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幸せって何だろう…なんだっけ?沸き上がる哲学的疑問に心理学者が答える!

平松隆円

平松隆円R.Hiramatsu

目次

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1:幸せって何?『しあわせって何だっけ』と言う歌もあります・・・・・・

『しあわせって何だっけ』という歌が、今から30年くらいに登場しました。時代的には平成よりも古い昭和の歌です。

作詞は関口菊日出、作曲を高橋千佳子が担当し、1986年に発売されました。まぁ、そういわれてもピンとこないでしょうね。

この歌を歌ったのは、あの明石家さんまさん。この曲は「キッコーマン」のテレビCMでも使用され、人気になりました。

そういっても、年齢の若ければわからないという人は多いでしょう。いい曲なので、ぜひYoutubeで調べてみてください。

この歌は、幸せとは何かという問いかけを何度も連呼して、さまざまなものに例えています。幸せが何なのかははっきりしませんが、“ポンと生まれたシャボン玉”という歌詞からは、はかなく消えていくもの、“当たるつもりの万馬券”という言葉からは、なかなか手に入れることができないもの。そんなイメージが湧いてきます。

 

2:男の幸せって何?男が幸せと感じる心理

「幸せとは一体何か」ということは、これまでも盛んに議論をされてきました。古くは、紀元前のギリシア哲学までさかのぼれます。

今回は、ちょっと視点を変えて、心理学的に考えてみましょう。

心理学では、“幸福感”の研究として、幸せとは何かについて考えられてきました。そこでは、お金や富といった物的資源、そして友人やパートナーとの絆・つながりといった対人的資源が主な関心事です。これらの研究から、特に男性が幸せと感じる心理について、考えてみましょう。

(1)収入が多い

収入が多いというのは、物的資源に由来する幸福感です。さまざまな研究で、年収の高い人のほうが低い人よりも幸福感が高い傾向にあるということが明らかにされています。

とはいえ、収入が多ければ多いほど幸せかというとそうではなく、一定のところで差がなくなるとされています。

つまり、例えば年収300万円の人と1千万円の人とでは感じられる幸せの差が大きいですが、1億円と2億円の人では、そんなに差がないということです。

(2)親しい友人がいる

こんな研究があります。ある坂道を見た人に、どれくらい急な坂と思うかを尋ねた場合、ひとりのときに見たときと、親しい友人と一緒に見たときとでは、感じ方が違うというのです。同じ坂でも、親しい友人と一緒のときのほうが、緩やかな坂であると思うのだとか。

これはほんの一例ですが、さまざまな研究から、身近な他者との絆・つながりが、恐れやストレスを緩和させ、痛みさえも軽減させることがわかっています。

これは、「親しい友人といると幸せと感じる」というよりも、「不幸だと感じない人のほうが多い」ということとなりますが、友達がいつも一緒にいたり、恋人がそばにいたりする人ほど、幸せを感じやすいといえそうです。

(3)自分自身が幸せだと感じられるかどうか

心理学者のフロイトは、苦痛や不快がないことと、快感を体験すること、その両面から幸せとは何かを考え、幸福感は経済的な豊かさよりも、主観によって決まることを指摘しました。

つまりは、自分自身が幸せだと思うかどうかが、幸せに感じる秘訣だということです。

確かに、年収1億円と2億円の差よりも、年収300万円と1千万円の差のほうが、感じる幸せに大きく影響を与えるというのは、まさにそのことを表しているかもしれません。1億円と2億円だと、家を買いたいとか飛行機を買いたいとか思わない限り、日々の生活で使うお金にそんな差はないですよね。つまり、幸福感に差が出ないわけです。

その意味では、大きな買い物をしたいとか、贅沢な暮らしをしたいとか、美女に囲まれていたいとか、いろんな意味で“野望”がある人は、幸せを感じにくいのかもしれません。

 

3:結婚の幸せって何だろう…男女による違い

では、結婚の場合はどうでしょうか。結婚についても、フロイトの指摘はあてはまるでしょう。どんな結婚生活を送りたいかという理想と現実のギャップがある人ほど、幸せだと感じにくい可能性が高いでしょう。

反対に、理想の結婚生活がさほど実現不可能なものではない人ほど、幸せを感じやすいといえます。

また、男女で幸せと感じるかどうかに影響するポイントが違っているということがわかっていて、それは結婚における幸せにも関連します。では、そのポイントを列挙してみましょう。

①友人関係満足度

②近隣住民との関係満足度

③人を喜ばせる

④ユーモア

⑤愛情

⑥感謝

⑦年収

⑧最終学歴

⑨職業

ちなみに①から⑥までが、女性のほうが幸せと感じるかどうかに影響し、⑦から⑨までが、男性のほうが幸せと感じるかどうかに影響するポイントです。

特に、近隣住民との関係満足度、愛情、感謝という部分は、結婚生活とも深く関係しますよね。つまり男性は、結婚生活そのものから幸せと感じることが難しいということがわかると思います。

 

4:まとめ

幸せとは何かという問いは、何をもって幸せだと感じるかということです。結論からいえば、人それぞれということになってしまうのですが、少なくとも男女で幸せと感じるポイントは違うのかもしれませんね。