「父親が嫌いだった女性」の心理と恋愛へ与える影響は?心理カウンセラーに聞く

あなたはお父さんのことが好きですか? 父親とどのような関係を築いてきたのかは、女性の恋愛に少なからず影響を及ぼすようです。今、あなたがもし恋愛の悩みを抱えているのなら、その背景には父親との関係があるかもしれません。今回は、“父親嫌い”の女性心理と、恋愛への影響について解説していきます。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Evernoteに保存

1:父親が嫌いだった女性3人の告白

まずは、父親が嫌いで恋愛がうまくいっていない3人の女性の告白を見ていきましょう。

(1)マナミ(28歳、金融機関勤務)

「父は商社マンのいわゆる“転勤族”で、私が小さいころから単身赴任していることが多かったですね。

一緒に暮らしているときでも、超ハードワーカーで、帰宅は毎日深夜。休日も仕事に出かけるか家でずっと寝ているかという感じで、父に遊んでもらった記憶がほとんどありません。

印象に残っているのは小学校4年生の運動会。いつもは母しか来ないのに、その年は父も来られることになったんです。私は父にいいところを見せたくて、リレーの代表にも選ばれてすごく張り切っていました。

でも、直前になって急に出張の予定が入って計画はおじゃんに。

運動会当日、父親参加競技で汗を流している他のお父さんたちを見ていて、ひたすら悲しかったですね。“なんでうちだけいつもお父さん来てくれないんだろう”って。

以後、父に反発するようになって、学校行事などの都合がつきそうなときでも“お父さんは来ないで!”と拒否していましたね。

仕事一筋の父が嫌いだったから、理想の男性は“私のことを最優先してくれる人”です。なのに、なぜか私、既婚者ばかり好きになってしまうんです。独身の男性とはどうも波長が合わないというか、うまくいきません。こんな私、変なのでしょうか?」

(2)ユカ(24歳、看護師)

「今、お付き合いしている男性は、バンドマンです。あっ……でも、そっち方面の収入はほとんどないみたいで、コンビニで深夜バイトしています。

お金がないから、デートはいつも彼のおうち。まあデートといっても、彼がゴロゴロしていて、私が部屋の掃除をしたり、ごはんを作ってあげたり……みたいな感じなんですけどね。

彼は来年もう30歳になるし、バイトじゃなくて定職について欲しいな、って気持ちはあります。ときどき無性に不安になるんですよ。けど、彼の夢を応援したい気もするし……。うーん、彼のことは好きなのに複雑ですね。

……私の父親がどんな男性か、ですか? 酒癖は悪いわ、仕事を転々とするわ、いつも母に苦労ばかりかけているダメ男! えっ、今の彼に似ていないかって? そうかなー。彼はお酒飲まないし、あんなひどい父親とは似てないと思いますけど……」

(3)ミナコ(30歳、地方公務員)

「私の父親はすごく厳格で亭主関白な男です。母に対しても“女は黙って男の言うことを聞け”というような接し方で、私への態度も厳しかったです。

高校時代には、門限が19時。お泊まりなんてもってのほかでした。

それから、化粧もダメ。服装にもいちいちケチをつけてくる……。ありえないですよね。

あまりに理不尽だから抗議したこともあるのですが、“うるさい、子供のくせに生意気な口をきくな!”と一喝されるだけで、おしまい……。

そんな頑固親父ぶりにはもううんざりなんで、私がお付き合いしてきた男性は、父とは正反対の優しい男性ばかりですよ。今の彼もそう。私の言うことを何でも聞いてくれる……。

でも実は、その彼にプロポーズされて、正直迷っているんです。本当に彼と結婚していいのかな……って。もちろん、彼に不満なんてひとつもないんですよ! それなのになんでだろう……」

 

2:父親が嫌いな子どもの心理とは?嫌いになる理由7個

「大きくなったらパパのお嫁さんになるんだ!」

幼いころ、多くの女性がそんな感情を抱いたことがあるはず。それほど大好きだった父親を、娘はなぜ嫌いになってしまうのでしょうか?

