モラハラ妻の特徴は?弁護士に聞いた「これはモラハラな妻」7つのセリフ

殴る蹴るといった肉体的な暴力によるのではなく、言葉や態度などでパートナーを精神的に追い詰めるモラハラは、女性が加害者になることも少なくありません。最近急増しているという“モラハラ妻”の実態について、レンジャー五領田法律事務所代表の五領田有信先生にお話をうかがいました。
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1:モラハラ妻になっていませんか?

(1)モラハラ妻が大量発生中……

――“モラハラ離婚”といえば、三船美佳さん・高橋ジョージさんのニュースあたりから、世間で騒がれるようになった実感です。女性からだけでなく、男性のほうが被害を訴えるケースも増えているのでしょうか?

五領田「モラハラの問題自体は昔からあったものと思われます。しかし、メディアで“モラハラ”という言葉や事象が紹介されるようになってから、男性からも相談件数は急増しています。

30代~40代の男性からの離婚相談といえば、かつては“妻のほかに新しい女性ができたので、人生の再スタートを切りたい”という類のものが多かったのです。しかし、今はモラハラのご相談も毎日のように寄せられています。

とにかくモンスター妻から一刻も早く解放されたい。その一心で、メンタルクリニックの帰りに当事務所を訪れる男性もおられます」

(2)知らずにモラハラしていることも?

――かなり精神的に追い詰められた状態になって、やっと相談に訪れるのでしょうか?

五領田「モラハラは家庭内、密室で進行します。閉ざされた空間では、どんなに深刻な状況になっても、“自分たち夫婦はこれが当たり前”という感覚になりやすく、加害者も被害者もモラハラの自覚がないことがほとんどです。

被害者がテレビなどでモラハラの情報をたまたま目にして、“まさしく自分と同じだ”とようやく気付くケースが多いといえます」

 

2:「モラハラ妻」は離婚理由になる?

(1)“日本の離婚”の基礎知識

“モラハラ妻”が離婚理由として認められるかについて解説する前に、まずは離婚の基本知識を。

日本では離婚の種類は、大きく分けると3つあります。

(a)協議離婚・・・夫婦間の話し合いによる離婚。日本の離婚件数全体の88%程度を占めるほどだといいます。

(b)調停離婚・・・夫婦の話し合いがつかない場合に、家庭裁判所で調停によって離婚する方法です。

(c)裁判離婚・・・調停でもまとまらない場合、裁判を起こして、離婚する方法です。

また、民法770条1項では、離婚事由として以下の5つが定められています。

(a)配偶者に不貞な行為があったとき

(b)配偶者から悪意で遺棄されたとき

(c)配偶者の生死が3年以上明らかでないとき

(d)配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき

(e)その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

モラハラが上記の(a)~(d)に当たらないのは明らかなので、問題は“その他婚姻を継続し難い重大な事由”に当たるかどうかです。

(2)モラハラは離婚理由になるのか?

――夫婦間の話し合いで円満に解決できればいいのですが、モラハラ離婚の場合、なかなかそうはいきませんよね。もし、調停や裁判になった場合、「妻からモラハラを受けている」と主張すれば、夫は妻と離婚することができるのでしょうか?

五領田「モラハラは、DVや浮気などと違ってはっきりとした証拠がありません。このため、調停でも裁判でも、モラハラについての判断には消極的な傾向があります。被害者が“モラハラでこんなひどい目にあっている”といくら主張しても、その声が届きにくいのが現状です。

モラハラだけでなく、別居期間が長いなどの事情があれば、離婚が認められる可能性はありますが、現時点ではモラハラだけで調停や裁判での離婚が成立するのは難しいといえるでしょう」

(3)モラハラの証拠はどんなものが必要?

――さきほど、“モラハラにははっきりとした証拠がない”というお話がありましたが、モラハラ被害者が離婚について弁護士などに相談したい場合に、何か準備しておくことはありますか?

五領田「言葉による暴力がモラハラの一種ですから、よくその状況を録音しようとする方もいます。しかし、あまりオススメできません。証拠を集めようとすることで、かえって精神的にまいってしまうおそれがあるからです」

――被害の状況について、きちんと話せるようにメモなどに残しておくのはいかがでしょうか?

五領田「その方法も、被害を思い起こす必要がありますから、やはり酷だと思います。もう離婚したいというほど追い詰められている被害者は、精神的にボロボロの状態です。

ですから、無理に自分で証拠集めをするよりも、まずは離婚問題に強い弁護士にしっかり話を聞いてもらうのが最善だと思われます」

(4)モラハラ妻は離婚後、子供はどうなる?親権は?

――離婚したら子どもの親権は妻がもつことが多いと聞いたことがあります。もし、妻が夫にモラハラをした場合、悪いのは妻ですが、それでも妻が親権をもつことになるのでしょうか?

