恋のなやみに効くメディア

エッチとは?「エッチとはどこから?セックスとの違いは?」徹底討論

月島もんもん

月島もんもんM.Tsukishima

目次

隠す

1:エッチとは?

(1)エッチの語源は?

月島:みなさま、今日はよろしくお願いいたします。まず「エッチの語源は?」ということなんですが、これは「変態」のローマ字「HENTAI」の頭文字をとって「H」すなわち「エッチ」……ということで問題ないですよね?

箱崎:ネットで調べると、明石家さんまさんが広めたという説もありますね。テレビで「セックス」と言うのは露骨だという理由で。

沙耶:それを言うと、ネット記事で「セックス」の代わりに「エッチ」を使いまくって広めたのは月島さんじゃないですか? 『Menjoy!』で。あれは配信先を意識してのこと? グノシーとか。

月島:最初は「セックス」って言葉自体がアルゴリズム的によろしくないかな、と思ったんですけど。そんなことはないみたいなんですけどね。使っているうちにかわいいから、なんとなく。

沙耶:「オナニー」を「ひとりエッチ」と言ったり、「フェラ」を「お口エッチ」と言ったり。表現を工夫して、私が『Menjoy!』で書いてたころよりも過激ですよね(笑)。

月島:でも沙耶さんは、プロフに『美人妻・肉棒狂い』って著書が……!

箱崎:いろいろダメですよね(笑)。しかもプロフだからいつもトップページにあるし!

沙耶:だってそれは著作のタイトルだから、どうしようもないです……。

(2)エッチとはどこから?

月島:でね、今日お話するのは「エッチとはなにか? どこからエッチなのか?」ということでして。「セックスとは違うのか?」とかね。

箱崎:どーでもいいー(笑)。

沙耶:文脈によると思うんですが、定義するってことなんですか?

月島:まあ、そう言わずに盛り上がっていきましょう!

 

2:エッチとはなにか?どこからエッチなのか!? 徹底討論!

「エッチ」と「セックス」の違いは?

月島:はい! では早速「エッチとはなにか? どこからエッチなのか?」と話し合っていきましょう? ではまずは箱崎さんに聞きます。「エッチとはどこからですか? セックスとは違いますか?」。

箱崎:エッチのほうが、挿入しなくても言える気がしますよね。

沙耶:でも「初エッチはいつ?」という文脈では、やはり挿入ありきでしょう?

箱崎:そうか。やっぱり「セックスの代わりの語」というイメージが強いか。

月島:「エッチ」は使用範囲がすごく広いですよね。人にも使うじゃないですか? 「エッチな人」とか。「セックスな人」とは言わない。

沙耶:曖昧な表現なんですよね。「エッチなことしよう」と言うと、どんなことかなと思う。「セックスしよう」だと、もうそれしかありえない。

月島:語の響きもかわいいし、男女のお誘いでも使いやすいかもですね。「ちょっとだけエッチなことしようよ」とか。

箱崎:それは変態でしょう(笑)。

月島:そうかな(笑)。でも「ちょっとだけセックスしようよ」って言ったら、「ちょっとだけってなんだよ? 先っちょだけってこと?」と思うじゃない?

「エッチ」は性的表現としてとても優秀!

沙耶:「曖昧さを残す」っていうのは、性的表現としてすごく優秀なんですよ。言う側も断られた際のエクスキューズになるし、言われた側も解釈に主観が入れられる。「どういうつもりか?」をお互いに探りながら、徐々に先に進めますからね。

箱崎:『Menjoy!』の記事もダブルミーニングな使い方していること多いですよね。とくに沙耶さんの記事とか。「これエロいですよ!」と解釈しちゃうと、「これをそういう風に読むほうがエロいですね」って内容になっている(笑)。

沙耶:私のころは、月島さんみたいにそこまで過激な内容を書けなかったので……(笑)。いたしかたなく、そういう風になっていた面もあります。月島さんは、表現が直接的ではないだけで、結構ダイレクトですよね。

月島:「セックス」を「エッチ」に置換しているだけですからね(笑)。僕は沙耶さんと入れ替えで『Menjoy!』に入ったのですが、沙耶さんの記事が大好きで、こういう風に書きたいなと思っていたのですが……。

箱崎:でも力技で普通にエッチなことを書けるようにしちゃいましたね。

月島:僕に言わせると、沙耶さんの記事のほうがよほどエロいんですけどね。もちろん、ものによりますけど。たまに読者を欲情させようとして書いているでしょう(笑)?

沙耶:そんなことないですよ(笑)。

「セックス」を「エッチ」と呼ぶ功罪

月島:で、ちょっと話を戻して、「どこからエッチなのか?」というテーマなんですけど。これは僕、さっきの沙耶さんの意見に賛成で、「人によって、文脈によって変わってくる言葉」だからこそ、使い勝手がいいんだと思う。とくに恋愛のシーンにおいては。

箱崎:「エッチな記事読んでる」というのと、「セックスの記事読んでる」というのでは、読者にとっても、捉え方が違ってきますよね。

月島:そうそう。「エッチな記事くらい誰でも読むよ」と言えるけど、「えぇ!? セックスの記事読んでるの!?」と感じてしまう。

箱崎:そこで意味を軽くする功罪はあると思いますけどね。

月島:というと?

