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沖縄男子は怒ってるッ!? イメージ先行「沖縄決めつけNG発言」4つ

中田綾美

中田綾美A.Nakata

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NGその1:「毛深いよね」「顔、濃いね~」

――たしかに、冒頭であげた小島よしおさんとか、ガレッジセールのゴリさんとか、沖縄出身の男性は“濃い”イメージがありますが……。

「沖縄にいる間は普通だと思っていたのに、県外に出たとたん、見た目に関していろいろ言われるようになり、それがストレスになる人も多いようです。

もちろん、それを自分のキャラクターとして前向きに受け止めたり笑いにかえられたりする人もいますが、毛深さを気にして、腕や足首まわりをバリカンでケアする沖縄男子も存在します」

――外見のことを軽々しく指摘するのはそりゃ失礼ですよね。

「もちろん、話題にするほうも悪気はなく、沖縄男子の“濃さ”に驚いて、思わず言ってしまったということだと思うのですが……。

私の友人男性にも、あまりに毛深くて湿布薬が効かず、浸透しやすい塗り薬にかえてもらったというエピソードをもつ人もいますから。

ただ、悪気はなくても、やはり外見についての指摘は失礼になることが多いので、控えた方が良いですね。ちなみに、無言でじーっと見つめるのもNGです」

見た目のNG発言はこうフォローしよう

「見た目に関する発言をするなら、ほめていることがわかりやすく伝わる表現を選びましょう。

たとえば、“彫りが深くて、かっこいいね~”、“顔立ちがきれいでうらやましい! 沖縄って、俳優さんとかモデルさんとか美男美女が多いイメージがあるなぁ”といった言葉なら、沖縄男子も嬉しいと思います」

――なるほど、“男らしくてかっこいい”というニュアンスならOKというわけですね! 

NGその2:「沖縄って○○なんでしょ」

「沖縄県民が良く言われる、“1年中泳げる”、“時間を守らない”、“酒豪”など、イメージだけで一方的に決めつけるような言い方は、あまり嬉しくないと思います。

沖縄男子に聞いたところ、初対面で、“お酒を飲んだらすぐに踊るんでしょ”や“夜遅くまで遊んでチャラい感じがする”と言われて傷ついたという意見もありました。

実際は、沖縄でも1年中泳ぐわけではありませんし、時間に正確な人も、お酒がまったく飲めない人もいます。ネガティブなイメージで断定されると、自分の大切な故郷をバカにされたような感じがすることもあるでしょう」

――沖縄は観光地として有名ですし、フィクションの舞台にもよくなるので、“沖縄といえば○○”と何らかのイメージをもっている人が多そうですね。

「どの都道府県にも、いわゆるイメージや特徴がありますが、沖縄は、良くも悪くも印象が強いというか、他県の人から気軽に“沖縄って、〇〇でしょ”と断定されることが多いと感じます。

それが明らかな誤解だったとしても、まじめに訂正すると場の空気が悪くなったり相手の気分を害したりしてしまうことがあるので、どう対応したら良いか困る男子もいるようです」

沖縄の話題はこのように振ろう

「とはいえ、沖縄に関心をもって話しかけてもらえるのはとてもありがたいこと。同じ話題でも、“○○なんでしょ”と決めつけずに、自然な形で質問してみてはいかがでしょうか。

たとえば、“1年中泳げるんでしょ”ではなく、“私、海が大好きなんです。沖縄って、海開きが早いですよねー。泳げる期間も長いんですか?”のような言い方であれば、自然ですし、会話も続きやすくなると思います」

――初対面では“出身地の話題”が鉄板ネタともいわれますが、沖縄男子に対しては、むやみにイメージだけで話題を振るのではなく、自分が関心のあることを尋ねてみるのがよさそうですね。

 

NGその3:「なんか方言しゃべってみてよ」

「“めんそーれ”、“ハイサイ”、“なんくるないさー”など、一般的によく知られている方言は、日常的には使いません。

普段使っている方言は、県外の人にとってはマイナーすぎてわからなかったり、単語のアクセントだったりして、しゃべっても盛り上がりに欠けるので、どう対応したらいいのか困惑する沖縄男子も多いようです。

方言のほかにも、“指笛やってみて”とか“三線弾けるんでしょ?”など、軽々しく何かをリクエストするのは考えものです」

――さきほどの“沖縄といえば○○”という決めつけとも関係していますね。

「そうですね。カラオケに行って“『島唄』歌ってよ”と言われる、などもそれに当てはまるかもしれません。

私自身、会社員をしていた頃、上司から“沖縄出身なら安室ちゃんだろ!”と謎の“沖縄しばり”を受けて苦労したことがあります。

沖縄以外だと、同じ出身県のアーティストの曲を歌って!と言われるなんてことあまりないと思うのですが……」

――おそらくリクエストしている側は軽いノリだと思いますが、される側としては理不尽きわまりないですよね。 

NGその4:「沖縄でおいしいお店教えてよ」

「この質問自体は悪くないと思うのですが、沖縄男子が困るのは、“沖縄は観光地だし、とりあえず、聞いておくか”くらいの感覚で、雑談感覚で質問されるケースです。

聞かれたからには、できるだけ役に立つ答えをしたいと思いつつ、質問が漠然としていて答えにくい……と悩むことになるからです。郷土愛の強い沖縄男子なら、余計に気合が入って疲れてしまうかもしれません」

――質問者と回答者の間に微妙な温度差が……。

「そうなんです。男子は、女子よりお店を知らないことも多いので、苦労も多そうです。

一生懸命考えて答えたのに、“ふーん”というリアクションだったり、サッと切り上げられて次の話題にうつったりすると、ちょっと寂しいという意見もありました」

――安易に質問しては、なんだかお互いにとって不幸というか、実りのないやりとりになっちゃいそうですよね。

質問するなら具体的に!

「もちろん、質問すること自体がダメというわけではないんです。興味を持って具体的に聞いてもらえれば、沖縄男子も張り切って教えてくれるでしょう。

たとえば、“来週、沖縄出張なんです。宿泊は那覇で、ランチにステーキを食べに行きたいんですが、地元の人がよく行く人気のお店とかありますか?”といった具体的な質問であれば、いいと思いますよ」

――たしかに、“沖縄”と一口に言っても、沖縄本島のほか石垣島などの離島もあり、「沖縄でおいしい店」とか言われても範囲が広すぎますよね。せめて地域やジャンルくらいは絞って質問するといいかもしれません。 

以上いかがでしたか? いずれも興味本位でつい言ってしまいそうなフレーズばかりで、吉戸さんからお話をうかがいながら筆者自身も自重しなければ……と思ったものでした。

みなさんもぜひこれらのNGフレーズを心にとどめて、沖縄男子といい関係を築いていってくださいね!

  

【取材協力】

吉戸三貴・・・沖縄県那覇市生まれ。コミュニケーションスタイリスト、株式会社スティル代表取締役。東京と沖縄を拠点に、企業や個人のコミュニケーション課題を解決する専門家として活動している。近著『内地の歩き方』では、進学や就職のために、沖縄から県外へ旅立つ人たちに向けて、内地(沖縄県外)で暮らすまえに覚えておくと便利なことをガイドブック形式で紹介している。

 

【参考】

吉戸三貴(2017)『内地の歩き方ー沖縄から県外に行くあなたが 知っておきたい23のオキテ』(ボーダーインク)