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恋愛に深刻な影響も!? 心理カウンセラーに聞く「父親嫌い」の克服法4つ

中田綾美

中田綾美A.Nakata

1:“父親嫌い”が恋愛に及ぼす影響とは?

“父親嫌い”という心理がどのように恋愛に悪影響を及ぼすのか? 過去記事「“父親が嫌いだった女性”の心理と恋愛へ与える影響は?心理カウンセラーに聞く」を参考に、そのメカニズムをご紹介します。

(1)“父親嫌い”は“お父さん大好き”の裏返し

父親が嫌いだという女性は、深層心理では「お父さん大好き!」。

本当は、自分がお父さんを好きな気持ちと同じぐらい、お父さんからもっと愛されたかった……。しかし、父親が仕事人間だったり、頼りなかったり、余裕がなかったりして、娘が期待する愛情を十分に受け取れなかった場合に、「お父さんなんか大嫌い!」という心理が形成されます。

父親の愛情で満たされない寂しさを封じ込めようとするのです。

(2)“父親からもらえなかった愛情”を異性のパートナーに求めてしまう

「お父さんなんて大嫌い!」になることで、「寂しい」という感情を封じ込めても、感情そのものはなくなりません。

すると、父親にもらえなかった愛情を、父親に似た男性に求めてしまうようになります。

父親同様、自分を最優先してくれない既婚男性や、父親に似たダメ男ばかりを好きになったり、そういう男性から好意をもたれたくなったりするのです。

また、本当は大好きなのに拒絶している状態は罪悪感を感じやすいため、父への罪滅ぼしのために、父に似た男性に尽くしすぎてしまう傾向もみられます。

一方、父親と正反対の男性を選んでも、無意識のうちに相手に“父親役”を求めてしまうので、自然な男女関係を築けないこともあるようです。

 

2:“父親嫌い”を克服して幸せになるには?

幸せな恋愛、そしてその先にある結婚を望んでいるのに、なぜか不幸な恋愛ばかり繰り返してしまうのは、上記のような“父親嫌い”の心理が影響しているのかもしれません。

では、父親が嫌いな女性が幸せな恋愛、結婚をするにはどうすればいいのか? 心理カウンセラーの服部希美氏にお話をうかがいました。

(1)まずは自分の寂しさに気付く

「いつも既婚者ばかり、ダメ男ばかり……というのは、自分が封じ込めてきた感情に気付いていないために、無意識のうちに同じパターンを繰り返しているのだと考えられます。

その不幸のループに歯止めをかけるには、まず『本当は私はこんなにも寂しかったんだ』と、自分の感情に気付いてあげることが大切です。

心理学で“抑圧”というのですが、寂しい、満たされないといったネガティブな感情が辛すぎるとき、私たちの心は、自分の心を守るために感情を奥底に沈めてしまう傾向があると考えられています。

ですが、いくら沈めたところで、その感情自体がなくなるわけではありません。抑圧したままでは、寂しさ、満たされなさはどんどんふくらんでいってしまいます。

まずは、その抑圧した感情に善悪つけず、気付いてあげることが“父親嫌い”を克服する第1歩です」

(2)自分の感情を紙に書き出す

「自分の感情を整理整頓するために、父親に対してこれまでに感じてきたことを紙に書き出すというのはよい手段だと思います。

あんなことされてむかついた、してくれなくて寂しかった、父親のこんなところがイヤだった……。など、とにかく自分の溜め込んできたものが空っぽになるまで、どんどん書き出していく。

そうすると、不思議なもので、徐々に書く内容が変わってくることが多いんですね。

始めのうちは父親の悪口のオンパレードだったのが、しだいに父親に対して、嫌ってしまってごめんなさいという気持ちが出てきたり、実は父親に迷惑をかけたくなくて遠慮をしていた自分に気付いたり。父親なりに頑張ってくれたことを思い出したり……。

溜まっていた感情を吐き出していくと、本当の気持ちに気付きやすくなるので、心境に変化が生じてくることが多いのです。

恋愛がうまくいかないと、女性はつい自分を責めがちです、しかし、今までの感情を整理することで、自分が悪いわけではないと気付いたり、本当は自分がどうしたいのかがわかってきたりします」

(3)自分の“いつものパターン”に気付く

「自分の寂しさに気付くことができたら、自分の過去の恋愛も振り返ってみましょう。そこに一定の法則が見つからないでしょうか?

