熟年離婚になる原因とは?熟年離婚したいと思ったときの準備とその末路

長年連れ添った夫婦の離婚……それが熟年離婚です。長い時間を共に過ごしたからこそ、逆に恨みつらみが積み重なっていく、という側面もあるのでしょう。そんな離婚の原因は、どんなものがあるのか、気になります。そこで今回は、「熟年離婚」を大特集。熟年離婚したいと思ったときの準備と、その末路をお届けします。
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1:熟年離婚とは?

「熟年離婚」という言葉は、ここ最近になってメジャーになりつつあります。

ここで改めて言葉の意味をおさらいしておくと、「熟年」とは、下記の通りです。

じゅく‐ねん【熟年】

人生の中で、成熟した年代。1970年ごろにつくられた語で、はじめ老年の意、次いで中高年の意で用いられるようになった。「熟年層」

出典:デジタル大辞泉/小学館

つまり、人生も成熟してきた世代になってから離婚することを「熟年離婚」と言うのですね。

2:夫から…熟年離婚の原因・理由5選

さて、熟年離婚した夫婦に話を聞いてみると、夫から離婚を申し出たケースもあります。そこで、夫から熟年離婚を申し出た人に、その理由を尋ねてみました。

(1)妻が浮気

「うちの場合は、妻が浮気をしていたので、僕から離婚を切り出しました。

相手は、妻が通っているスポーツジムで会った同世代の男でした。なんか様子が変だなと思ったので、探偵を依頼してみたんです。ちょっとした火遊びみたいなものだったら、注意してやろうと思っていたんですが、想像以上にディープな証拠が出てきてどうにも許せなくなり、年齢のこともあって悩みましたが、悩んだ末、別れました。

妻に退職金を渡したくなかったから、定年前に駆け込みで離婚することになりましたね」(Hさん・59歳男性)

(2)価値観の違い

「妻とは、結婚当初から価値観が違いすぎると思っていましたが、子どもがいたので、成人するまでは別れないよう、決めてました。

晴れて子どもが成人したので、第二の人生を歩みたいと妻に切り出したところ、妻も同じように思っていたようで、あっけなく離婚が成立しました」(Tさん・53歳男性)

(3)他に好きな人ができた

「妻には本当に申し訳なく思っていますが、お恥ずかしながら、60歳を目前にして本気で好きな女性に出会ってしまったんです。

相手の女性も、出会った当時は結婚していました。

お互い既婚者ということで、健全な付き合いを続けていたんですが、やはり気持ちを抑えられなくなり、どうしてもその人と第二の人生を歩みたくなったんです。

妻には本当のことをすべて話し、離婚に至りました。相手の女性も離婚しましたが、僕らは再婚するかは決めていなくて、今は恋愛を楽しんでいます」(Eさん・57歳男性)

(4)お金の問題

「僕が事業で大コケしてしまい、家族に迷惑をかけたくなかったために離婚を選びました。経営していた会社の業績が悪化し、気づけば借金まみれで、どうにもならなくなってしまったんです。

妻は"一緒にがんばりたい"と言ってくれましたが、いろいろな人に不義理もしてきていたので、僕と一緒にいても迷惑をかけるばかりだろうと思い、無理矢理、離婚しました」(Uさん・60歳男性)

(5)どうしても添い遂げたくなかった

「これといった決定打の理由はないんですが、とにかく妻と添い遂げたくなかったのが離婚の理由です。

どんな人と結婚しても、合わないところはあると理解してますが、妻とはどうしても、リタイア後の幸せな生活が描けなかったです」(Iさん・58歳男性)

 

3:妻から…熟年離婚の原因・理由5選

反対に、妻から離婚を切り出して、「熟年離婚」に至ったケースもあります。実際に、そういった経験をした方々に、お話をうかがいました。

(1)過去の浮気の制裁

「当時の夫には、結婚をした30代から、わかっているだけでも3回は浮気されていて、裏切り行為が発覚するたびに、“いつか制裁を下す”って決めていました。

でも、子どもが独り立ちをするまでは離婚したくなかったので、ひとりっ子である息子が結婚するまでの間、ずっと辛抱していたんです。

晴れて息子が結婚し、夫婦だけになったときに、予定していたとおりに家を出て、離婚を申し出ました」(Sさん・63歳女性)

(2)親族からの嫌がらせに限界を感じた

「結婚当初から姑や小姑、その他、夫の親族からの嫌がらせが激しかったんです。とはいえ、そんなことはどこの家庭でも、多かれ少なかれあると思いましたし、“姑が他界すれば変わるだろう”と、なんとか我慢してきました。

でも実際には、姑がいなくなったあとに、小姑からの嫌がらせが激化。さらに従姉妹など、他の親族も何かと言えば私に嫌がらせをしてきて、ほとほと疲れ果てました。

私の人生の大半を、夫の家族のせいで犠牲にしたくないという思いが年々強くなり、結局、離婚に踏み切りました」(Yさん・59歳女性)

(3)自分の病気

「50代になってすぐ、自分に病気が発覚しました。

治療してすぐに治るようなものではなく、長期戦になるのを覚悟する必要があったのですが、夫は家のことも何もしないですし、機嫌が悪いときは暴力を振るうような古いタイプの人間でした。

そんな夫と暮らしていては、治るものも治らなくなると思い、治療を穏やかな環境でできるよう、夫を説得し、なんとか離婚してもらいました」(Aさん・55歳女性)

