愛ってなんなの…?オトコとオンナで違う「愛の意味」が研究で解明

だれだって、ひとを好きになったことは一度はあるでしょう。ですが、“好き”とか“愛”ってなにかと聞かれると、ちょっと困りますよね。古今東西、昔から哲学や文学などで「愛とはなにか」が問われてきました。そして近年、脳科学の研究で男性と女性が理解する“愛”の意味が違うということがわかったんです。今回は、大学で恋愛心理学を担当している筆者が解説します。
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心理学における“愛”の感情とは

なぜ、ひとは誰かのことを愛するのでしょうか? 心理学には、「繁殖の目的を達成するため」という考え方があります。

ひとも動物である以上、繁殖をしないと絶滅をしてしまいます。ですが、繁殖をして出産をしただけでは、子どもは育ちません。繁殖して、「産んだ子どもを大事に育てたい」という気持ちがないと、子育てをしませんよね。

つまり、繁殖した後に「好きなひとの子どもが欲しい」「好きなひとの子どもだから育てたい」という気持ちが愛であり、ひとの進化の過程のなかで、その気持ちが生まれたというのです。

もちろんこれは、心理学のなかでも一つの説。愛についての考え方は、いろいろあります。

【参考】

「若い子じゃないと恋愛対象外」…そこに隠された男性心理とは

 

脳科学であきらかになった男女の“愛”の違い

さて、ロンドン大学のAndreas Bartels氏らが脳科学の観点から、愛について研究をしています。その結果わかったのは、女性にとって恋愛における愛は、子育てにおける愛と同じだということなんです。

どういうことかといえば、女性の場合、恋愛中の脳と子育てをしているときの脳は、同じ活動を示したんです。つまり、女性にとって“恋人を愛すること”と“子どもを愛すること”は、脳の働きでは同じということ。

つまり、研究によれば、女性が恋人を愛するのは本能的なことだといえそうです。

ですが、男性の場合は違います。男性の場合、恋愛中の脳は女性のように子育てと同じ働きは示さなかったそうです。

【参考】

ついに脳科学で「なぜ男は女を愛せないのか」が解明される

 

男性の愛は乳幼児期まで遡る

別の研究によれば、男性の愛は記憶だとされています。簡単にいえば、乳幼児の頃に周囲の大人から愛された経験が記憶として残り、“愛する”という行動ができるようになるのだとか。

つまり、女性の場合は本能的にひと愛することができますが、男性の場合は後天的に愛するとはどういうことかを学習して、ひと愛するようにできるというんです。

この研究に基づけば、乳幼児の頃に愛された経験が少ない男性は、ひとを愛するのが苦手ということに。反対に、十分に愛された経験のある男性は、大人になってからひとを愛するのが上手になるということになりますね。

 

いかがですか? もちろんこれ以外にも、「愛とはなにか?」という研究や考え方はたくさんあります。

ですが、「ひとを愛すること」は無条件に誰でもができることではない可能性がある、ということを知っておいてください。

そうすれば、愛することが苦手な男性をカレにもったときに、「私のこと、愛してないのかな?」なんて不必要に悩むことがなくなりますから。

 

 

【参考】

水谷仁 編(2008)『最新の脳科学 脳の仕組み』 ニュートンプレス

Andreas Bartels and Semir Zeki(2004)『The neural correlates of maternal and romantic love』 Neuroimage