目次
1:八つ当たりの意味!英語や語源は?
「彼氏が仕事で嫌なことがあったからって八つ当たりされて、たまったもんじゃない!」なんていう会話をよく聞きますが、そもそも八つ当たりの正しい意味はわかりますか?
(1)八つ当たりの意味と語源は?
八つ当たりの辞書の意味は、下記の通りです。
やつ‐あたり【八つ当(た)り】
腹を立てて、関係のない人にまで当たり散らすこと。
(出典:デジタル大辞泉/小学館)
では、なぜ「八つ」なのか? 8回当たり散らすことではなさそうですよね。そこで「八」の意味を辞書で調べてみると、
名詞の上に付けて、数量が多いことを表す。
【出典:デジタル大辞泉(小学館)】
「八」には、単純に数字の8のほかに、数が多いことを表す意味も持っていました。例えば、神様のことを「八百万の神」って言いますよね。これは「非常に多く」という意味ですよね。
また、「八方美人」や、「四方八方」などの言葉でもわかるように、「周り全部に満遍なく」という意味もあるようです。
(2)八つ当たりを英語で言うと?
英語にも八つ当たりって表現はあるのでしょうか?
「八つ当たりする」を英語にすると「take it out on~」となります。たとえば、「私に八つ当たりしないで」と言いたいときには、「Don’t take it out on me.」と表現しましょう。
2:甘えてるの?八つ当たりする人の心理と特徴8つ
それでは、八つ当たりしてしまう人ってどんな気持ちで八つ当たりしているのでしょうか。心理学を学んできた筆者が、その特徴や心理を紹介します。
(1)問題解決能力が低い
人は年齢を重ねるにつれ、精神的にも大人になってくるものです。それはさまざまな問題に直面するたびに、どうすれば問題を回避できるかを考え、それを回避するためにさまざまな努力や行動をするからです。
ですが、この問題解決を自力で行ってこなかった場合は、問題解決能力が高くなることはありません。問題にぶつかるたびに、誰かのせいにして逃れてきたり、考えるのを放棄してきたりした人は、どうしようもなくなったときに周囲に感情をぶちまけることでなんとかしようとします。これが八つ当たりとなるのです。
(2)パニックになりやすい
八つ当たりしやすい人は、自分のキャパシティーを超えた状況に出会うと、どうしたらいいかわからなくなって、パニックに陥ってしまうことも多いです。
こういう人はパニックになった結果、身近な人に八つ当たりをしてしまいます。一度冷静になればそれほど大したことではなくても、本人にとっては大きな脅威から逃れる方法なのです。
(3)怒られるのが怖い
八つ当たりをする理由として、自分が怒られたくないからというものもありますよね。例えば、仕事で失敗したことを自分の責任にされることが怖くて、「○○さんがしっかりしてくれないから」などと言ってしまうような場面です。
本当は自分のせいだとわかっているのに、それを認められなかったり、認めると自分が責任を問われたり、怒られたりしてしまうと考えると、怖くて八つ当たりをしてしまうのです。
(4)自信がない
自信がない人も八つ当たりをしてしまうことがあります。これも先ほどと同じように、非難されたくないという心理から発することが多いです。
自信がない人が八つ当たりする場合の対象は、自分より立場の弱い人や、自分のことを絶対に守ってくれる人などに限られ、八つ当たりすると冷静に反論してくる人などには八つ当たりをしません。
(5)感情を外に出すのがうまくない
感情を外に出すことがうまくできない結果、八つ当たりになってしまうこともあります。多少の不満や不安などは、自分の中に持っていてもなんとか折り合いをつけていけます。しかし、それが限界を超えた瞬間、八つ当たりとして周りに当たり散らしてしまうのです。
普段は大人しくて、あまり負の感情を外に出さないタイプが、こんなふうに八つ当たりをしてしまうのを見た経験がある人もいるのでは?