五領田「従来は、母親が親権をもつことが多かったのですが、その傾向は変わりつつあります。ですから、夫も決して諦めることはありません。いろいろな事情がありますから専門家に相談するのがもっとも望ましいといえるでしょう。

なお、モラハラ妻が親権をもった場合、離婚後に夫はさらに辛い目に遭わされることもあります。妻が子どもを夫に会わせようとしないのです。

モラハラ加害を行った妻が“夫からDVを受けた”などとでっちあげて、夫が子どもに近づこうとすると警察を呼ぶようなケースもあります。愛するわが子に会えない……。これほど男性にとって辛い仕打ちはありません。

ただ、このように母親の一存で子どもと父親を引き離すような行為は、児童虐待当たる可能性があります」

 

3:モラハラ妻の特徴は?「あなたのモラハラ妻度」チェック

(1)モラハラ妻の典型的な口癖パターンとは?

レンジャー五領田法律事務所が作成した『男の離婚』というサイトでは、“モラハラ妻の典型的な口癖パターン”として、以下の7つが挙げられています。

 

「男のくせに情けないと思わないの?」
「私が悪いって言うの?」
「私とあなたは違うの!」
「どうしてこんな簡単なことができないの?ダメな人ね」
「どうして黙っているの?」
「私に口答えしないでよ」
「離婚するわよ?」

 

(2)その他、こんな言動にも要注意!

――上記以外にも、モラハラ妻の典型的な言動としてはどのようなものがありますか?

五領田「とにかく男性のプライドや自信を粉々に打ち砕く発言ですね。たとえば、夜の生活でも突然“私、あなたで気持ちいいと思ったこと1度もない”とか。

それから、夫が家事を手伝っても、少しでもやり残しがあれば“あなたって何にもしてくれないのね”と嫌味を言う。たとえ90%の仕事が完了していても、残りの10%ができていないことについて、ネチネチと責め続けるのです。

あとは、夫の都合など全くおかまいなしに文句を言い続ける。ひどいときには一晩中でも暴言がやみません。それで夫が睡眠不足に陥り、ますます精神的に病んでいくようなこともあります」

 

4:モラハラ妻の原因・対処法は? 解決ケースとしてはどんなものが?

(1)モラハラ妻になってしまう原因

――今の30代、40代といえば、ほとんどの夫婦が恋愛結婚。つまり、好き合って結婚したはずなのに、なぜ夫にそんなひどい仕打ちをするようになってしまうのでしょうか?

五領田「人にはそれぞれ結婚観、人生観があって、どの夫婦でもそれらが完全に一致することはありません。

ズレはあって当然なのですが、夫婦でその調整をしないまま放置することで、やがて話し合いでは解決できないほどにズレがひろがってしまうことが一因だといえます。積もりに積もった不満が爆発してモンスター妻化するのです」

――モラハラ妻になりやすい“性格”のようなものはありますか?

五領田「もともと妻が“伝統的にお母さんが強い家系”に育った場合、結婚後に突然、モンスター化するようなことはあります。

また、考え方の傾向として、とにかく悪いことは何でも他人のせいにしがちという人も危ないといえるでしょう」

(2)自分でできる対処法は?

――五領田先生のお話によれば、夫婦間でのズレが決定的なものになる前に、日ごろから夫婦でコミュニケーションをしっかりとることが必要だといえそうですね。ほかに、モラハラ離婚を防ぐための対処法はありますか?

五領田「夫婦間での問題について、自分の親に相談するかたもいるかと思います。その際、話を聞いてもらうだけならいいのですが、親を交渉の場に出すのは絶対やらないほうがいいですね。

親はやはりわが子の味方をしますので、親を巻き込むと“家vs.家”という争いになって、まとまるものもまとまらなくなります。

夫婦で話し合いをしようにも、コミュニケーションが成立しないほど事態が深刻な場合は、弁護士事務所に相談するのもひとつです。親に相談するくらいなら専門的な第三者を交えるほうが、冷静に話し合いを進めることができるでしょう」

(3)モラハラ問題が円満に解決することってあるの?

――最後にお聞きしたいのですが、モラハラ離婚に相談に訪れたかたで、元のサヤに収まるなど、円満に解決するようなケースもあるのでしょうか?

五領田「たとえば、妻が“産後うつ”で精神的に不安定な状態になり、モラハラのような言動を繰り返すようになったけれど、しばらくすると状態が落ち着いたというようなケースがあります。

それから、元のサヤに収まらず、最終的には離婚には至ったものの、夫が弁護士事務所に相談したのをきっかけとして、妻の側が“自分はなんてひどいことをしていたのだろう”と気付いたという事例も円満解決といえるでしょう」

 

モラハラは加害者、被害者双方ともに自覚に乏しいのが本当に恐ろしいところ。『Menjoy!』読者の女性陣も、当事者にならないようくれぐれもご注意くださいね。

 

【取材協力】

五領田有信・・・埼玉・武蔵浦和にあるレンジャー五領田法律事務所代表。第1師団レンジャー部隊にてレンジャー徽章を獲得するなど異色の経歴を持ち、男性の離婚問題を得意とする。法律問題サイト『男の離婚』、『男の婚前契約』を運営。

 

【参考】

男の離婚 – レンジャー五領田法律事務所