家族がアルコール依存症になったらどうする?家族としてできること

「依存症」とは特定のものや行動に対してのめりこみすぎてしまい、心や体の健康、そして生活が壊れかけているにも関わらずやめられない状態のこと。そんな依存症の中でも今回は「アルコール依存症」について見ていきましょう。どんな症状があるのかや、もし家族がそうなってしまった場合、どうすればいいのかを紹介していきたいと思います。
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1:アルコール依存症を自力で治すのは大変!家族の協力が不可欠です

「アルコール依存症」とは、厚生労働省の定義によると、「お酒を長期に飲み続けることで、お酒がないといられなくなる状態」をいいます。

そして、アルコールが抜けてくると、下痢、手の震え、イライラ、睡眠障害などといった、離脱症状が起こります。それがつらいために「お酒をやめたい」「やめなくては」と思っていても、また飲んでしまうという行動に陥ってしまうのです。

また、アルコールを絶ったとしても、アルコール依存症が「治る」わけではなく、治まるだけです。また飲めば元の状態に戻ってしまうので、一生飲まないようにする必要があります。

アルコール依存症のときには、本人の意思はとても弱くなっています。それもアルコール依存の症状のひとつ。なので、アルコール依存を絶つには、本人だけでなく、家族や周囲がサポートをとても必要であるといえます。

 

2:アルコール依存症で家族崩壊…アルコール依存症の怖さ5つ

ではアルコール依存症になると、どういうことがおこるのでしょうか。ここでは具体的な症状や精神状態についてご紹介していきましょう。

(1)お酒を飲まないとイライラしてしまう

お酒を飲むのがストレス解消になるという人は多いです。しかし、アルコール依存症の場合、「お酒を飲まないと精神安定ができない」という状況に陥ってしまいます。また、お酒が切れると頭痛や吐き気などの不調がおこり、それを止めるためにはお酒を飲むしかないという発想になってしまいます。

(2)飲むとトラブルを起こす

アルコール依存が進むと、お酒の量が必然的に増えていきます。記憶をなくすほど飲んでしまうということも少なくありません。理性や判断能力がなくなるので、暴力や飲酒運転など、通常ではありえない行動をする、トラブルを起こすといったことも多いです。

心配する周囲に対して反発して怒鳴ったり、理不尽な自分の意見を押し付けたりという人も。被害妄想も強くなるため攻撃的になり、無用なケンカに陥ることも珍しくありません。

(3)隠れて飲むようになる

アルコール依存症は、たとえ本人に自覚症状があっても、自分では決して認めない「否認の病」といわれる病気のひとつです。心配する周囲に指摘されないよう、「そんなに飲んでいない」などとうそぶいて、隠れて飲むようになります。

また、離脱症状のひとつに、手の震えがあります。それを隠すため、手の震えを止めるために飲酒するしかないと考えるアルコール依存症の人も多いです。アルコール依存であることを周囲に隠すために、仕事中にも酒が手放せなくなる人もいます。

(4)日常生活に支障がでてくる

依存症状が始まると、何をしているときでも、とにかく「お酒を飲む」ことを考えてしまうようになってきます。そのため約束を忘れてしまったり、仕事でミスが多くなるなどといったことも増えます。周りからの信用だけでなく、仕事そのものを失う人も少なくありません。

(5)自暴自棄になる

酒をやめられない自分を嫌悪するとともに、理解してもらえない環境に苦しむのもアルコール依存症の特徴のひとつです。一方で、飲酒をやめられない自分がいるのも事実。そのため、考えることがイヤになり、飲酒をし続けるというループに陥ってしまいます。

 

3:治る確率も高まる?アルコール依存症の家族を支援するときに頼るべき機関

実際にアルコール依存症の疑いがある家族がいるときには、どうしたらいいでしょうか。

上述したように、アルコール依存症は、お酒を断てば症状が治まりますが、飲酒を復活すればまたもとの状態に戻ってしまいます。なので、一生断酒する必要があります。依存症が強くなると、通常の生活を送っていく中で自分の意思で断酒するは困難なので、正しい情報をもつ機関と連携して治療にあたるのが有効です。

(1)精神保健福祉センター(行政機関)