(6)ワガママ
ワガママから八つ当たりをするケースもあります。例えば親や男性たちにずっとチヤホヤされていて、癇癪を起しても、「わかったわかった。どうしてほしいの?」などと、いつも助けてもらった経験しかない人は、困ったことがあれば周囲に当たれば良いと学習してしまいます。
この場合は、自分が八つ当たりをしていると気づいていないことも多いかもしれません。
(7)不満を溜め込みやすい
不満をいつも抱えている人は、身内や、身近な関係の人の前でだけ自分の素直な感情を出すことができ、それが八つ当たりとなってしまうことも。
不満は持ったときに、冷静になって原因を突き止めたり、場合によっては相手に改善を求めたりすることで軽減できます。ですが、そのようなことをせずに不満を不満のまま自分の中に溜め込んだ結果、それが爆発してしまうのです。
(8)ストレス発散が下手
八つ当たりは、人を巻き込んだストレス発散方法といっても過言ではありません。ストレス発散のために八つ当たりされた方はたまったものではありません。ですが、普段から適度にストレスを発散していないと、つい当たりやすそうな人を見つけたときに、当たってしまうということも、
八つ当たりをして、関係を壊さないようにするためにも、自分ひとりでできるストレス発散方法をしっかり持っておきたいですね。
3:八つ当たりされやすい人の特徴5つ
逆に八つ当たりをされやすい人ってどんな人なのでしょうか。こちらも解説していきます。
(1)大人しい
八つ当たりしたいと思いながら、周りを見渡したときに、標的にされやすいのは大人しいタイプの人です。いつもニコニコ笑顔でいる人になら、「ちょっとくらい何か言ったって平気そう」と思われてしまうのです。
ただし、こういう人でも八つ当たりされたときに一度でもキレて感情を露わにすると、次からは八つ当たり対象とみなされなくなることもあります。
(2)いつも冷静で怒らない
いつも冷静で怒らないタイプの人は、八つ当たりしても包容力で受け止めてくれそうと思われて、八つ当たりされてしまいがちに。
とはいえ、見た目が冷静で怒っていないように見えても、実際の心の中はわかりませんよね……。
(3)逃げない
誰かがイライラしているなと感じたら、そっとその場から立ち去るという人は多いのではないでしょうか。これは八つ当たりされるかもと予感しているからですよね。
ですが、このときに逃げないでその場にい続けてしまうと、八つ当たり対象とみなされることも。その場合、八つ当たりする方の理由は、本当に「ただ目の前にいただけ」という理由なので、相当理不尽な八つ当たりになります。
(4)誰にでも優しい
誰にでも優しいことは美徳ですが、いつも優しくしてくれる人には、人は甘えたくなってしまいます。特に自分がパニックになって、どうしたらいいのかわからず動揺してしまった……。そんな状態で優しく接してくれる人に出会うと、素直に甘えるという行動ではなく、八つ当たりという行動で甘えてしまうのです。
優しいのに八つ当たりされるなんて、理不尽きわまりないですよね。
(5)下に見られている
正直に言って、なめられていると八つ当たりもされやすくなるでしょう。八つ当たりでストレスを発散するためには、相手に言い返されないという自信がなければいけません。
ですから、八つ当たりをするほうも、相手が自分より上か下かを常に判断しているものです。下だと思われていると、「ちょっとくらい八つ当たりしてもいいだろう」と不当な怒りをぶつけられてしまいます。
4:八つ当たりされたら?八つ当たりへの対処法5つ
最後に八つ当たりされたときの対処法について紹介します。こちらは男性たちに実際にどうしているかを聞いてみました。
(1)適当に受け流す
「八つ当たりしてくる人なんて、相手にしていても時間の無駄。なので、適当に受け流すのがいちばんでしょう。相手だって自分の怒りが正当なものだと思っていないでしょうし、適当にしていたら、あとから“この前はごめん”と謝ってくることが多いですよ」(Tさん・31歳男性)
(2)冷静に対処方法を考える
「私の場合、八つ当たりの原因になっている問題が見えている場合には、一緒に問題に対処することで相手の混乱を解消する手伝いをすることもあります。まぁ、そんなふうにしてまでケアしてあげないと思えない相手なら、聞こえていないフリや見えていないフリをしますけど」(Sさん・32歳男性)
(3)ハッキリ拒む
「八つ当たりしている人って、自分が八つ当たりしていることにも気づいていない場合がありますよね。そんなことを繰り返していたら、人間関係も良好に保てません。なので、八つ当たりされた場合には、“それ八つ当たりだよね?”ってハッキリ拒むことが多いですね。それで、繰り返し八つ当たりしてくる可能性はかなり低くなります」(Nさん・45歳男性)
(4)無視する
「もう無視でいいんじゃないですか? 八つ当たりなんて一時の感情の爆発だから、そんなに長く続くことはまれですし。彼女から八つ当たりされたときには、無視しておいて、長く続きそうなら、“今日はもう帰るね”とひと言だけいうと効果てきめんですよ。
その場で謝ってくるか、後から間違いに気づいてくれるので、そうなったら話し合いもできるし」(Kさん・34歳)
(5)優しく受け止める
「相手との関係性にもよりますけど、八つ当たりしてくるのが彼女なら、何か不満があるんだろうなと思って、とにかく話を聞いてみることもありますね。
八つ当たりで怒っているのに優しくされると、相手もだんだん怒っていることが馬鹿らしく思えてくるみたいです。自然と最後にはふたりで笑って終わってたりします」(Hさん・33歳)
5:八つ当たりしないように…
八つ当たりとは、感情のコントロールが苦手な人がしてしまうことが多いよう。自分がしたくないのについ八つ当たりしてしまうと自覚していて、それをどうにか直したいと思うなら、まずは自分の感情と正直に向き合ってみると良いかもしれません。