(4)横暴な夫に嫌気がさした

「20代で結婚したのですが、30代のころから何度となく離婚を考えてきました。

元夫は今で言うモラハラタイプで、気に入らないことがあると怒鳴ったり、ペットや物に当たるのも日常茶飯事。

子どもに恵まれず、なんだかんだで20年ふたりで暮らしましたが、“私はこのまま、この人と一生を終えて、幸せなんだろうか……”と考えたときに、どうしても離れたくて仕方なくなったんです。

離婚すれば生活は困窮するのがわかっていましたが、それでも別々に生きる道を選んだ今のほうが、幸せです」(Cさん・49歳女性)

(5)他に女性がいた

「浮気とは無縁だと思っていた夫の裏切りが発覚したのが、ちょうど私が50歳のときでした。

なんと、すでに15年間も付き合っているということで、相手の女性との間には、認知した子どもの存在まであったんです。

真面目一辺倒だと思っていた夫が、そんな大胆なことをしていたなんて驚くとともに、長い間裏切られていたショックが大きすぎました。

現実を受け入れようと努力をしましたが、どうしても思うようにならず、私は“うつ”を発症してしまい……。

もう、別れたほうが自分のためかも!と決断し、勇気を出して離婚に踏み切りました」(Kさん・53歳女性)

 

4:熟年離婚したいと思ったら…準備や考えるべきこと5選

さて、熟年離婚を考えたときには、やっておきべき準備や考えておくべきことはたくさんあります。そこで、一般的なものを厳選して、ご紹介します。

(1)年金分割手続きの確認

結婚していた期間に応じて、年金の分割制度によって離婚後に夫の年金を妻が受け取れる制度があります。

この制度には、夫婦が合意によって行うことが必要になる「合意分割」と呼ばれるものと、「3号分割」と呼ばれる結婚期間中の第3号の被保険者(専業主婦)を対象とした合意不要の制度があります。

それぞれ、どのようなケースに適用されるのかを確認しましょう。

(2)財産分与でもらえる額の試算

結婚していた期間(婚姻期間)に応じて、夫婦で築いた財産を分与する制度があるため、長く結婚していた夫婦ほど、離婚の際には分与する財産も多くなります。

(3)退職金について

退職金も財産分与の対象となるので、婚姻期間に応じて、相手の退職金を受け取ることができるのが一般的です。

離婚したのが退職金を受け取る前であっても、熟年離婚の場合、受け取りがそう遠い将来ではないために、婚姻期間に応じた割合は、財産分与の対象になる可能性があります。

(4)子どもへの説明

子どもに対し、離婚をどう説明するかも、親としてはちゃんと考えておくべきテーマです。

すでに子どもが成人していたとしても「今になって離婚するの!?」と、戸惑われることも少なくありません。

離婚後、それぞれとどういう付き合いをしていくかを含め、子どもとも一度きちんと話し合ったほうが安心です。

(5)離婚後の生活

離婚したあとの生活をどうしていくかについても、離婚前にじっくり考えておく必要があります。

住まいはどうするのか、生活費などの金銭面はどうするのか、また仕事をするのか、仕事をするならどんな仕事に就けそうなのか、など具体的にひとつずつ整理して考えていくといいでしょう。

 

5:熟年離婚の末路は?それぞれの熟年離婚のその後5選

熟年離婚を経た人のその後の人生は、まさに悲喜こもごも。そこで、5名の熟年離婚経験者にそれぞれの現状を語っていただきました。

(1)おおむね満足

「3年前に離婚して、今はひとり暮らしですが、生活にはおおむね満足です。

妻が出て行ったときには最初こそ寂しかったですけど、趣味の釣りに没頭できていて、なかなか楽しい毎日です」(Tさん・63歳男性)

(2)寂しくて仕方ない

「夫の浮気を理由に離婚しましたが、今となっては少し後悔しています。

あのときは、長年尽くしてきた夫の裏切りが許せない気持ちが強く、半ば強行突破で離婚しました。ひとりになってみてもう3年ですが、毎日晩御飯をひとりで食べるたびに、“ちょっと早まってしまたかしら……”と思っています」(Mさん・55歳女性)

(3)思ったより楽しくなかった

「横暴で浮気癖もある夫と別れ、最初はせいせいしていたのですが、その後、親しくなった男性も、みんな似たり寄ったりで……。

今では、“もう男の人はこりごりだな”って思っていて恋愛する気にはなれません。離婚後の生活は想像していたよりも楽しくありません」(Aさん・52歳女性)

(4)子どもと疎遠に

「僕が原因で離婚したせいで、子どもと疎遠になりました。

孫も生まれたので、もっと頻繁に会いたいんですが、離婚をしたこともあって、子どもが寄り付いてくれません。

周りの仲間からは、子どもが孫を連れて家に遊びにきてくれている話をよく聞くので、離婚のせいとはいえ、孤独を感じますね」(Eさん・61歳男性)

(5)浮気相手とも別れ、ひとりです

「自分の浮気のせいで、最終的に妻から三行半を突き付けられました。そして離婚から半年後、浮気相手の女性とも別れました。

浮気相手を清算したのは、人生をリセットしたいと思った自分の決断ですが、結婚していたときのほうが張り合いがありましたね」(Yさん・58歳男性)

 

6:熟年離婚を考えても慎重に決断を

「熟年離婚した」と聞いてもさほど驚かなくなったほど、この言葉も昨今では定着しつつあります。

しかし長く連れ添った相手と別々の道を歩むには、それ相応の覚悟が必要なのは言うまでもありません。

特に、離婚後の生活が、それまでのものや想像していたものとのギャップも多いのが、熟年離婚後に起こりうるケース。

決断は慎重に慎重を重ねた末にするのがいいでしょう。