、離婚することになれば、当然慰謝料も高くなります。

特に、長年平和だった家庭を、不貞行為によって壊し、離婚するようなことになると……」

うわあ、これはかなり請求されてしまいそうです!

心理的にも、長いあいだ平穏だったものが急に乱れるとか、長期間心から信頼していたはずの相手が実は裏切っていた……と知ることは、非常に大きなストレスとなります。

子どもの心に悲しみを与えてしまった、ということも、誠実な母親にとっては、自分が不倫したのではなくても、とても申し訳ない気持ちになりますよね……。

 

■浮気相手と不倫旦那は共犯関係!

「例えば、旦那さんが浮気して300万円の慰謝料を取れるとしても、浮気相手が300万円を払ってくれるということではありません」

と先生はおっしゃいます。あれれ、そうなの?

「300万の慰謝料の場合は、浮気相手が150万円、旦那が150万円。半々にして支払うのが常識です。旦那さんだって、悪いコトをしているわけで、共犯関係なんですからね」

そうかー、そうですよね。

浮気相手だけが慰謝料をこちらの家庭に支払う形では、旦那としては悪いことをしているのに、お金をもらうという形になってしまいます。

そうではなく、浮気相手と旦那の両方から、奥様個人に対して、半々で慰謝料をお支払いいただく。

これが法律的にも、不貞の代償としての、正当な形……ということになるようです!

 

■立場が反対ならあなたが請求されちゃいますよ!

慰謝料を請求することができたり、もらえたりするのは、もちろん、あなた自身が“不倫された妻”の立場である場合!

つまり、あなたが既婚男性と不倫をした場合や、既婚のあなたが夫以外の男性と不倫した場合には、“相手の妻”や“自分自身の夫”から、同様の請求をされる可能性もある、ということなんです。

いくら、楽しんで不倫をしていたとしても、ある日とつぜん証拠を突きつけられて、150万円の請求……。

これは気持ち的にも、お財布的にも、絶対に痛い!と思いませんか?

 

恋愛カウンセリングや、占い師をしている筆者にとっては、不倫はとても身近な、よくある話題のひとつです。

それぞれが、浮気相手に対する想いや愛しさを感じて、あるいは自分の性欲の満足のためにしている、不倫。

時には、なかなか“卒論”を書いてくれない男性にふがいなさを感じ、相手の奥さんに連絡を取りたいと考える女性も少なくありませんが、このように高額の慰謝料を請求される可能性を考えると……。

あなたも、万一の不倫の際には、こんな結末が待っているかもしれない……ということを頭の隅に置きながら、不倫に対するご自身のスタンスを考えてみてくださいね。

 

 

【取材協力】

※ 星野宏明・・・弁護士。北京大学、早稲田大学法学部に所属後、慶應義塾大学大学院法務研究科を修了。実務を経て、西新橋に『星野法律事務所』を設立。家庭問題、消費者問題、介護問題その他、もろもろの生活トラブルの強い味方として活躍中。専門分野は外国人事件、離婚・不貞による慰謝料問題等。