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彼を好きなのかわからない…?恋愛心理学者が教える「気持ちを確かめる8つの診断」
平松隆円R.Hiramatsu
1:彼のこと、好きかわからなくなったことある?
他人と接していると、相手に好意をもったり、尊敬したり、自分と似ていると感じることがありますよね。
すると、相手とより仲良くなりたい、相手に依存したい、依存されたい、自分犠牲にしてでも助けてあげたい、独占したい、などと思うようになります。恋愛心理学では、それを「恋愛感情」と呼んでいます。
人を好きになる瞬間は様々
たとえば、「人は生理的に興奮状態にあるときに恋心が生まれやすい」といわれています。
生理的に興奮していて、その理由がわからないまま、近くに恋人にふさわしいような人がいると、その興奮をその人に対する恋心によるものだと無意識に思い込んでしまうからです。そして、その人を好きになり、恋が生まれることがある。
有名な「吊り橋実験」は、これを証明した研究です。
吊り橋と石橋でそれぞれ、ひとりで橋を渡って来た男性に、橋の中央で女子学生が声をかけ「今、自然景観について心理学のゼミで研究しているので協力していただけませんか」と依頼しました。それが終わると「今、時間がないので研究について詳しくは話せませんが、もしこの研究に興味があれば、いつでも説明しますのでここに電話を下さい」と電話番号を男性に渡したんです。
実験では、電話番号を受け取った男性の人数と電話をかけてきた人数を調べました。
その結果、吊り橋を渡った男性の半数が、彼女に電話をかけたものの、石橋を渡った男性は、ほとんど電話をかけてこなかったんです。
繰り返しになりますが、生理的に興奮状態にあるときに恋心は生まれやすい。
しかし、真の恋愛感情が芽生えたわけではないため、興奮状態が落ち着くと興味が冷めてしまいます。
こういう場合、突然に「相手のことが好きかどうかわからない」という状況に陥ります。
2:彼への気持ちがわからなくなる瞬間5つ
「彼への気持ちがわからない……」。そういった感情はどんなときに訪れるのでしょうか。たとえば、次の5つが考えられます。
(1)彼から愛情を感じない
好きという好意の心理には、相手の人から好かれていることがわかると、自分もその人を好きになるという「互恵性」があります。
たとえば、友達から誰かが自分に関心をもっていることを聞かされると、自分もその人のことが気になり、好きになったりしますよね。
しかし、もし彼があなたに優しくなかったり、あなたに特別な好意を示さなかったら、あなたの彼に対する好きという感情は低くなってしまうでしょう。
(2)褒めてくれない
人間には「自尊心を高めたい」という欲求があります。自尊心というのは、簡単にいえば、自分への自信のこと。誰かが自分のことを褒めてくれることで、人は自信をもつことができます。
付き合いたてのころは、「今日の髪形、かわいいね」とか、「今日の服、すっごいオシャレ」といったように褒めてくれていた彼も、付き合いが続いて行くにつれて褒めてくれなくなるかもしれません。
すると彼への好意の感情は低くなり、ふとした瞬間に「私、本当に彼のこと好きなのかな?」と思ってしまうこともあるかもしれません。
(3)反対に褒めすぎる
人間というのは勝手な生き物で、褒めてくれないと自分に自信がもてなくなるため、褒めてくれない相手への好意の感情は低くなります。
とはいえ、褒めすぎる相手に対しても「この人、ちゃんと私のこと見てくれているのかな」と不審に感じます。
すると、最初は褒めてくれるので好意の感情が高かったのが、次第に低くなってしまうのです。彼があなたのことを好きすぎて、ついつい褒めてしまっているのだとしても、あなたは「私、彼のこと本当に好きなのかな」と思ってしまうでしょう。
(4)会う機会が少ない
好きな人とは、いつも一緒にいたいと思います。ですが、学生ならまだしも、社会人になるとお互いの仕事の都合でなかなか会えないこともしばしば。
会う回数が少なくなると好意の感情は低くなってしまいます。
心理学的には「他者との接触は親しみを増し、不安感を取り除く」といわれています。距離的に近い人を好きになるのも、 この効果が原因です。職場恋愛、職場結婚が多いのはこのためだともいわれています。
「なかなかデートに誘ってくれないのは、私のこと好きじゃないから?」と思うことは少なくないでしょう。そのとき、すでに、あなたの彼に対する好意の感情も低くなってしまっていると考えられます。
(5)自分のことを話してくれない
「好きな人と一緒にいれば、それだけじゅうぶん。言葉なんていらない」と考える人がいるかもしれません。ですが、やはり会話は大事です。
