「子なし夫婦の離婚率が高い」は嘘!子なし夫婦へのハラスメントの実態

「結婚したら子供を作る。」それがまるでルールかのように刷り込まれてきた時代は過去のものになりつつあります。結婚したら本当に子供を作らないといけないのか? 作らないことで一体どんな事が夫婦に起こるのか? 出産・子育ては一生のこと。よく考えてから決断しても決して遅くはありません。今回は、「子供を持たない」という選択肢について徹底的に調べてみました。
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1:あなたは「結婚=子ども有り」だと思いますか?

みなさん、“DINKS”という言葉をご存知ですか? ”Double Income No Kids”の略で、子供のいない共働きの夫婦のことを指します。

筆者の親友はまさにDINKSを謳歌して早6年。ふたりとも外資系企業に勤務し、都心の高級マンションに居住。子供がいないので旅行にも行きたい放題です。

貯金も貯まり、将来への不安も少ない。

また、子供をもたない夫婦の妻が専業主婦である場合、妻が手をかけるのは夫だけになります。そもそも愛し合って結婚した相手なわけですから、その夫に集中したいと考える女性がいても不思議ではありません。

必ずしも「結婚=子供有り」ではないですよね。

 

2:子どもなし夫婦の割合とは

みなさんの周囲には、子どもなし夫婦はいますか? 子供のいない夫婦の割合は一体どの位いるのでしょうか?

共働き世帯における、子どもなし夫婦の割合は約31%であることが総務省統計局がまとめた『国勢調査』によりわかっています。(共働き:13,080,450世帯、子供なし:4,139,823世帯)

つまり共働き夫婦の実に3割以上がDINKSであるということ。

独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査結果を見ると、バブル崩壊を境に専業主婦世帯を共働き世帯が上回り、現在は共働き世帯が倍近くになっていることがわかります。

これらの統計を通し、DINKSという家族形態をとっている夫婦が増えていることを知ることができます。

 

3:子どもなし夫婦の離婚率は高いの?低いの?

厚生労働省が10年に1度実施している『離婚に関する統計』を見ると、子供がいる夫婦と子供がいない夫婦の離婚件数は、平成20年度で総数が251,136件。内訳が、子どもありが143,834件、子どもなしが107,302件となっています。

つまり、子供がいる夫婦と子供がいない夫婦の離婚件数は、子供がいる夫婦のほうが若干多いことが分かります。

ただ数に大きな差はなく、月によっては子どもなし夫婦の離婚率のほうが高い場合もあり、子供のあるなしと離婚件数はあまり関係がないと言えそうです。

「子は鎹(かすがい)」という言葉があるように、子供は夫婦の間を繋げてくれる存在と考えられています。そんな子供の助けがなくても一緒にいられる子なし夫婦には、より強い絆を感じますね。

 

4:子どもなし夫婦に聞く「ズバリ円満ですか?」

(1)恋愛と同じふたりだけの時間が続く

友人Kちゃん「円満と言えば円満。そもそも穏やかな人と結婚したので付き合っていたころと同じ時間が続いている。

子供ができるという大きなイベントを想定していないので、ずっとこのままの時間を過ごしていくのだろうと思う」。

子供がいるいないに関わらず、結婚相手とどのような関係を築けているかが大切なのは当然のこと。一方で、「子供さえいなければとっくに離婚している」というカップルが多いのも、また事実なのです。

(2)好きな時に旅行やステキなレストランに行ける

「子供が産まれる前は、ふたりで旅行に行くことも趣味の食べ歩きも月に1度は楽しんでいたのに、生まれてからは年に1度いけるかどうか」そんな声を時折耳にします。

また、子供が小さいうちは、周囲への迷惑も気になるところ。

でも子供がいない夫婦の場合、そんな心配はありません。

筆者の元上司夫妻は子供がいない共働き夫婦。ふたりとも高収入のため、老後の心配もなく、ふたりの時間を満喫しています。

子供がいないので、当然「子供の養育費」という莫大な費用も不要。今この瞬間を楽しむことに集中できるのです。

(3)夢や自分のキャリアを追求し続けられる

友人のDINKSカップルは、ふたりとも仕事帰りにそれぞれ学校に通っています。資格取得を目指しているふたりがディナーを共にするのは週末だけ。

でも友人曰く、「やりたいことを続けながらも一生の伴侶がいる今の生活はふたりが幸せでいられる最高の形」とのこと。

子供ができたことで、自分の夢を諦める人も少なからずいるのが現状。どちらがより大切であるかを話し合える関係は、深い信頼で結ばれているといえるでしょう。

(4)週末をふたりで寝て過ごせる

子供のいる家庭は、週末も大忙し。子供に朝早くから

「お腹すいた!」

と起こされ、どんなに疲れていても寝ているわけにはいきません。

また、エネルギーがあり余った子供たちを家で放置しておくと、ボール遊びを始めたりしてとんでもない惨事が巻き起こる可能性もあります。

週末に1日中だらだらと寝て過ごしたり、ご飯をコンビニで済ませてあとはひたすら読書をしたりする生活は夢のまた夢。

前述のDINKSカップルは、平日忙しくしている分、週末は自分を存分に甘やかすそう。ベッドの上で遅い朝食をとりながらテレビを見たり本を読んだりしてふたりで過ごしているようです。

