内縁とは?内縁の妻であることの証明方法や相続・事実婚について解説

昨今は「事実婚」を選択する男女も珍しくなくなりました。では、女性は「内縁の妻」になることで、どんなメリットがあるのでしょう。また婚姻ではないことから、内縁の妻であることの証明方法や相続などをどうすればいいかも気になります。そこで今回は、事実婚にフォーカスし、内縁の妻に関するさまざまな情報をお届けします。
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1:内縁とはどういう意味?

「内縁の妻」「内縁の夫」といった言葉で出てくる内縁という単語。よく耳にするわりには、正確な意味がわからないという人もいるのではないでしょうか。

一般的には、婚姻届は提出していないけれど、夫婦として生活している男女を示すために使われる言葉です。

 

2:内縁の妻とは?事実婚とは?わかりやすく説明すると

昨今は、結婚生活のスタイルも多様化しています。

そのため「内縁」や「事実婚」といった言葉も、以前よりも頻繁に耳にするようになったと感じている人も少なくないでしょう。そこで、内縁の妻や事実婚について、この機会に意味をおさらいしておきましょう。

(1)「内縁の妻」とは…婚姻届を出していない妻のこと

「内縁の妻」を辞書で調べてみると次のとおりです。

事実上は同居して婚姻関係にありながら、婚姻届を出していないために法律上の夫婦とは認められない男女の関係。「内縁の妻」

(出典:デジタル大辞泉/小学館)

つまり「内縁の妻」と聞いたら、事実上は夫婦だけれど、婚姻届を出していない奥さんだと認識しておけば、間違いありません。

(2)「事実婚」とは内縁関係にある夫婦関係のこと

「事実婚」には、次のような定義があります。

届け出を欠くため法律上有効ではないが、事実上の婚姻関係があり、社会の慣習上婚姻と認められるもの

(出典:デジタル大辞泉/小学館)

事実婚は、入籍をしている法律婚のカップルと同様の取り扱いになる事柄も多いですが、現状では、一部の法律的な権利は有しないとされています。

また、居住地によっては、住民登録をした役所で手続きを行うと「妻(未届)」「夫(未届)」と記載される制度もあります。

(3)つまり「事実婚」をした奥さんが「内縁の妻」

つまるところ、「事実婚」と「内縁」はほぼ同義語として使われることが実務上は多いです。事実婚をした奥さんが「内縁の妻」と考えると、わかりやすいでしょう。

 

3:内縁の妻は遺産を相続できるの?内縁の妻のメリットとデメリット5つ

続いては、内縁の妻となるメリットとデメリットを5つご紹介します。

(1)戸籍に残ることなく離婚できる

事実婚を選択すると、戸籍の記載事項には変更が生じないので、「別れたい」と思ったときに、離婚届などの手続きを経ることなく、事実婚関係を解消できます。

これは、そのときの状況によって、メリットにもなればデメリットにもなる点といえるでしょう。

(2)不必要な責任を回避できることがある

法律上の夫婦になると、対外的になにか問題が生じたときには、周囲が「夫婦は一心同体だから共同責任でしょ!」と、無条件に責任を押し付けられるケースも少なくありません。

しかし「法律的には結婚をしていない」となると、人によっては「単なる同棲」程度にしか捉えず、これにより不必要な責任を回避できることもあると考えられます。

どちらかの親族との付き合いも「法律婚」ではないことから、回避できる可能性も。こちらも、事情や環境により、メリットorデメリットのいずれになるかはケースバイケースです。

(3)そのままでは遺産は相続できない

事実婚だと、法律上の夫婦ではないために、そのままの状態では相手の遺産を相続することができません。そのため事実婚の場合は、遺言書を残すなどして対応することも少なくありません。

相続というのは、プラスの財産だけでなく、負債でも生じる話。なので、これも個々の事情により、メリットにもなればデメリットにもなるでしょう。

(4)子どもを出産する際には「認知」の課題が出てくる

事実婚で子どもを出産した場合、法律的には「未婚の母」という状態になります。また事実婚の夫が子どもの父親としての権利を得るには、認知の手続きが必要となります。

(5)氏が変わらない

事実婚では、先述のように戸籍の記載事項が変わりません。よって、氏、つまり双方の苗字を変えずに夫婦として生活をしていくことが可能です。

これも、人によりメリットでありデメリットでもあるでしょう。

 

4:内縁の妻を証明する方法3つ

(1)住民票に記載手続きをする

先ほど軽く説明しましたが、自治体によっては役所の窓口に出向き、事実婚の手続きをしたい旨を申し出ると、以後の住民票に「夫(未届)」「妻(未届)」と記載されるようになります。

また同じ住所でも住民票が別々になっているケースでは、同居の証明にはなるものの、事実婚の証明として難しいと考えたほうがいいでしょう。

(2)賃貸契約書や売買契約書の続柄欄に記入

自宅の賃貸契約書や売買契約書などの書類に、同居人の続柄欄を記す欄が設けられていることが多いと思います。そこに「妻(未届)」と記入することで、夫婦として生活していることを証明しやすくなります。

(3)健康保険など生計を一にしている証拠を保存

法的な届け出をしていない内縁関係でも、健康保険などでは「同一世帯」として取り扱ってもらえます。よって男性側の被扶養者になっている場合も、それが証明になります。

 

5:重婚的内縁とは何?

「重婚的内縁」とは、すでに法律婚をしている相手がいながら、別の人と事実婚状態にある状況を示します。

日本の現行の法律では、重婚が禁止されているために、重婚的内縁にある妻は、一般的な事実婚の妻として有する権利を有しないのが特徴です。

 

6:事実婚スタイルを選択する男女も少なくない時代

夫婦として生きていくにあたり、法律婚だけでなく事実婚を選択するカップルも特段に珍しくない時代となりました。

多様化する価値観に呼応するように、今、従来とは異なる形で「事実婚」の選択に注目が集まっていると言っても過言ではないかもしれません。