「血は争えない」と「蛙の子は蛙」は同じ意味?語源や類語をおさらい!

親子で似たようなことをしていたり、親も子もとても優秀だったり……?そんな親子を見ると、思わず「血は争えない」と言ってしまいますが、本当に血筋というのは争えないものなのでしょうか。また「血は争えない」と類語で「蛙の子は蛙」という言葉がありますが、これは同じ意味なのでしょうか。そこで今回は、言葉の意味からおさらいしてみましょう。
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1:血は争えないの意味は?

親子が同じような行動をしたり、同じような経緯を辿ったりすると、よく「血は争えない」と言います。この言葉の意味、ちゃんと理解できていますか?

血は争えない

子どもが父母から気質・性向を受け継いでいることは否定しようがない。血筋は争えない。

(出典:デジタル大辞泉/小学館)

「争う」という言葉が使われていることからすると、良い意味で使われる感じがしません。ですが、この場合の「争う」は「戦う」ではなく、「認めざるを得ない」という意味になりますので、良い意味、悪い意味のいずれも使われる言葉なのです。

 

2:類語は?蛙の子は蛙、血は水よりも濃いとどう違う?どんな類語があるの?

「血は争えない」の類語としては、「血は水よりも濃い」「蛙の子は蛙」があります。これらは「血は争えない」とまったく同じ意味なのでしょうか?

(1)血は水よりも濃い

さっそくこちらも辞書で意味を調べてみましょう。

血は水よりも濃い

血筋を引いた間柄は、他人に対するより親密であることのたとえ。

(出典:デジタル大辞泉/小学館)

類語ではありますが、親子の関係を示す「血は争えない」とは異なり、赤の他人と比較するような形で、血のつながりがある親族の親しさなどを示す言葉と言えるでしょう。

(2)蛙の子は蛙

「血」は出てきませんが、こちらもよく使われる言葉ですよね。

蛙の子は蛙

子は親のたどった道を歩むものだ、また、凡人の子は凡人にしかなれないものだ、の意。

(出典:デジタル大辞泉/小学館)

この解説からすると、「血は争えない」が遺伝的な要素が強い意味で使われるのに対して、血筋のことを抜きにして、子どもが親と同じ行動をしたときに使用するようです。

 

3:「血は争えないや」が使えるシチュエーションと正しい使い方

では、続いて「血は争えない」という言葉はどんな場面で使えるのか?を解説していきます。

(1)「え、やっぱり、あのふたり、親子だったの?」

たまたま視聴していたテレビ番組で、イカツイおじさまの俳優と美形のお嬢さま女優が、演技について対談をしていて、そのふたりが親子だと知ったとき、「え、やっぱり、あのふたり、親子だったの!」と驚きつつも、どことなくそんな気がしていた……というのは、よくある話。

容姿があまり似ていない(顔はお母さん似なのでしょう)ところから、驚き半分てもはあるのですが、演技という共通分野で成功しているところに「やっぱり、血は争えないや」と続くのです。

(2)親子で“似ている部分”が現れたときに使われる

親子で親から子に才能が受け継がれている場合などに、よく使われるのが「血は争えない」という言葉。先ほどの例では、ふたりとも演技力が抜群であることで、親子関係そのもを証明しているかのようです。

もちろん、才能のみならず、性格や嗜好なども親から子に受け継がれたと感じられたときにも使います。容姿がほとんど同じときなど「あの娘、お母さんの若いときにソックリ! 血は争えないもんだ」といった使われ方をします。

(3)「血は争えない」を使うのは親子に対してのみ

言葉の意味からすると、親から子に引き継いだことのたとえとなるため、たとえ血がつながっていても、兄弟やいとこなどの場合は基本的に使いません。

ただ、兄弟そろって親と同じような行動をしたときは、「血は争えないや」と言っても不自然ではないでしょう。この場合は「みんな親に似ている」という意味となります。

 

4:血は争えないは本当?リアルエピソード

ここからは、実際のエピソードから「血は争えない」というのは、本当か?を考察してみたいと思います。

(1)どの世界でも存在する“血は争えない2世”

幼いころから修行をし、その名前を受け継いでいく歌舞伎役者などがその典型となりますが、各界では、至るところで“2世”が存在します。

もちろん、子どもとは両親から生まれるもので、父母のいずれか片方に似た場合、才能が受け継がれなかったり、例外的に、ダメ親から優秀な子が生まれる「鳶が鷹を生む」といったケースもあります。ですが、各界で活躍する2世が少なくないところを見ると、「血は争えない」は本当と言っていいのではないでしょうか。

(2)親子そろってノーベル賞受賞

歴史上の人物で、「血は争えない」の実例としては、キュリー夫妻と娘のイレーヌ親子が有名でしょう。何しろ、親子そろって、ノーベル賞を受賞しているわけですから、これ以上、疑いようがありません。

(3)必ずしも受け継がれるとは限らない

政治の世界に目を向ければ、小泉進次郎衆議院議員は「血は争えない」の言葉にピッタリの政治家と言えるでしょう。お父さんは、言うまでもなく小泉純一郎元首相。歯切れのいい語り口はお父さん譲りと見ることができるでしょう。

一方、アスリートの世界を見ると、相撲でかつて人気を集めた若貴兄弟、ハンマー投げの室伏選手など親以上に活躍した例はありますが、「血は争えない」を使えないケースも多い印象です。親の性質が子に必ずしも受け継がれるとは限りません。

 

5:まとめ

「血は争えない」という言葉。浮気性だった父親の息子の女性関係が派手、といった悪い意味の場合もありますが、この言葉から「親子はやっぱり親子なんだ」と絆の強さを感じることもできるのではないかと筆者は思います。