(5)いつか彼が子供を欲しくなたっ時だけちょっと心配

生物学的に考えれば、男性は年をとっても自分の遺伝子を残すことが可能です。でも女性はそうはいきません。

実際、友人Mさんは20代後半に夫と共に受精した卵子を凍結させておくという選択をしました。

それは、当時は子供が欲しくなくても、いつか欲しくなる可能性が否定できなかったからだそうです。

女性はこのような選択肢があることを知るべきです。自分のキャリアを諦めないという事にもつながります。

 

5:子なし夫婦が受けがちなハラスメント

(1)少子化を加速させている・申し訳ない

社会問題を旗印に、正論ぶってお説教してくる人々はどこにでもいるものです。

筆者の親友にもDINKSを謳歌している女性がいるのですが、「敵は夫の親だけでなく自分の親、会社の上司など様々」とのこと。

とくに実母からの「少子化なのに」や、「○○さん(夫)のご両親に申し訳ない」という言葉には、深く傷ついたそう。

実の母だからこそ、その近すぎる距離が災いし、娘を傷つけてしまうというケースもあるようです。

(2)女には賞味期限がある

元同僚A「憧れていた女性の先輩から、“子供を産む時期を考えてね。どんなに容姿がよくても賞味期限があるから”と言われた。大好きで、女性の味方だと思っていた人だったのに、女の敵だった」。

男性が作り上げた社会で成功している女性の中には、意外にも男尊女卑的な考え方をする人が存在するものです。

生物学的に、女性が妊娠できる期間は限られているのが事実。でもその期間は医療技術の発展により、これまでよりはるかに長くなりました。

そもそも人間に賞味期限なんてありませんよね。

(3)何か体に問題でもあるの?

友人Mちゃんが義母に言われた言葉「何か体に問題でもあるの?」。

実際そうである可能性が誰にだってあるのですから、絶対に言ってはいけない言葉ですよね。

子供は授かりもの。女性なら、ましてや母になった人ならば、いちばんよくわかっているはずなのに……。不思議ですね。

思うにこれはマウンティングのひとつ。義母が嫁に対して、「私ができたことがあなたにはできないのね」と暗に伝えたいのかなと邪推してしまいます。

(4)後悔しても遅いよ

知人Jさんは、自身の体が弱いことを考慮し、子供を産むことを選択しなかった女性。そんな彼女はある人から、

「産んでしまえばなんとかなるよ。後悔しても遅いよ」

と言われたそうです。

そんなこと百も承知。産まないという選択肢を選んだ彼女は、自分の体調と照らし合わせながら、後悔するリスクだってきちんと考えてきました。

当人を本当に心配している人であれば、彼女の選択を理解するはず。ワーニングをして不安がらせるような発言は決してしないでしょう。

(5)会社辞める必要なかったじゃない

筆者の元同僚の女性は、結婚をしてすぐに退職。その後、子供を持つことはありませんでした。

彼女が退職をしてしばらくすると、社内でこんな言葉が聞こえてきました。

「子供を作らないなら、辞める必要なかったのにね」

何も事情を知らぬままに勝手な噂話をする人は、どこにでも存在するものです。

 

6:産む、産まないの選択は自由

いかがでしたか? 女性にとって出産は、身体的、精神的、社会的に大きな変化をもたらすもの。それについて昔のように当たり前であると考えず、きちんと自分の人生の一部として熟考することは女性として必要なことです。

「子供を産み、育てることには大きな責任と負荷が伴う」。これは紛れもない事実です。

子を持つことを”喜び”であるとし、何も考えずに行動するのは、自分や夫、将来の子供のためにも避けなければなりません。

また、たとえ今すぐには子供を持たなくても、受精卵の凍結や、卵子の凍結を利用していざ欲しくなった時に備えることだって可能です。

様々な可能性がある今、女性はひとりの人間として自分の人生を生きることを捨てずに、出産という選択肢について考える事が可能になってきているのです。

大切なのは自分と彼がありたい姿をよく話し合い、選び取ること。その権利を誰もが持っているのだということを知っていることが大切です。

 

[参考]

平成27年国勢調査 就業状態等基本集計(労働力状態,就業者の産業・職業など)表番号16 – 総務省統計局

平成21年度「離婚に関する統計」の概況 – 厚生労働省

 専業主婦世帯と共働き世帯 – 独立行政法人労働政策研究・研修機構