とくに恋愛においては、自分のことを話す会話が大事なってきます。
専門的な言葉で自己開示というのですが、「自分の過去の経験や感情、人生観などを他者に言葉で伝えることは、恋愛感情と深く関係している」といわれています。
人は自己開示をしてくれる相手に対して好意をもち、自己開示に比例して好意の感情が高くなります。
彼が、あまり自分のことや自分の家族のことなどを話してくれなかったとしたら、あなたの彼に対する好意の感情が低くなって当然なんです。
3: 本当に好き?彼への気持ちを確かめる8つの診断
さて、彼への気持ちがわからなくなる瞬間を知ったところで、彼への気持ちを確かめる方法について、コミュニケーションの観点から紹介しましょう。
相手への愛情や親密さの感情を表現することは、恋愛関係にとって大切です。
(1)今日の出来事について話している
1日の終わりに、その日の出来事を彼に伝えているかどうか。
すでに、会話が大事だという話をしました。当然ながら、自分がどれだけ相手に自己開示をしているかということ、つまりはあなた自身の秘密なんかを彼にどれくらい話しているかがポイントになってきます。
あまり自分のことを彼に話していないのなら、彼のことを好きでないのかもしれません。
また、普段の些細な会話も見極めるポイントになります。たとえば、その日の出来事について彼とどれくらい話しているか。本当に好きだったら、お互いに自分がどんなことをしたのか、相手がどこで何をしたのか知りたいと思いますよね。
(2)彼をニックネームで呼んでいる
彼をニックネームで呼んでいるかどうか。このときのニックネームは、彼の友達が呼んでいるようなニックネームではなく、ふたりの関係に固有なニックネームのことです。
たとえば、彼が渡辺君で、友達からは「なべちゃん」と呼ばれているのであなたも「なべちゃん」と呼んでる、というのではダメ。あなたと彼の間でしか使わないニックネームであることが大事です。
ときにそのニックネームは、他の人に聞かれると恥ずかしかったりします。そんなニックネームで彼を呼んでいないのだったら、彼のことをそれほど好きではないのかも知れません。
(3)特別な愛情表現の仕方
愛情を表現したり、相手を安心させたり、褒めたりするときに用いるフレーズや動作をしているかどうか。これもありきたりな「好きだよ」とか「愛してるよ」ではなく、ふたりで経験したなんらかの出来事を通じて生まれたようなフレーズや動作である必要があります。
たとえば、愛情を表現するためや相手を褒めるときにだけつくる料理があったり、テーブルコーディネートだったり、そのときだけ使う入浴剤があったりなどがあてはまります。
(4)他人を呼ぶときのニックネーム
共通の知人をニックネームで呼んでいるかどうか。たとえば、会社の上司を「○○おじさん」と呼んだり。
これは、「彼をふたりでしか通じないニックネームで呼び合う」というのによく似ているのにですが、共通の知り合いをふたりでしか通じないニックネームで呼べるというのは、ふたりの関係が親密だからこそ。
(5)不満の表明
いくら好きな相手でも、不満を感じるときがあるでしょう。彼の言動に対して批判をしたくなるときだってあるはず。そんなとき、言葉で直接的に伝えるのではなく、相手への批判や不満を示すための、決まり文句や動作があるかどうか。
たとえば、ちょっとブリッ子ですが、不満を感じたときに「ぷんぷん」なんて言うのは、好きな相手にしかできませんよね。
(6)行動の合図
外に出掛けるとき、食事をはじめるときなど、何か行動を始めようというときに、ふたりでしか使わないような合図をするかどうか。
この場合は、言葉というよりもジェスチャーやしぐさといった合図があるかどうかがポイントになってきます。
「ふたりの関係が親密だからこそ、言葉にしない合図でもお互いの行動が理解できる」というわけなんです。
(7)性的な事柄の表現
ときどき、「彼の大事なところに名前をつけている」という話を耳にすることがあります。実は、恋愛心理学的にはこういうことも大事だといわれています。
たとえば、「エッチしよう」とは言わず、ふたりだけに通じる別の表現を使っているなども同じ。彼との性的な事柄にどう対峙しているかでも、自分が彼のことが好きかどうかがわかります。
(8)からかい
ときには、恋人をからかってみることがあるでしょう。もちろん、本気でバカにしているわけではありませんよね。相手のことが好きで、相手のことを信頼しているから、からかうことだってできるわけです。
ふたりの関係がポジティブだからこそ、上に示したような8つのコミュニケーション手段ができるわけです。逆にいえば、これらのコミュニケーションが彼とできていないのだとすれば、あなたは彼のことが好きではない、と考えられそうです。