箱崎:「スピード」とか「S」って言葉を使うことで、若者の間で「覚せい剤」が流行したでしょう? 「覚せい剤」とか「シャブ」とか言ってたら、手を出さなかった人もいるんじゃないかな? 言葉を変えることで、すごく重いことを軽くとらえさせてしまった。

月島:それじゃ『Menjoy!』が極悪人みたいじゃないですか(笑)。

沙耶:覚せい剤はもちろんダメなことだけど、エッチについては、「知識を身につける」ことも重要なことだから、「オブラートに包んで」、普段そういう話をあまり知りたがらない人が読みやすくするのは良いことだと私は思うんです。

月島:友達からも聞けないような話もありますしね。

箱崎:私はセックスについて語るとき「軽くすることでエロくなくなる」という根本的な罪はあると思う。

沙耶:ああ、なるほど。

箱崎:「エッチした」より「セックスした」のほうがやはりイメージとして重い。自分自身のなかでどっちのイメージをもつかで、そのセックスの感じ方が変わってくると思うんです。

どこから「エッチ」か決めなきゃダメ?

沙耶:でも、ちゃんと決めなきゃダメなんですかね? 「どこからエッチか?」って。人それぞれ感じる部分に任せちゃダメかな?

箱崎:なんでもきっちり決まってないと気が済まない人もいますよね。童貞セクハラで炎上した人みたいに(笑)。「もう何がよくて、何がダメなのかきちっと話し合いたい」みたいなこと言ってた。

沙耶:例えば、「エッチとは性器を触る以上の行為」のように決められたとして、その使い方しかしてはいけないとなったとしても、私たち文章をあつかう人間は別の表現を使うだけな気がする。

月島:沙耶さんそういうの上手ですよね。しかも、普通に言うよりそういう表現のほうがいやらしいんだ、なんか(笑)。

沙耶:もっと昔は言論の自由なんかなかったから、わかる人にはわかるような形でストーリーを作ったと思うんですよ。『エミール』のように物語と言いながら直接的表現しかできなかったジャン・ジャック・ルソーは結局最後は『孤独な散歩者の憂鬱』なんか書かねばならなかったほど、世に嫌われたわけで。

月島:まあ現代からその歴史的価値を読み解くとルソーの作品は貴重だけど。

沙耶:食いっぷちがなくなっちゃいますからね。変なことを書くと。私たちライターは。まあ私は派遣OLを続けるからいいけど。

「エッチ」を定義したがる人ばかりになって大丈夫?

箱崎:今、AIがすごく発達しているじゃないですか? ノウハウとかニュースとかだけだったら、htmlで正誤とNG表現をチェックしながら、誰にでもわかる平易な言葉に翻訳していく形で関連させていけば、ライターとかもういらないと思うんですよ。あとは権利の問題なだけで。

月島:そうなってくるといいですけどね。過渡期なんだろうけど、情報がカオス。今はお金を払ってでも早く知りたいような情報が、逆に手に入らない。検索すると「それじゃないよ」ということが多い。国会図書館で調べていた時代のほうが、やりやすかった(笑)。

箱崎:月島さん、そういうこと言うと「情弱」って言われますよ(笑)。

沙耶:私が思うのは、「言葉は生き物」とよく言われるけれど、AIにそれができるのかということ。今、スタンダードで使われている言葉や表現が前提としてあって、そこから威力のある別の言葉や表現が次々と出てくるじゃないですか? そういう言語の流れが止まっちゃうんじゃないかって。

月島:そうやって生まれた威力のある言葉が、『美人妻・肉棒狂い』ってタイトルなんですか?

箱崎:あの作品で伝えたかったことってなに?

沙耶:ただのエンターテインメントです(笑)。

月島:ノウハウとかニュースとかに面白い言い回しとか必要なのか?ってとこですよね。個人的にはいらないと思っています。エンターテインメントと明確に区別すべき。だからその辺はAIでどんどん作っていったほうが、世の中の役立ちになるんじゃないのかな?

箱崎:「恋愛」みたいな個人の主観が大きくて、「正しい」ノウハウが作りにくい領域はどうなんですか? 「正しく」作ろうとすると、それこそ「エッチってなにかちゃんと定義してください」って人ばかりになっちゃうでしょう? そういう人って、恋なんてできる?

沙耶:ヴィトゲンシュタインが『論理哲学論考』のなかで「世界」を定義しようとしたとき、それは「世界とは語られるものすべて」であったんですよ。その「語られる」もののなかに「主体」は入っていかないんです。説明はしょりすぎだけど。

月島:よくわからない(笑)。

 

3:エッチはやってみなきゃわからない!

沙耶:だから「エッチとは?」が定義できたとしても、「読者がその語にどんなイメージをもつか?」は人それぞれなので、決められないと思う。ただAIが作成していった文章が主流になったら、それが可能になっていく気がする。AIによって作られた文章で、読者は言葉のイメージを覚えるわけでしょう?

箱崎:そしたら、今ある文章を学ばせるだけで、AIはそれができるんじゃないの?

沙耶:今ある文章をAIに読ませても、すべての解釈をすることはできないと思うんですよね。感じ方は人それぞれだから。ストーリーはね。

月島:国語の問題で「このときの主人公の気持ちはどれか? 答えなさい」とか嫌いだったなー。作者でも間違えるっていうね。

沙耶:「思考ではなく、感覚の領域」になると、言葉で教えるのが難しいですからね。

箱崎:恋愛とか、まさにそれじゃないですか。「エッチ」なんてその最たるものでしょう? 感覚の領域。

月島:じゃあ、「エッチはやってみなきゃわからない!」ってことで、みなさんいっぱいエッチしましょう。

沙耶:え。もう終わりですか?

月島:まとまらないと思ったら、なんとかうまくまとまったので。