心理カウンセラーの服部希美氏から、7つの理由を教えていただきました。

(1)愛して欲しいのに愛してくれなかった

「“仕事一筋の父が嫌いだった”というマナミさん同様、“私はこんなにお父さんのことが大好きなのに、お父さんは私のこと、それほど好きじゃないのかもしれない”と感じる出来事に遭遇したとき、子供はとても悲しみを感じてしまいます。

その悲しみの感情があまりに辛いと、“私だって、お父さんのこと大嫌いだもんっ!”という怒りの感情を使って抑圧してしまうんです。結果、父親を嫌いだと感じるというケースはよくあります。

もちろん、お父さんにも事情があったり、家族のために仕事を頑張るという愛情表現はしていたのだと思いますが、子供はそれを上手に受け取れないんですね。

また、子供のころの私たちは未成熟なので、“私のことを本当に愛してくれているんだったら、このぐらいのことしてくれて当然でしょ?”、“私が欲しい形で、愛して欲しい!”という期待も強く、それが叶えられない場合も、父親のことを嫌いになってしまうことも多いです」

(2)父親が娘との関わり方がわからなかった

「仕事が忙しいなど時間的制約がなくても、父親が娘との関わり方がわからなくて、娘との接触を避けてしまうことがあります。

当然、お父さんのほうは悪気があるわけではなく、ただ娘にどう接すればいいのかわからないだけ……。でも、娘の側からすれば、お父さんにかまって欲しいのにかまってもらえないという寂しさがあるわけです。

お父さん大好きっ子ほど、かまってもらえなかった寂しさの感情を抱きやすいため、父親に対する好意を消していき、父親を嫌いになりやすくなります」。

(3)父親が母親をいつも困らせていた

「これは、バンドマンとお付き合いしているユカさんのケースですね。

父親が職を転々としていて経済的に不安定だったり、酒癖が悪かったり、あるいは浮気癖があったりなど、いわゆるダメ男で母親をいつも困らせていたように娘が感じていた場合、“お母さんを助けなきゃ”という心理から、父親のことを嫌いになることがあります」。

(4)父親が頼りなかった

「経済的に不安定とか、酒癖・女癖が悪いとかいうのは、父親の欠点がわかりやすいケースですが、もう少しわかりにくいケースとして、“父親が頼りない”ということがあります。

たとえば、母親が姑との関係に悩んでいるのに、夫である父親が傍観していたり、楽観的に見守るような立場にいたりすると、娘の目には“あんなにお母さんが苦しんでいるのに、何もしないお父さんはひどい”と感じてしまい、父親のことが嫌いになってしまうケースがあります」。

(5)母親が父親の悪口を言っていた

「上記(3)(4)とも関連することですが、娘が母親の“グチ聞き係”を引き受けていた場合も、父親のことが嫌いになってしまうことが多いです。

夫婦間の問題は、夫か妻かどちから一方だけが悪いということはありません。たとえば、浮気はもちろん“する側”が悪いのですが、それでも夫だけが悪者というわけではなく、夫婦の関係性によって生じた問題なのだと考えられます。また、子供には分からない、夫婦間の事情もあります。

しかし、母親が一方的に父親の悪口を話していると、共感性の強い娘は“お母さんかわいそう”と全面的に母親の味方になろうとします。そして、“お母さんがお父さんを嫌いなら、私もお父さんが嫌い”と母親の価値観を共有してしまうのです」。

(6)父親が厳しすぎた

「お父さんが厳しすぎて嫌いになるというのは、さきほどの3つ目のエピソードのミナコさんのケースですね。

ミナコさんは、お父さんとは正反対の男性を選ぼうとするなど“父親への嫌悪感情”は一見すると強いように見えますが、実は、その根底にも“お父さん大好きっ子”の心理が隠されています」

(7)思春期に父親が娘とうまく接することができなかった

「思春期は、娘が大人の女性へと大きく変化していくデリケートな時期。そこを父親がきちんと理解しないまま、これまで通り一緒にお風呂に入ろうとしたり、急に部屋に入ろうとしたりすると、娘が“お父さんなんか嫌い!”と強烈に反発するおそれがあります」

 

3:父親嫌いは女性の恋愛にどんな影響を与えるのか?