各都道府県に1か所設置されていて、心理・健康・福祉などの専門スタッフが、アルコールなどさまざまなや問題や心の不調で苦しんでいる本人やその家族の相談に応じてくれる機関です。

また自分の住んでいる地域の保健所などでも「精神保健福祉相談」を行っている場所もあるので、そこで医師や精神保健福祉相談員などが相談に応じてくれることも

(2)専門の医療機関

アルコール依存症かどうか、専門治療プログラムがある医療機関で受診をしてみることも重要です。本人が受診を拒否した場合でも、その家族が相談できる環境が整っており、本人に治療をすすめるサポートもしてくれます。

これらの医療機関を探すには、インターネット検索するか、または精神保健福祉センターなどに問い合わせするとよいです。

(3)自助団体 断酒会

アルコールに関する問題を抱えていて、とりあえず相談をしたい……またアルコール依存症になるとどんな生活環境や状況になってしまうのか知りたいと思ったときには、「断酒会」に連絡をしてみると、アルコール依存症から回復した人から話を聞けたり、その家族に相談にのってもらえたりします。

また相談だけではなく、必要であれば医療機関の紹介などもしてくれます。断酒をしたいと決意した人なら、いつでも「断酒例会」に出席するように勧めてくれます。

 

4:父親がうつになるケースも…アルコール依存症と向き合う家族のブログ3つ

アルコール依存から抜け出すのは大変です。離脱症状によってうつを発症する場合などもありますし、また治療プログラムを経て、本人が「治った!」と思ったことで再び飲酒して元の木阿弥……というケースも多いです。

そんなアルコール依存症のリアルな声を知りたい……という気持ちにこたえるべく、ここではアルコール依存症と向き合う方々のブログをご紹介していきます。

(1)「断酒を記録してみる」

自分がアルコール依存症になってしまった経緯や、家族と向き合う姿などが細かく記録されており、自分の感情などもリアルに綴られています。家族側の気持ちもわかるブログとなっています。

また最近の記事でも、断酒して何年経過してもやはりふとしたときに「飲みたい」と思う気持ちがあることも書かれています。

こちらのブログを見てみると、アルコール依存症が自分だけでなく、家族も共倒れしかねないことを考えさせられます。

(2)「理不尽な病 - アルコール依存症の夫と暮らして -」

アルコール依存症の夫との生活の中で起こったことを書き綴ったブログ。

完治することのない病を抱える家族から受けた仕打ちや、自分の生活が夫のアルコール依存症に支配されていく悲しみなどが語られています。

家族の精神や肉体にもダメージが大きいことや、依存症である家族に対しての気持ちの変化なども綴られているので、家族の側からみたアルコール依存症を知ることができる内容です。

(3)【うつ病でアルコール依存症】人生終わった男の闘病記・体験談

うつ病を再発したあと、お酒で気を紛らわせようとしていたところアルコール依存症になってしまった方のブログです。自分と同じ道を歩んでほしくはないとアルコール依存症で入院した体験や、飲酒欲求を抑えられなかった当時の葛藤なども書かれています。

また、これらが原因で家族と離れている経緯も綴られているのでアルコール依存症になってしまうとどれだけつらい生活が待っているのかを考えさせられる内容です。

 

5:家族との接し方も!アルコール依存症を相談できる場所は?

アルコール依存症になると、家族への態度が豹変するケースも多いです。そのため、どのように接すればいいのかわからない……という状態にも。その場合は上記で紹介した自助グループへの相談や、やアルコールリハビリテーション施設への入所も視野に入れてみてください。

治療プログラムを受けながら普通の生活に戻る支援もしてくれます。

 

6:ひとりで戦わせない!理解をし、共に脱却へ向け努力をしよう

最初は自分をコントロールできていると思っていても、気づかぬうちに心も体もアルコール無しでは生きられないような状態になってしまうのがアルコール依存症の怖いところ。

もしそのような家族を支えていきたいと考えるのであれば、家族もアルコール依存症がどのような病気なのかを理解して、向き合っていく必要があります。本人も苦しんでいます。その気持ちに寄り添いながら、サポートしてあげられるといいですね。

 

【参考】
厚生労働省 

断酒を記録してみる

理不尽な病 - アルコール依存症の夫と暮らして –

【うつ病でアルコール依存症】人生終わった男の闘病記・体験談