クレッチマーの性格類型とは?体型で性格がわかるってホント?

「クレッチマーの性格類型」を聞いたことがあるという人は、心理学に興味がある人や大学で勉強したことがある人かもしれませんね。実は、それくらい一般的には馴染みがない性格の分類法なのです。これは端的に言うと、人間固有の気質と体型の関連づけをした分類です。今回は、そんなクレッチマーの性格分類を紹介していきます。
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1:クレッチマーの性格類型とは?

クレッチマーの性格類型とは、ドイツの医学者であり精神科医のエルンスト・クレッチマーがまとめた、体格と性格との関連をまとめたもの。

今回、「クレッチマーの性格類型」を扱うのに、正直悩みました。というのは、『Menjoy!』で扱うには、ちょっと難しいというか、ややこしい内容だからです。わかりづらい部分もあるかもしれませんが、頑張って解説するので、お付き合いください。

(1)クレッチマーの性格類型が扱うのは気質

前置きはこれくらいにして、「クレッチマーの性格類型」を説明していきます。性格類型とは言いましたが、実は、クレッチマーが扱っているのは、性格ではありません。ほら、もうややこしいでしょ。

(2)性格と気質の違い

心理学の世界では、ある人を特徴づけている持続的で一貫した行動パターンを、性格(=パーソナリティ)と呼んでいます。性格は、生まれながらにもっている部分と、その後の育ってきた環境によって作られる部分があります。

性格だとわかりづらいので、カラダで考えてみましょう。

(3)体質と体型を例にすると…

体質というと、生まれながらにもっているカラダの特徴ですよね。一方、体型というと、体質に加えて、育ってきた食べ物の違いなどが影響して、太っている人、痩せている人などさまざまですよね。体型は体質に影響しますが、それぞれが別々に存在しています。

性格もカラダと同じで、生まれつきにもっている部分を“気質”と呼んでいます。そして、その後の育ってきた環境によって作られる部分として、“社会的性格”や“役割性格”と呼ばれるものがあります。

体型はダイエットなどで変えやすいですが、体質を変えることは難しいですよね。同じように、性格も“社会的性格”や“役割性格”は変えやすいのですが、“気質”を変えるのは難しいと考えられています。

(4)性格の中心は気質である?

そして、ドイツの精神科医であるクレッチマーは、性格の中心は気質であると考え、気質は体型に規定されるとして3つの類型に分けました。これが、“クレッチマーの性格類型”です。性格と気質の説明を聞けば、実はクレッチマーの分類は、厳密な意味での「性格」ではなく、「気質」の分類であることがわかると思います。

どうですか。何となくでも、おわかりいただけたでしょうか。

 

2:クレッチマーの性格類型

では、クレッチマーの性格類型について、詳しく説明していきます。果たして、クレッチマーは気質と体型をどのように結びつけたのでしょうか。

(1)肥満型

まずは、肥満型です。肥満型の体型の人は、社交的で温かく、親切で明るく、活発で、ユーモアがあると考えました。ただ、感情的な部分があるので、激しく怒ったり、泣いたりすることもあります。穏和なときと激しく怒ったりということが交互に起こるので、難しい言葉で“循環気質”といったりします。

(2)やせ型

つぎは、やせ型です。基本的にまじめで、もの静かで、あまり社交的ではないとされています。真面目であるがゆえに、人が気づかないようなことを気づいたりすることもあるので(気づかないこともあるのですが)、難しい言葉で“分裂型気質”といったりします。

(3)闘士型

最後に、闘士型です。闘士型とは、筋肉や骨のしっかりしたグラディエータ—のようながっしりした体型の人。几帳面で、物事に熱中しやすい人だとされています。そのため、“粘着型気質”といわれたりもします。

 

3:クレッチマーの性格類型は本当に当たる?

さて、こんなクレッチマーの性格類型ですが、あなたにはあてはまったでしょうか。はっきり言って、今では科学的根拠がある類型ではないため、心理学の世界で支持されることはありません。

つまり、さほど当たっていないというわけです。そりゃそうですよね。食べ過ぎたら、誰だって肥満になりますし、運動すれば痩せたり筋肉質の体型になります。普遍的なものではない体型が、人間の性格や気質を決めているわけがないわけです。

クレッチマーは、やせ型の人は統合失調症、肥満型の人は双極性障害に関係があるとまでいっています。今の時代だと、学会から総スカンを食ってしまうかもしれません。

というわけで紹介しておいてなんですが、クレッチマーの性格類型は、気にするには値しない説というわけです。

 

4:類型論と特性論とは?

ちなみに、学問の世界では性格類型論と性格特性論という言葉があります。性格類型論は、性格を類型的に捉えようとす考え方です。それに対して、性格特性論とは、人間全体に共通する性格の特性に注目します。簡単に説明しましたが、ちんぷんかんぷんですよね。

類型論というのは、すでにできあがっている枠組み(分類)に、無理やりわけてしまおうということなんです。それに対して、特性論とはさまざまな状況の中で、一貫して現れる一定の行動の傾向(特性)を組み合わせて、人の性格を説明しようとすることなんです。

うーん。この説明でも、なかなか理解してもらえるのは難しいかもしれません。いっそのこと、図書館で『心理学事典』を借りて、調べてもらうのがいちばんかも。それくらい、ややこしい話なんです。

必ずしも正確ではないのですが、ゲームのプレイヤーをそれぞれの特性に合わせて、戦士タイプ、魔法使いタイプと分けるのが類型論。同じキャラクターでも、攻撃力や防御力や生命力に差があり、それぞれの強さや弱さの傾向で分類するのが特性論。もう、これくらいしか説明のしようがありません。興味がない人は、類型論と特性論の違いなんて、日常生活では出てこないので、無視しちゃってください。

 

5:まとめ

さて、いろいろややこしい話だったクレッチマーの性格類型。いかがでしたでしょうか。おそらく、興味のある人がこの記事を読んでくださったと思うのですが、興味があるにもかかわらず、今ひとつ理解できない部分があったとすれば、筆者の説明力不足です。

こうした学術的な話を端的に解説するというのは、ときに難しいものです。この記事をきっかけにして、文献をあたってみようと思ってもらえれば幸いです。