はじめに登場した3人の“父親嫌い”の女性は、それぞれ恋愛の悩みを抱えています。

父親同様、自分を最優先してくれない既婚男性ばかり好きになってしまう、父親に似たダメ男を好きになってしまう、父親と正反対の理想的な男性を選んだはずなのに結婚にふみきれない……。

こうした恋愛の悩みには、“父親嫌い”がどのように影響しているのか、引き続き服部氏から解説していただきました。

(1)なぜ「嫌いなはずの父親」と似たような男性に惹かれるのか?

「“父親嫌い”の女性は、深層心理では“お父さんが大好き”なことが多いです。

お父さんが大好きだったからこそ“いっぱい愛されたかったのに、充分に愛してもらえなかった”、“私は大好きなお父さんに愛されるだけの価値がないのかも”という悲しみや、寂しさを痛烈に感じ、“お父さん大嫌い!”になって距離を取ってしまう。

そして父との関係で満たされなかった要素を無意識にパートナーに求めてしまうため、父親と似たタイプを好きになってしまったり、そのような男性から好意をもたれたくなったりするんです」

(2)父親とは正反対の男性とうまくいかない理由は?

「父親と正反対の男性を選んだはずなのになぜかうまくいかない……というのも、父親を中心にパートナー選びをしているという点で、父親に強く依存しているといえます。

たとえば、厳しい父親が嫌いだったというミナコさんの場合、“父親には本当はこうして欲しかった”という理想の父親像をパートナーに求めてしまっています。

それはそれで満たされるのですが、父親とパートナーは、役割が違いますよね。

本来、恋愛対象であるパートナーにはトキメキなどを感じるはずなのに、ミナコさんはパートナーに父親を重ねてみているため、“いい人なんだけど……”と相手に恋愛感情を抱けない。

それが、“このまま彼と結婚してもいいのか?”という不安につながっていると考えられます」

(3)“父親嫌い”では恋愛がうまくいかない?

「カウンセリングでの恋愛相談では、悩みの背景に父親との関係があることがとても多いです。

本当は父親からもらいたかったものを、異性のパートナーにいくら求めても、さきほどお伝えしたように、父親とパートナーでは役割が異なるのですから、心はいつまでも満たされません。

また、パートナーの側が、自分が父親代わりにされている、異性として求められていないのでは?と気付いてしまうことも。

パートナーが父親役を担うというのは、自然な男女関係とはいえません。そのことに、パートナーが寂しさを募らせて、浮気に走ってしまうようなこともあります」

 

いつもあなたの恋愛がうまくいかないのは、もしかすると父親との関係が影響しているのかもしれません。あなたは父親のことが好きですか? 嫌いですか?

服部氏によれば、「お父さんなんか嫌い!」の根底には「お父さんが大好きだからこそ、お父さんにいっぱい愛されたかった。私を見て欲しかった」という寂しさや悲しみや、満たされない思いが眠っているといいます。

それが現在の恋愛に影響を及ぼしているのでは?……と、まず自分で気付くことが、父親嫌いによる恋愛の悩みを克服する第一歩とのこと。

「私って男運がない」などと悩むよりも、まずは自分と父親との関係を振り返り、自分の本当の気持ちを見つめてみてはいかがでしょうか?

 

【取材協力】

服部希美・・・ カウンセリングサービス所属カウンセラー。「30代からの恋愛(うまくいかない恋愛、失恋、婚活など)」「対人関係の改善」「自分が本当に望んでいる人生へのシフトチェンジ」のカウンセリングが好評。とくに、【さみしさを、笑顔に変えるカウンセリング】をテーマに掲げた、30代女性の恋愛・婚活サポートを、精力的に行う。「初回無料電話カウンセリング」も実施中。