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終わりよければ全て良しの意味は?語源と類語・反対語を紹介

松田優

松田優Y.Matsuda

目次

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1:シェークスピア?終わりよければ全て良しの語源は?

「終わりよければ全て良し」とは、イングランドの劇作家であるウィリアム・シェークスピアの戯曲「All’s well that ends well」をきっかけに広く知られるようになった言葉です。諸説ありますが、シェークスピアが考えた言い回しではなく、もともとあった言葉をタイトルに採用したという説もあるようです。

戯曲のストーリーは、ある女性が自分に気のない男性と結婚するため、あの手この手を使い最終的に結婚までこぎつける……というもの。まさに「終わりよければ全て良し」な内容となっています。

2:終わりよければ全て良しの意味・類語・反対語5つ

まずは、「終わりよければ全て良し」の意味や類語・反対語をみていきましょう。

(1)意味

「終わりよければ全て良し」とは、過程がどうであれ、最終的な結果が良ければ丸く収まるものだ、という意味の言葉です。たとえ始まりが悪くても、最後がうまくいくと納得できることもありますよね。結果や成果次第で、途中で起こった失敗やトラブルも好意的に受け止めることができるものです。

ただし「結果のためには途中経過で何をやってもいい」という意味ではありませんので、使用する際には注意が必要です。

(2)類語1:「細工は流々仕上げを御覧じろ」

あまり聞き慣れないことわざですが、「細工は流々仕上げを御覧じろ」とは、「ものごとのやり方にはそれぞれの流儀があるものだから、途中のことはとやかくいわず結果をみてほしい」という意味です。

過程ではなく結果で判断するべきだ、という考え方は「終わりよければ全て良し」に通じるものがありますよね。「御覧じろ」の部分は「ごろうじろ」と読みます。

(3)類語2:「勝てば官軍負ければ賊軍」

結果に全てが懸かっている、という意味で捉えた場合「勝てば官軍負ければ賊軍」も似た意味をもつことわざといえるかもしれません。同じ戦いを経ても、勝敗の結果によって正義と悪の立場は逆転し得る。終わりがどうなるかで、過程への評価も変わってくるのです。

ほかの類語としては「結果オーライ」や「結果主義」「成果主義」なども、「終わりよければ全て良し」に似た考え方の言葉といえそうです。

(4)反対語のことわざ:「ローマは1日にしてならず」

「ローマは1日にしてならず」とは、「素晴らしい功績も小さな積み重ねの賜物である」という意味のことわざです。

結果だけをみて評価するのではなく、そこに至るまでの過程を大切にしなければならない、という考え方は「終わりよければ全て良し」に相反する意味であるといえるでしょう。

(5)反対語のことわざ:「1年の計は元旦にあり」

「終わり」ではなく「始まり」を重視したことわざといえば「1年の計は元旦にあり」です。1年をどう過ごすかは、元旦=1年の始まりに懸かっている、ということわざ。

何ごとも最初が肝心である、という考え方は「終わりよければ全て良し」の反対語として捉えてもよさそうです。

3:終わりよければ全て良しの英語表現は?

シェークスピアの戯曲のタイトルである「All’s well that ends well」は、まさに「終わりよければ全て良し」の直訳英語文。ことわざとして、今も使われている英語表現です。

文法としては「All that ends well is well」という語順も考えることができますが、「All’s well that ends well」をそのまま暗記して使うほうが伝わりやすいでしょう。

4:まとめ

「終わりよければ全て良し」がシェークスピアの戯曲のタイトルであったというのは、意外と知られていない豆知識かもしれません。日常的に使っていることわざや慣用句も、語源を知るとさらに興味が深まるもの。ちょっとした雑学として、頭に置いておくと便利ですね。