人を好きになる方法がわからない…本気で人を好きになれない人の理由と対処法

「人を好きになる」というのは、改めて考えてみると、一体どういうメカニズムなのでしょうか? 「あまり人を好きになることがない」という人もいますが、そういう人は、どうすれば人を好きになることができるのでしょうか。今回は、そんな恋愛の基本的な事柄に迫ってみたいと思います。
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1:人を好きになりたいし好かれたい

当たり前のことですが、誰だって人に好かれたいと思いますよね。この好かれたいという感情、逆にいえば好きという感情は、なかなか厄介なものです。

というのも、「食べ物の○○が好き」というのときの“好き”と、「○○くんのことが好き」の“好き”は、同じ好きでも内容がまったく違うからです。食べ物が好きという感情がどういうものかは簡単に説明できるでしょうが、なかなか人に対する“好き”は説明しにくいものです。

(1)LOVEとLIKEはどう違う?

アメリカの社会心理学者であるジック・ルービンは、今から50年ほど近く前に、好意の感情(LIKE)恋愛の感情(LOVE)を分けて研究をおこないました。それによると、「友人関係には好意の感情だけが存在し、恋人関係では好意の感情に加えて恋愛の感情も存在する」ということが明らかになっています。

つまり、友達としての好きと恋人としての好きは、重なる部分があるわけです。その理由を、進化心理学の立場から説明してみましょう。

(2)「好き」という感情の正体

恋愛にまつわる心理学を研究するとき、「社会心理学」や「進化心理学」という学問の研究結果を参考にすることがあります。

進化心理学で「好き」という感情を考えると、ルービンのいう「好意の感情」は恋愛関係に限定されたものではなく、人が生きていく上で必要な信頼できる他者を見極めたり、安定的な協力関係を築いていくために生まれた感情だとされています。また恋愛の感情は、異性と親密な関係を形成し、子孫を残していくために生まれた感情だとされています。

当然、生まれた子孫を育てていくためには、パートナーが信頼できる相手なのか、安定的な協力関係を築ける相手なのかという点も重要ですよね。その意味で、「友達としての好き」と「恋人としての好き」は、重なる部分があるわけです。

 

2:本気で人を好きになれないのはトラウマ?心理や理由

「人を本気で好きになれない」というのも、友達としての好きなのか、恋人としての好きなのかによって違うため、簡単にひとくくりにはできません。

そこで、好意と恋愛に分けて、考えてみましょう

(1)好意の感情がわかない理由は?

「好意の感情がわかない」と書きましたが、まったくわかないという人もいれば、わいてもすぐに冷めてしまうという人もいるでしょう。

人が生きていく上で必要な信頼できる他者を見極めたり、安定的な協力関係を築いていくために生まれた感情が「好意の感情」だとするならば、好意の感情がわかないということは、周囲の人を信頼できると思えなかったり、安定した関係になれないと思ってしまうからかもしれません。

この原因はさまざまですが、ひとつには乳幼児期の愛着行動(アタッチメント行動)が影響しているかもしれません。乳幼児期に人は、自分と周囲の人との関係や外の世界とのつながりを意識します。「泣くのは赤ん坊の仕事」なんて言う人もいますが、乳幼児期に子どもは泣いて周囲の大人から手をさしのべてもらう体験(=愛着行動)を通じて、自分は愛される価値のある人間なんだと思うようになります。

この体験がうまくいかないと、大人になっても「自分は愛される価値がない」とか、「この人は、今は私の側にいるが、どうせすぐに私を捨てる」と思うようになっていきます。人間関係に期待せず、半ば投げやりになっているので、人を好きになることが難しくなってしまうのです。

(2)恋愛の感情がわかない理由は?

恋愛の感情がわかない理由は、何らかのトラウマのせいと考える人もいるかもしれませんが、そうでない場合もあります。

これまでの研究では、恋愛というのは基本的には異性間で成立するものとして考えられてきました。仮に、同性間であったとしても、相手を身体的にも精神的にも激しく求めるような感情が恋愛の感情だというのが前提としてあります。

ですが最近では、セクシャリティの研究から、男性だろうと女性だろうとそれ以外の人だろうと、他者に対して恒常的に恋愛感情や性的欲求を抱くことがないシュル (Asexual)の存在もわかっています。

「なぜ、シュルな人がいるのか?」と思うかもしれません。ですが、その疑問は、人は恋愛感情や性的欲求を抱いて当たり前だという先入観(ステレオタイプ)があるからです。別の言い方をすれば、異性愛こそ当たり前だという先入観を持っていると、「どうして同性愛者なんているんだ」と思ってしまうのと同じなんです。

恋愛感情がわかないことは、異常なことではなく、多種多様な人間の中にはそういう人もいる、というだけのこと。もし、あなたの周囲に人を好きになれない人がいても「きっと、トラウマを抱えているにちがいない」と決めつけるのはよくないでしょう。

 

3:人を好きになるには?その方法

世の中にはそんなシュルな人もいるので、恋愛の感情という点では、無理をして人を好きになる努力は必要ないかもしれません。アセクシュアルな友達に対して、「付き合ってみたら、好きになるかもしれないよ」と強要したとすれば、それは大きな問題ですよね。

また、好意の感情がわかない人がそれを克服するといっても、なかなか簡単な問題ではありません。友人としても、恋人としても、本当に相思相愛で思いやれるパートナーが現れれば、「自分は愛される価値がある人間なんだ」というように、思考を変えていくことができるでしょう。ですがそれでも、昨日今日で考え方を変えていくのは容易なことではありません。

 

4:まとめ

「人を好きになる方法がわからない」という人は、「無理して人を好きになる必要はない」と考えてみてください。人を好きにならないといけないと思うから、人を好きになる方法がわからないと悩むわけです。

無理をやめれば、いずれそのうち自然と好きと思える人ができるかもしれませんよ。