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平安美人と言われた…ブスってこと?平安美人な芸能人で検証してみよう!

平松隆円

平松隆円R.Hiramatsu

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1:平安美人は誉め言葉?本当にあんな人はいたのか

もしあなたが、「小野小町みたいに美人だよね」と言われたら、喜ぶでしょうか? 「はい」という人は、いないかもしれませんね。

というのも、「じゃあ、平安時代の人ってどんな顔だったんだろう」と調べてみると、目が細くて、かぎ鼻のちっさい鼻、おちょぼ口で、頬のあたりが下膨れしている顔の絵画がでてくるから。

ちょうど、お正月に遊ぶ『小倉百人一首』に描かれている女性の顔です。お世辞にも美人とは言えませんよね。

大学で化粧文化論や美容文化論を教えている筆者ですが、授業をしていると必ずといっていいほど、「あんな(『小倉百人一首』ような)顔の人が本当にいたのか?」「なぜ、あんな顔を美人だと思っていたのか?」という質問が学生からでてきます。

そんな質問に対して筆者は、「あんな顔の人はいなかった可能性が高い」と「ああいう(『小倉百人一首』ような)顔を美人だと思っていた可能性は高い」と答えます。

 

2:平安美人の条件は?芸能人でいうとこの人!

今年は明治維新150年ということでなにかと話題ですが、150年前というと徳川幕府が終わり、日本が近代化を迎え、明治になった年です。

その頃に描かれた絵画を見たことがある人もいるでしょう。そんな人は、「徳川時代(=江戸時代)の終わり頃や明治の最初の頃は、今の日本人と顔がだいぶん違うんだな」と思ったかもしれません。

ですが、同じ頃に欧米人によって撮影された日本人の写真を見ると、「今の日本人の顔とそんなに変わらない」とか「今でも十分に通用するくらいイケメン」だと思う人もいます。

生活環境によって、顔の形状は多少変化(顎が小さくなったり)してきますが、たかだか100年や200年で人の顔はそんなには変わらないんです。つまり、平安時代でも今の日本人と同じ様な顔の人がいても、不思議ではないということです。

(1)平安美人の秘密

では、なぜ実際とは違う顔が絵画には描かれたのか? それは、そういう顔を美的に感じていたから。たとえば、少女マンガで、目が顔の半分くらいまで誇張して描かれることがありますが、現実にはそんな顔の人はいませんよね。ですが、現代の私たちは、そういう顔を「かわいい」と感じます。つまり、『小倉百人一首』に描かれた顔というのは少女マンガと同じなんです。

となると、平安時代の美人の特徴といえば、目が細くて、かぎ鼻のちっさい鼻、おちょぼ口で、頬のあたりが下膨れしている顔ということになります。

ですが、実際に大学で文献などを調べて研究をしてみると、平安時代の美人特徴は大きく2つ。“髪が長くてキレイなこと”と、“肌が白いこと”なんです。

というのも、女性だとわかりますが、仕事や家事が多忙だったりすると、髪が長いと邪魔になったり、日焼けしたりしますよね。逆にいえば、髪が長くてキレイで、肌が白いというのは、自分は何もしなくていいセレブの証。身分が高いことを意味していたんです。

(2)平安美人な芸能人

では、「髪が長くてキレイで、肌が白い」という平安美人の条件にあてはまるのはどんな人でしょうか? 女性芸能人で考えてみましょう。

1.黒木華

「平安美人」といわれて真っ先に思いつくのが、黒木華さん。薄めの顔立ちもさることながら、色白で、キレイな黒髪、そして瓜実型(うりざねがた)の丸みのある顔立ちは、平安時代でも美人と称されたでしょう。

2.蓮佛美沙子

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良家のお嬢さま役を演じているイメージの強い蓮佛美沙子さんもまた、色白かつ黒髪の現代版・平安美人。

3.麻生久美子

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よく平安美人の条件と言われる瓜実顔ではないですが、 色白で黒髪の日本人的な美人である麻生さん。年齢を重ねてもまったく変わらないのが魅力です。

 

3:「昔の美人は今のブス」は間違いです!

いつの時代でも、「誰が見ても絶対的な美人」というのは存在しますが、多くの場合、美人かどうかを判断する基準は絶対的なものではなく、文化や社会が決めます。

たとえば、この2018年でも日本人の思う美人と、インド人の考える美人と、アメリカ人の考える美人は、違いますよね。また、同じ日本人でも、2018年に人気のあるアイドルとわずか30年前の1988年の人気のあった美人は顔立ちが異なります。今から考えると、「なんであんな人がアイドルだったの?」と思うことも珍しくありません。

逆にいえば、今は美人だとされている顔が将来も美人かどうかはわからないんです。それは不美人であるブスも同じことなんです。

だから、本当は容姿で悩む必要なんてないんです。「今の時代に私の顔が追いついていないんだ」くらいに気軽に考えればいいんです。