掲載
更新
夜中に目が覚める原因とは…?夜中に目が覚めて眠れないときの対処法
月島もんもんM.Tsukishima
目次
隠す1:夜中同じ時間に目が覚める…眠れないのはうつ?2時間おきに目が覚める病気とは
「夜中に何度も目が覚める」という方。朝起きたとき、寝不足によるダルさを感じますよね?
最近の異常な暑さによる寝苦しさが原因かもしれません。でも、気温が落ち着けば問題ないだろうと、高を括ってしまうのは早計かも。もしかすると、深刻な症状である場合も……。
なぜなら、“うつ”が関係しているかもしれないからです。うつの典型的な症状のひとつとして、不眠が挙げられます。もし、症状に改善が見られない場合や、だんだんひどくなっていると感じる場合は、専門家に相談するべきでしょう。
2:夜中に何度も目が覚めるのはストレス?夜中に目が覚める原因3つ
夜中に目が覚めてしまう症状は、不眠のなかでも「中途覚醒」と呼ばれるもの。質の高い睡眠を取るためにも、原因は明確にしておくべきでしょう。
そこで、夜中に何度も目が覚めてしまう症状について、考えられる原因を、医師の小田切ヨシカズ先生に伺ってきました。
(1)加齢
小田切:睡眠の種類は、レム睡眠とノンレム睡眠に分けられます。レム睡眠というのは、脳がまだ働いている状態で眠りは浅い。それに対してノンレム睡眠は、脳が休息している状態であり眠りは深い。
要するに、眠りの浅いレム睡眠は、目が覚めやすい状態ということになります。
寝ている間はこのレム睡眠とノンレム睡眠が交互に訪れ、周期はだいたい90分とされています。ただし年齢を重ねるほどに、レム睡眠の時間が長くなる傾向にあります。そのため、必然的に高齢の方は目が覚めやすくなり、中途覚醒を起こす可能性が高いといえます。
(2)ストレス
小田切:強いストレスを受けることで、自律神経に乱れが生じるのも、中途覚醒を起こす要因となります。
自律神経には、交感神経と副交感神経があり、交感神経が優位に働いているときは興奮や活動を促し、副交感神経が優位なときは精神的に安定して、リラックス状態となります。
通常、睡眠時は副交感神経が優位になっていなければいけませんが、強いストレスを受けるとこのバランスが崩れ、交感神経が活発になり、興奮が眠りを妨げてしまうことに。すると、すんなりと寝つけなかったり、寝ていても目が覚めてしまったりする訳です。
(3)アルコール
小田切:睡眠を誘発するようにも思えるアルコールですが、実は睡眠を妨げてしまう場合もあります。
確かに、アルコールを摂取すると血管が拡張して体温が下がり、眠くなりやすくなります。しかし、アルコールの分解が進むと、体内でアセトアルデヒドという物質が発生。それが、交感神経を刺激してしまいます。
するとやはり脳の働きが活発になり、目が覚めやすくなってしまうのです。
3:夜中に目が覚めたら…?夜中に目が覚めて眠れないときの対処法3つ
では次に、目が覚めて眠れないときにどうしたらいいのか? 引き続き、小田切先生にお聞きしましょう。
(1)深く考えない
小田切:睡眠の大敵はストレスです。夜中に目が覚めてしまい、「早く寝なきゃ」と焦ってしまうと、その緊張から交感神経が優位となってしまい、興奮状態となってますます眠れなくなります。
ですから、目が覚めてもあまり深く考えないようにしましょう。「眠れなくてもいいや」ぐらいスタンスで横になっていてください。時計を見ると焦る要因となるので、無視したほうがいいかもしれません。
リラックス状態を促すためには、寝る前にお風呂でぬるめのお湯にゆっくり浸かったり、ストレッチをしてカラダをほぐしたりすると効果が期待できます。
(2)温かい飲みものを飲む
小田切:眠れないときにやってしまいがちなのが、飲酒です。しかし、前述の通り、お酒は一時は眠りやすくはなるものの、時間が経つと目が覚めやすくなるという欠点があります。
逆に摂るべきなのは、温かい飲みもの。特にホットミルクがお勧めです。カラダが温まることでリラックスした状態となり、眠りにつきやすくなります。コーヒーや紅茶にはカフェインが含まれているので、避けたほうがいいかもしれませんね。
(3)スマホを見ない
小田切:これもついやってしまいがちでしょう。スマートフォンを見るという行為。時間を見ることで焦りが生じるというのも原因となりますが、それだけではありません。
スマートフォンなどの電子機器からは、ブルーライトという光が発せられています。ブルーライトには、睡眠を促すホルモンとして知られるメラトニンの分泌を妨げてしまう働きがあるのです。
だから夜中に起きてしまったときだけではなく、就寝の1時間ぐらい前から、なるべく見ないほうがいいでしょう。
4:不眠とうつ病の相関関係
いかがでしたか? 小田切先生曰く「不眠とうつ病は、非常に相関関係が強い」そうです。うつ病の症状のひとつとして不眠症がありますが、逆に、不眠症からうつ病を発症するケースもあるそう。
だから、「夜中に目が覚めて眠れない……」という状態を甘く考えてはいけません。しかしながらそれを深刻に受け止め、日々の生活から改善しなきゃ……と思い込んでしまうと、余計プレッシャーがかかって、さらに眠れなくなる可能性があります。
あまり深く考えず、ちゃんと日中活動して、夜に眠くなったときに寝る……ぐらいのほうが体にはいいのかもしれませんね。
【取材協力】
小田切ヨシカズ・・・湘南育ちのサーファー医師。ワークライフバランス重視。現在、横浜の内科クリニックに勤務中。