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言葉を正しく使える女性は鉄板モテ!知らなきゃ赤恥の「二重敬語の誤用例」5選
平松隆円R.Hiramatsu
1:言葉を正しく美しく使う女性はなぜモテる?
一般的に、正しい言葉使いができる女性はモテると言われています。その理由は、正しい言葉使いは育ちの良さや上品な印象を相手に与えるからかもしれません。
ですが、例えば敬語の場合、正しく使うことは、良い印象を与える以上に重要な意味合いがあります。
それは、敬語には相手や周囲の人と自分との間の関係を表現するものであり、社会生活の中で、人と人とがコミュニケーションを円滑におこない、人間関係を築いていくために必要不可欠な働きがあるからです。
また、相手や周囲の人に対してだけでなく、“その場の状況”に対してまでも、言葉を用いる人の「へりくだり」や「改まった気持ち」を表現する手段として、敬語は重要な役割を果たします。
つまり、敬語は相手への尊敬の気持ちを表現するだけではなく、敬語を使う人がその場の状況や人間関係をどのように捉えているかを、相手に表現する手段なんです。
また、相手を敬い、人間関係をより良好なものにしようとする以外に、「相手との心理的距離を適切に保つ」という目的のためにも使われます。
そのため、敬語を正しく使うことは、「相手との関係を良好にしよう」という意志が相手に伝わり、実際にその関係を良くすることができるのです。
2:ここでおさらい!二重敬語とは?
同じ種類の敬語を重ねて使うことを、“二重敬語”とよんでいます。
「おっしゃる」と「れる」という尊敬語を重ねた「おっしゃられる」や、「参上」と「ご〜する」という謙譲語を重ねた「ご参上する」などが、これにあたります。
「ご参上する」を使う人はあまりいないかもしれませんが、「おっしゃられる」は、よく耳にするのではないでしょうか?
敬語には、3つの種類があります。
(1)相手への敬意を表す尊敬語
(2)自分がへりくだることで間接的に敬意を表す謙譲語
(3)丁寧な表現をすることで敬意を表す丁寧語
の3種類です。小学校や中学校の国語の時間に習いましたよね。
これらの敬語を重ねて使う「二重敬語」は“誤り”なので、注意が必要です。
3:よくある二重敬語の誤用例5つ!上品なつもりで赤恥!
ではここで、よくある二重敬語の誤った使い方を紹介します。あなたは使っていませんか?
(1)お召し上がりになられますか?
よく聞くこの言葉、実は3つの敬語表現が使われています。
「お〜になる」という尊敬語の敬語表現、「飲む」「食べる」 の尊敬語の「召し上がる」、尊敬語の助動詞「られる」です。
正しい敬語表現は「召し上がりますか」です。
(2)お越しになられる
これも、よく使うのではないでしょうか。普段の言葉に、「お」や「ご」をつけると丁寧になる(=敬語になる)と考えている人が多いかもしれません。
ですが、「お〜になる」「ご〜になる」だけで上の(1)と同様の尊敬語の敬語表現になります。「お越しになられる」の場合、実は「なられる」も尊敬語の敬語表現ですので、これは二重敬語なんです。
正しくは、「お越しになる」です。
(3)お帰りになられる
「お帰りになられる」も、「お越しになられる」と同じ二重敬語の誤りです。正しくは、「お帰りになる」です。
「お越しになられる」も「お帰りになられる」も、みんなが使っているからいいじゃないか?と思う人がいるかもしれません。
ですが、みんなが誤って使っているからこそ正しく使えば、「あ、この女性は正しい言葉使いができる人なんだ」と目立つことができ、結果モテるワケです。
(4)うかがわせていただきます
さて、この言葉のどこが二重敬語なのか? そろそろ、わかりはじめた人も、そうでない人もいるでしょう。
この、「うかがわせていただきます」という言葉は、「うかがわせて」という部分も、「いただきます」という部分も謙譲語なんです。つまりは、典型的な二重敬語です。正しくは、「うかがいます」です。
(5)おっしゃられる
「おっしゃられる」という言葉もよく聞きますが、これも典型的な二重敬語です。
「おっしゃ」までの部分と「られる」という部分が、両方とも敬語表現なんです。なので、正しくは「おっしゃる」なんです。
4:実は二重敬語…だけど許容されている言葉使い
本当は二重敬語なんだけれど、許容されている言葉使いというのは、あるのかないのか?
実は、これはとても難しい問題です。というのも、「言葉は生もの」と言われるように、時代とともに変化します。
若者言葉というカタチで、新しい言い回しが出てきたり、ここ数十年では「ら抜き言葉」というのが問題になりましたが、それも世の中に受容されてきたようにも感じます。
文化庁が「敬語の指針」で、次のように述べています。
世代や性によって敬語の使い方や考え方に違いがあることについては,1つ1つの言葉使いを敬語使用の現状や現代の規範に照らして、吟味しながら受け止める姿勢が必要である。同時に、敬語を、世代や性による画一的な枠組みによるのではなく、「自己表現」として選ぶという姿勢や工夫も必要である。
出典:文化庁ホームページ
つまり、敬語は画一的なものではなく、世代や性別、場合によっては地域によっても違うのではないかということ。しかし、だからといって二重敬語は、決して“正しい”言葉使いではありません。
みんなが誤って使っているからこそ正しく使えば、「あ、この女性は正しい言葉使いができる人なんだ」と目立ちます。「許容されているからいいか」などと考えるのはやめましょうね。
5:まとめ
敬語は、難しいです。ですが、重要なことは、言葉を用いるときに、人と人との相互の尊重の気持ちを忘れないことです。
これさえ忘れなければ、正しい言葉使いができなかったとしても、相手に不快な思いをさせることはありませんし、人間関係がダメになるということもありません。ただし、繰り返しになりますが、正しい言葉使いができた方が、「モテ」には有利に働くことも忘れずにいてくださいね。
【引用】