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「行く」の尊敬語は?間違えていると恥ずかしい「日本語の敬語」9選
並木まきM.Namiki
1:「行く」の尊敬語は?
まずは、ひとつの例として「行く」の尊敬語からご紹介します。正しくは「いらっしゃる」です。
「参る」や「うかがう」を「尊敬語」だと思っている人もいるかもそれませんが、これらは「謙譲語」。なので、相手の動作に使うのは間違い!
そんなわけで、正しい「尊敬語」と「謙譲語」をマスターしておくことは、モテ女子、モテ男子になるには不可欠な教養といえます♡
(1)そもそも尊敬語とは?
ところで、そもそも「尊敬語とは、なんぞや?」を、この機会におさらいすると、尊敬語とは、敬語の一種。相手や話題の対象となっている人物に敬意を託する表現、言い方を指します。
文字通り、相手に「尊敬の意」を込めて使う言葉というわけですね〜。
(2)尊敬語と謙譲語の違い
そして「尊敬語」とよく似ているものに「謙譲語」があります。
このふたつの違いは、簡単に言えば「尊敬語」が“相手を敬う言葉を使って直接的に相手を高める”ものなのに対し、「謙譲語」は“自分を下げて、結果的に相手を高める”もの。
どちらも、相手を敬う目的で使われる日本語ですが、この二つがごっちゃになってしまって、正しい敬語が使えていない人が多いのです。
なので、敬語に自信がない人は、この二つの違いをしっかりおさらいしておくと、敬語が怖くなくなるはず!
2:覚えておきたい尊敬語と謙譲語 (例文付き)
そこで、モテ女子になるなら絶対にマスターしておきたい「尊敬語」と「謙譲語」の例文を、9連発でズラッとご紹介します。
(1)「行く」の尊敬語と謙譲語
まずは、よく使う「行く」の尊敬語と謙譲語から。「行く」の尊敬語は「行かれる」「いらっしゃる」です。
一方、「行く」の謙譲語としては「参る」「伺う」が挙げられます。
尊敬語:「部長も、行かれますか?」「課長は地下へいらっしゃってください」
謙譲語:「わたくしが参ります!」or「わたくしが伺います!」
こんな感じで、相手の動作と自分の動作では、言い回しがガラッと変わります。
目上の方がお客様に「行ってください」という場合は、「会場へお越しになってください」「資料室においでになってください」といった謙譲表現もできます。
(2)「来る」の尊敬語と謙譲語
続いては「来る」です。
来るの尊敬語としては、「いらっしゃる」「おいでになる」「見える」が挙げられます。「いらっしゃる」は「行く」と「来る」どちらの尊敬語としても使えるということになります。
そして、謙譲語は「参る」です。
尊敬語:「●●課長は、お越しになりますか?」「社長は会長と一緒にいらっしゃいますか?」
謙譲語:「わたくしが参ります」
「来る」の謙譲語が「参る」ということは知っておくべきですが、「わたくしが参ります」は、自分が先方へ出向く場合、つまり「行く」ということになります。なので、ビジネスメールなどに使う場合には「わたくしが伺います」でOKです。
(3)「いる(居る)」の尊敬語と謙譲語
「いる」の尊敬語は「いらっしゃる」「おいでになる」、謙譲語は「おる」です。
誰かがその場所にいるかいないか、を確認したいときには
尊敬語:「●●さんは、いらっしゃいますか?」
謙譲語:「わたくしがおります」
などと使います。
(4)「食べる」の尊敬語と謙譲語
「食べる」の尊敬語は「めしあがる」「お食べになる」、謙譲語は「いただく」です。
尊敬語:「よろしければ、めしあがってください」
謙譲語:「喜んで、いただきます!」
(5)「言う」の尊敬語と謙譲語
「言う」の尊敬語は「おっしゃる」、謙譲語は「申す」「申し上げる」です。
尊敬語:「おっしゃる意味はよくわかりますが」
謙譲語:「わたくしが申し上げたいのは……」
稀に「部長が申されたのは、こういう意味ですか?」などと相手に“申す”を使っている人がいますが、これは間違い!
(6)「する」の尊敬語と謙譲語
「する」の尊敬語は「なさる」「される」、謙譲語は「いたす」です。
尊敬語:「●●さんがなさった」
謙譲語:「わたくしが連絡いたしました」
(7)「見る」の尊敬語と謙譲語
「見る」の尊敬語は「ご覧になる」、謙譲語は「拝見する」です。
尊敬語:「ご覧になってください」
謙譲語:「拝見します」
「資料を拝見してください」などと相手に言うのは、間違った日本語です。
(8)「聞く」の尊敬語と謙譲語
「聞く」の尊敬語は「お聞きになる」、謙譲語は「拝聴する」「伺う」「承る」です。
尊敬語:「お聞きになりました?」
謙譲語:「拝聴しました」
(9)「与える」の尊敬語と謙譲語
「与える」の尊敬語は「お与えになる」「くださる」です。しかし、会話の場合に「部長が私にお与えになった資料ですが」などというのは、間違ってはいませんが、ここは「くださる」を使うのがベターです。謙譲語は「差し上げる」です。
尊敬語:「●●さんがくださった資料、わかりやすいです」
謙譲語:「お客様にはお菓子を差し上げたいと思っています」
3:男子に聞いた!敬語アリとナシ、どちらがセクシー?