そのことを意識するだけで、過去の恋愛パターンも繰り返しにくくなるはず。

意識しないままだと、お父さんに似た男性を見ると、つい助けたくなっちゃったり、既婚男性に対して“お父さんからもらえなかった愛情を与えて欲しい”という衝動にかりたてられたりして、その感情の赴くまま、いつものパターンを繰り返してしまいます。

そうした自分の傾向をちょっと意識しておけば、感情がビビッと動いたとき『あっ、いつものアレがきたな』と気付いて、歯止めをかけやすくなるでしょう」

(4)仲良しカップルからよい刺激を受ける

「心理学には“見知らぬ天国よりも、見知った地獄”という言葉があります。

天国ルートと地獄ルートのふたつがあるなら、“天国”を選んだほうが幸せになれるはずなのに、天国に慣れてない人は、ずっと見てきた“地獄”のほうに安心感を感じる。そのため、ついつい地獄ルートを選んでしまいがちです。

“父親嫌い”で不幸な恋愛を繰り返してしまう女性にも、こういう傾向はみられます。

母親が父親にいつも困っている姿を見て、『あんな夫婦仲はいやだな』と思いつつも、その女性にとって両親の姿こそが自分にとっての“カップルのモデル”。

たとえ、頭では両親とは異なる幸せな結婚生活を夢見ていたとしても、気付けば両親と同じような関係をパートナーとの間に形成してしまいがちなのです。

ですから、両親から学んだ“カップルとはこういうものだ”という価値観だけでなく、自分の選択肢を広げるために、たとえば、仲良し夫婦のお宅におじゃまして、もてなしてもらってみてください。

同年代で夫婦円満なカップルのおうちでもいいですし、お父さんお母さんが仲良しだというお友達の実家でもいいでしょう。

実際に家庭を訪れて、その空気にふれるだけでも、“こんな夫婦の形もあるんだ、私はこの形がしっくりくるな!”などという発見があるはずです。

差し支えなければ、『ケンカはしないの?』『こういう場合はどうするの?』など、突っ込んだ質問をして、両親からは学べなかったことを吸収できるといいですね。

夫婦の形は千差万別。我慢したり、自分を犠牲にしたりすることなく、一緒にいて安心できる関係、慈しみ尊重しあうような関係もある。そのことを実感できれば、あなたの価値観にも少しずつ変化が生じ、恋愛にもよい影響をもたらすのではないでしょうか」

 

愛されることを求めながら、不毛な恋愛を繰り返してしまう……。そんな負のループを断ち切るためには、まずは自分の深層心理に気付くことが何よりも大事です。

あなたの恋愛がうまくいかないのは、男運のせいでもあなた自身のせいでもありません。

「お父さんが大好きだからこそ、お父さんにいっぱい愛されたかった。私を見て欲しかった。そんな大好きなお父さんのこと、嫌ってごめんなさい」という寂しさや悲しみ、満たされない思い、父親へのひたむきな愛。心の奥底に沈めたそうした感情をまずは認めてあげましょう。

 

【取材協力】

服部希美・・・ カウンセリングサービス所属カウンセラー。「30代からの恋愛(うまくいかない恋愛、失恋、婚活など)」「対人関係の改善」「自分が本当に望んでいる人生へのシフトチェンジ」のカウンセリングが好評。とくに、【さみしさを、笑顔に変えるカウンセリング】をテーマに掲げた、30代女性の恋愛・婚活サポートを、精力的に行う。「初回無料電話カウンセリング」も実施中。