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日本の離婚率を世界と比べてみた!世界の離婚率ワースト5と日本で離婚率が高い年代
山根ゆずかY.Yamane
1:離婚率とは…?離婚率の定義と計算式
離婚率には2種類あり、厚生労働省が定義する離婚率は、
(年間離婚届出件数/10月1日現在日本人人口)x1,000
(引用:労働統計に用いる主な比率及び用語の解説 厚生労働省)
という計算式で求めることができます。
一方、よく耳にする「日本では3組に1組が離婚している」というのは、その年の離婚件数をその年の婚姻件数で割ることによって求められた概算で、「有配偶離婚率」と呼ばれています。
厚生労働省の『平成 28 年度 人口動態統計特殊報告 「婚姻に関する統計」の概況』によると、平成21年以降に婚姻件数が漸減している状況から考えると、今年離婚した夫婦と今年結婚した夫婦を比較して、「離婚率が上昇している」と言い切るのは少し乱暴な気がしますね。
2:離婚率が世界で高い国ワースト5
各国の最新データを参照にしながら、ご紹介していきます。離婚率の算出方法は同じですが、各国統計がある年とない年があるので、最新統計にのっとって数値を比べたランキングにしています、
1位 ロシア 4.5
1991年にソ連邦が崩壊した後、急激に失業率が上昇したロシア。一時は失業率が13%を超えるほど失業者が増えました。
失業率のピークが1998年ごろですので、ちょうど今から20年ほど前。その当時ほどではないにしても、景気の悪さや貧富の格差は今も続いていて、その状況下で離婚率が高まっていたとしても不思議ではありません。
2位 デンマーク 3.4
福祉が充実している北欧諸国。その中から同じくスウェーデンとフィンランドも離婚率が高い国として挙げられます。
福祉が充実しているぶん、セーフティネットがしっかりしており、離婚をしたとしても困ったときに利用できるサービスが多いとなると、離婚を踏みとどまる理由が薄れてしまうともいえます。
ヨーロッパ諸国では良い教育を無償で受けられる場合が多く、ひとりで子育てをする上で大変有利な状況であるともいえますね。
3位 アメリカ 2.8
セクハラ被害をネット上で告発、共有する「#Me too」の展開も話題になる中、アメリカではこれまで以上に男性と女性の平等化が叫ばれています。
男女がより平等になることで、女性は男性の経済力に頼らずとも生活する基盤を整えやすくなります。少なくとも、国中でそのような機運が高まれば、精神的に独立した女性が増えるのは当然といえるでしょう。
無理をして好きでもない夫と暮らさなくても、ひとりで子供を育てながらでも自由になる道を選びやすい世の中であるといえそうです。
4位 スウェーデン 2.7
前述のデンマークと同じ理由で、福祉が充実しているぶん、離婚しても子供を育てやすい環境にあると言えるスウェーデン。
ただ、共働きが普通な北欧においては、両親がいる家庭と比べ、母親ひとりで子供を育てている家庭の環境は決して良いとは言えません。
シングルマザーは、様々な理由により大変な状況であるという事実は、世界中で共通していると言えるでしょう。
5位 フィンランド 2.5
男女とも仕事をするのが当たり前な国、フィンランド。そのため家事の負担なども平等であることが当然とされています。
また、家族を持った場合でも、夫婦ありきの子供であるという考え方が強く、夫婦の愛が冷めれば子供がいたとしても離婚をするという考え方をします。
加えて、デンマークやスウェーデンと同様に、福祉が充実していることも離婚率の高さに繋がっているようです。
3:離婚率は年齢でも異なる!離婚率が上がる年代とその理由
こちらも厚生労働省のデータによれば、離婚率が最も高いのが30歳から34歳の女性、次に高いのは30歳から34歳の男性です。逆に45歳を過ぎると、男女ともに離婚率は下がっていきます。
このことからも、離婚率が最も高い時期は、「第二の人生を始めやすい」時期であるというのが、ひとつの理由であるといえそうです。
4:もし離婚しても幸せになれる環境づくりが必要
どれだけ愛し合ったとしても、結婚後にどうなるかは、運や様々な事情によるところが大きいもの。
一方、経済的な事情などで離婚ができず、辛い思いをしている人も存在します。
離婚が必ずしも悪いことであるとは言い切れません。結婚をする人がいれば、離婚をする人がいて当然です。離婚率にばかりとらわれることなく、仮に離婚をしたとしても路頭に迷うことなく、誰もが幸せな暮らしができる社会であってほしいものですね。
【参考】
平成 28 年度 人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況 – 厚生労働省
Demographic and Social Statistics(Table 25) – United Nations