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男性脳とは?女性脳との違いは?男性脳の女性の恋愛・性格傾向や特徴はあるのか

平松隆円

平松隆円R.Hiramatsu

目次

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1:男性脳と女性脳の違いは?

そもそも男性脳と女性脳とはなんでしょう。これは、男女で脳の回路の組み立てや、そのはたらき方に違いがあると考えられているため、それを区別するための呼び方です。実は、学術的には男性脳と女性脳について、様々な議論が存在しています。

東北大学大学院生命科学研究科の山元大輔氏のグループは、ショウジョウバエの脳回路の雌雄差の研究を通じて、男性脳と女性脳を切り替える遺伝子があることを『Nature Communications』で発表しています。

その一方で、イギリスにあるロザリンドフランクリン医科学大学のLise Eliot氏らは、脳の海馬を調べた研究のなかで、「男性脳と女性脳は存在しない」と言っています。

このふたつの研究から、男性のと女性脳というものは、「学術的には存在している」とは断言できないんです。とはいえ、いくつかの研究で、ヒトの男女で脳の回路の組み立てや、そのはたらき方に違いがあるという研究があるのも事実です。

(1)指の長さで男性脳、女性脳がわかる?

ところで、男性脳か女性脳かを見極める方法はないものでしょうか?

一つには、「指の長さでわかる」という説があります。これは、イギリスの心理学者であるジョン・マニング氏が、「胎児期に母親の胎内で生成された男性ホルモンの濃度によって、人差し指と薬指の長さの比率が決まる」と指摘したことに由来します。

そして、ヒトの男女を決定するY染色体上にあるSRY遺伝子について、SRY遺伝子は受精後4〜5週目頃にはたらき、これにより精巣ができ男性になり、 これがないと卵巣ができて女性になるといわれています。そして、男性の場合、精巣から男性ホルモンが分泌され、男性器ができあがる過程で、男性脳になると考えられました。

つまり、薬指の成長は男性ホルモンの影響を、人差し指は女性ホルモンの影響を受けるため、男性ホルモンをたくさん浴びた人は人差し指より薬指が長くなり、よって人差し指より薬指が長い人は男性脳だと考えられたということです。

しかしながら、いくつかの研究によっては、人差し指と薬指の長さと男性脳・女性脳については関係がないことも指摘されています。総合的に考えると、残念ながら、外見的な特徴で男性脳か女性脳かは判断できないといえるでしょう。

(2)画像で判定!男性脳か女性脳か必ずわかる診断 →有名な画像心理テスト

以前に、メディアで脳科学がブームになったとき、インターネット上で男性脳か女性脳かが必ずわかる画像テストというのが、話題になりました。その画像というのは、顔半分のみ描かれた男性の写真で、見る人によって横顔か正面顔かに見え方が分かれるというものです。

ただし、残念ながら、これはデマ。学術的な裏付けがあるわけではありません。そもそも、学術的に男性脳と女性脳の存在が確定されていないため、それを明確に区別する方法も存在していないんです。

(3)女なのに男性脳という人もいる?

たとえば、帝京短期大学の渡辺久子氏らが大学生を対象に調査をおこなったところ、およそ45%の女子学生が女性っぽい考え方(女性脳)であり、男性的な考え(男性脳)を示した者はおよそ25%いたことが明らかになっています(残りは中間)。男子学生の場合は、70%が男性脳の持ち主で、女性脳は12%でした。

つまり、女子なのに男性脳だという人もいれば、男子なのに女性脳という人もいるわけです。しかしながら、あくまで男性脳や女性脳は、“男性の脳”や“女性の脳”という意味ではなく、ただのラベリング(名称)だと考えておく必要があります。

2:男性脳とは?女性脳との違いは?男性脳の特徴

男性脳・女性脳が広く知られるきっかけとなったアラン・ピーズとバーバラ・ピーズの著書『話を聞かない男、地図が読めない女一男脳・女脳が「謎」を解く』(主婦の友社)などでは、男性脳と女性脳で次のような違いがあると指摘しています。

1.男性脳は地図を読むのが得意

2.女性脳は料理をしながら電話ができたりとマルチタスク

3.男性脳は、他人に道案内が得意

4.男性脳は映画をみたあとで、セリフをおもいだす

5.女性脳は、人と仲良くする方法を見つけるのが得意

(出典:『話を聞かない男、地図が読めない女一男脳・女脳が「謎」を解く』著:アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ 翻訳:藤井 留美)

つまり、男性脳だと論理的で分析に優れ、几帳面でものごとを整然と処理するタイプになり、女性脳だと創造性、芸術性が豊かな反面、直感や感覚でものごとを判断するタイプになるというんです。

3:男性脳の女性の特徴…性格や恋愛の傾向は?

男性脳の特徴を整理し直すと、男性脳の特徴は「論理的、シングルタスク、個人意識が強い、冒険的」といえるでしょう。つまりは、いわゆる一般的な男性がしやすい思考や行動です。

残念ながら、男性脳と女性脳の違いが性格や恋愛にどう関連するのかという研究はありません。しかし、思考や行動が一般的な男性に近いということは、「男性に近い性格や恋愛の傾向がある」と、仮説をすることができます。

とはいえ、これも男女で性別が違うと、違うものだという思い込みがあります。そして、性格は男女という性差以上に個人差が大きいものなので、必ず男女のふたつに分けられるわけではありません。

また、恋愛には大きく6つのタイプに分かれるという説もあります。そのタイプ別に男女差があるわけではありません。つまり、「なんとも言えない」のが今のアカデミズムの結論です。

4:まとめ

男性脳か女性脳かは、あくまで、脳の回路の組み立てやそのはたらき方の違いでしかありません。また、男性脳・女性脳は、遺伝子が原因の生得的な違いだけではなく、生まれ育った環境による影響も考えられます。

大切なことは、「あの人は、男性脳だから、女性脳だから」と区別するのではなく、多様な思考があるのだと理解することです。男性脳だから女性脳だから、良いとか悪いということではないんです。