ところで、男子たちは敬語がある言い方と、ない言い方だったら、どっちがセクシーだと思っているのでしょうか?
今回は、前段の9つの例文と、“敬語ではない普通の言い回し”を男子たちに聞き比べてもらい、「セクシー」を基準にジャッジしてもらいました♡
(1)「行く」「伺う」「参る」
「これは、“セクシー”を基準にするなら、ダントツで“行く”だよね。
あらぬ想像をしちゃうエッチな言葉と、音が同じってのもあるけど(笑)。
でも、先輩や上司がいる場所で色気を感じるのは、“伺う”。TPOも大事だと思います。“参る”は、武士?って思ってしまう」(40歳男性/経営)
(2)「来る」「おいでになる」「いらっしゃる」
「“おいでになる”とかの、ちゃんとした敬語が必要な場面でサラッと使える子は、なんだかセクシーだと思う。
普通の会話では言葉遣いが雑な子なのに、目上の人の話題になったらさりげなく敬語で表現しているのを聞くと、“おおっ!”と思います。
敬語がちゃんと使えたほうが素敵なのは間違いないです」(35歳男性/飲食)
(3)「いる?」「いらっしゃる?」「おります」
「いちばんよく聞くのは、“いる?”だよね。
あまりにもよく聞くから、セクシーって感じはしない言葉ですねぇ。
“いらっしゃる?”とか“おります”とかは、いかにも敬語って感じがして、上品かもしれないね。
そういう意味では、普通の言い方よりも、敬語のほうが、女性っぽくてセクシーに思えるかも」(38歳男性/食品)
(4)「食べる?」「召し上がる?」
「“食べる?”は、ちょっと雑な感じがして、セクシーではないですね!
前カノが、家でご飯を作ってくれるときに俺が“いただきます”って言うと、“どうぞ召し上がれ~”って返してくれていたのは、今思えばセクシーだったな。
あと、デートシーンで、サラッと“これ、私がいただいちゃうね”などと言える女の子も、上品でいい感じだと思います」(42歳男性/IT)
(5)「言った」「おっしゃった」「申した」
「“申した”は、なんかカタイ感じがして、普段の会話で使われるのは苦手です。ビジネスシーンならいいけどね。
“言った”と“おっしゃった”だと、響きがセクシーなのは、“言った”だね(笑)。
下ネタで悪いんだけど、“イった”を連想するから、間違いなくセクシーでしょ(笑)」(37歳男性/保険)
(6)「した」「なさった」「いたした」
「なんか、セクシーなのはどれかって聞かれれば、どれもセクシーな気がするんですけど……。
だってこの言葉って、みんな“エッチ”の隠語みたいじゃないですか!
可愛い女の子が、“した”とか“いたした”とか言っていたら妙に耳に残って、無条件にアッチを想像しちゃいますね……」(30歳男性/IT)
(7)「見た」「ご覧になった」「拝見した」
「どれも言葉としては、そこまでセクシーじゃないと思うんですけど、強いていえば、“ご覧になった”かなぁ……。
こういう言葉って、日ごろから使っていないとなかなか出てこないと思うので、育ちの良さを感じて、いい意味でセクシーだと思います。
正しい敬語が自然に言える女の子は、親の躾がちゃんとしている感じがして、好印象ですね」(40歳男性/サービス)
(8)「聞く」「お聞きになる」「拝聴する」
「この3つのうちでいちばんセクシーな言葉は、“お聞きになる”だと思います。
理由ですか? 相手を立ててる感じがする言い方だと思ったので。女の子から言われたら、“奥ゆかしい女性でいいなぁ~”って思うと思います」(33歳男性/飲食)
(9)「与える」「くださる」「差し上げる」
「ダントツでセクシーなのは、“くださる”だと思います!
“与える”は、なんか上から目線な感じでイヤですし、“差し上げる”もなんかオバサンくさくないですか?
“くださる”は、いちばん優雅な女子っぽい言い方だと思ったんで、この中だったらセクシーな響きだと思います」(31歳男性/SE)
4:正しい敬語が使える女子は、素敵♡
日本語の敬語は、“相手を敬う”が目的。
「尊敬語」と「謙譲語」をごちゃごちゃにして使っていると、幻滅の嵐を招きかねない!
正しい敬語が使える女子こそ、真のモテ女子になれるといえましょう。
敬語に自信がなかった人は、ぜひこの機会に、ご紹介した言い回しだけでも覚えておくことをオススメいたします♡