有名大学卒・商社を辞めてホストになった理由 浚(しゅん)28歳

ホストというとどんなイメージを持ちますか。高いお酒、若くて少しちゃらくて髪を盛った男性がわいわい盛り上げる。もちろんそんな世界も実在します。しかし、今回取材した彼は、そんなイメージと少しかけ離れていました。
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商社に入るまで勉強一筋。女性と話したこともあまりなかった

今回紹介するのは、歌舞伎町のホストクラブ『クランシックス』で働く、晴ノ後 浚(はれのち しゅん)支配人。

ホストを始めて約7年。毎月の売り上げもよく、指名本数も多い。ナンバー1になった回数は数知れず、月に1,000万を超える売り上げをたたき出したこともある人物だ。

この世界に入るまで、女性と話すことが苦手だったという彼は、どうしてここまでの人気ホストになることができたのだろうか。

まず彼の生い立ちについて伺うと、「ひとりっこで家庭環境はいいし、今でも家族とは仲がいい。愛情をたくさんもらって育った(笑)」と自身で語る。

彼の今の一番の楽しみは家族とご飯を食べること。家族はホストをやっていることも知っているそうだ。

商社で一生稼ぐより短い間でお金を稼ぎたい

彼は大学時代に先輩に誘われて、少しだけホストクラブでアルバイトをしたことがあるという。そこで彼の才能が目覚めてしまった。どんな痛客(スタッフに迷惑をかけたり、度を超えるわがままを言うお客様)にも対応ができて、瞬く間に人気になってしまったのだ。

だが、彼はある程度名の通る大学に通っている。周りは一流企業に入るための就活に悪戦苦闘していた。

去年の浚支配人のバースデーイベント。シャンパンタワーがそびえたつ。

彼も当時は夜の世界に身を置くことを考えていなかったらしく、就活に精をだすことになる。SPIもやり、エントリーシートも何枚も書き、50社程度は入社試験を受けたという。何社か内定をもらったが、その中でも彼が選んだのは、人気の商社。

しかし、数ヶ月ですぐに辞めてしまう。「環境があわなかったせいではない」と彼は語った。

それまで女性と話すことが苦手だったと思っていたが、アルバイトを通じて、自分が人と話すことが好き、そして人を楽しませることが好き、ということに気がついたという。

そして、最大の理由は「いち早くお金を貯めたい」と思ったからだそうだ。

商社も決して給与水準が低いわけではない。それでも”早く”お金を貯めて独立をしたいと彼は語った。

彼の実家は個人経営で、彼は今でも家族に援助をしている。ホストで桁違いに稼ぐことができれば、家族にも楽をさせてあげることができるだろう。

 

経営者とプレイヤー。彼の今後は。

”早く”といっても、この世界は売り上げがなければ当然稼ぐことはできない。彼はどうやって売り上げを上げ続けているのだろうか。

確かに、筆者が何度か話をしてみても、彼のトークはオールマイティに面白い。よく話し、相手が何を求めているのか、すぐに察知できるタイプであると感じる。会話をしながらも周りの状況を把握している。地頭の良さはここでも発揮されているようだ。

そして彼の特徴は指名本数が多い点にもあるだろう。いわゆる太客だけでなく、安く楽しく飲みたいお客様にもマメな連絡をする。

ホストになったことを誇りに思う

ホストをやっていてつらいことは何か、と聞くと「昔はいろいろあったけど、今はそんなにないですね。裏切られるとか、そんなのこの世界ではしょっちゅうあることだけど、それも自分のテクニック次第。自分に暗示をかけてます(笑)精神論ですね。」と語った。

今後、彼は自分の店を持つことが夢。果たして、プレイヤーと経営者、ここに彼の誤算はないのか。とはいえ、まだまだプレイヤーとしても人気の彼。今月は自身のバースデーイベントがあり、プレッシャーに押しつぶされそうになっているかと思いきや、比較的余裕を見せていた。

そして「ホストになったことを誇りに思う」と言っていたことが印象的であった。

昼社会への復帰願望もないわけではない。単純に駆け引きだけで売っているわけではない彼は、頭脳プレーも多い。ただ、昼社会との接点がない。こういう人材が昼社会での活躍できる道を開く事で、経済の進展につながることもあるのではないかと筆者は個人的に考える。

とはいえまだ彼はこの歌舞伎町で毎晩人間観察を行っている。今月は彼のバースデーイベントが控えている。去年の盛り上がりを超えることができるのか。今後彼が歌舞伎町をどう歩いていくのか、引き続き見守ってみたいものである。

【取材協力】
クランシックス晴ノ後 浚