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来るの尊敬語・謙譲語は?知らないと恥ずかしい正しい「来る」の敬語の使い方
大山奏K.Ohyama
1:尊敬語と謙譲語って?
社会人になったら、絶対に身につけなければいけないのが敬語です。もちろん、学生時代からアルバイト先などで使っている人もいるでしょう。
敬語は学校の国語の授業で教わるものですが、日常的に使わないと忘れてしまったり、間違った使い方で覚えてしまったりして、恥をかいてしまうことも。また、正しい敬語が話せないことで、異性から良い印象を持たれないこともあります。
まずは、尊敬語と謙譲語の違いからおさらいしておきましょう。
尊敬語とは相手を敬う表現です。自分より年齢や立場が上の人に対して、相手を持ち上げることで敬意を表します。
それに対して謙譲語は、へりくだった表現を用いることで、自分に使います。自分を下げることで、間接的に相手を立てる方法です。
2:「来る」の尊敬語はひとつじゃない!尊敬語すべて
(1)いらっしゃる
「来る」の尊敬語として、いちばんに思いつくのは「いらっしゃる」ではないでしょうか? 相手が自分のいるところに出向いてくれる場合に使えます。
例えば、「こちらにいらっしゃる際には~」などという使い方です。
いらっしゃるは「来る」の尊敬語である一方、「いる」「行く」の尊敬語でもあります。前後の文脈で理解するように気をつけましょう。
(2)お越しになる
「お越しになる」も「来る」の尊敬語です。この場合は、「こちらにお越しの際には~」などと使います。
「またお越しください」という表現もよく耳にするのではないでしょうか。
(3)お見えになる
「お見えになる」も「来る」の尊敬語です。多く使われる場面としては、「○○様がお見えになりました」などがあります。
目上の人が来たことを人に知らせる場合などに使うと良いでしょう。
3:来るの謙譲語は?
(1)参る
「来る(行く)」の謙譲語として、いちばん頻繁に使われるのは、「参る」です。「来週参ります」や「ただいま参ります」などと使うことが多いです。
相手のいる場所へ行く(参上する)という意味が強く感じられる言葉です。
また、場所を移動するわけではなく、「~していく」という状況を丁寧に伝える使い方もあります。たとえば「精進して参ります」などです。
さらに余談ですが、「参る」という言葉は、勝負ごとに負けたときや、何かに困っているというときにも使えます。例えば「近ごろの暑さには参ります」などです。併せて覚えておくと役立つはず。
(2)伺う
「伺う」も同じく、「来る(行く)」の謙譲語です。先ほどの「参る」が参上するという意味だとすれば、「伺う」は訪問するという意味です。
単に「伺います」と言ってもいいですし、より丁寧な言い方をしたければ「お伺いします」を使うと良いでしょう。
ただし「伺う」は複数の意味を持つため、使い方に注意しましょう。具体的には、「訪問する(行く)」という意味と、「(話や意見などを)聞く」という意味があります。後者の使い方は「ご意見を伺います」や「○○だと伺っております」などです。
4:来るの正しい敬語の使い方例文5つ
それでは、実際に「来る」の敬語を使った、正しい例文を紹介していきます。
(1)目上の人が来ることを伝える場合
「本日は○○様がお越しになる予定です」
これは話している相手が目上の人ではない場合でも、今日来るゲストに敬意を表して敬語を使う言い方です。
(2)先の会議や展示会などへの参加を聞く場合
「来月の展示会にはいらっしゃいますか?」
これはいらっしゃるが「来る」と「行く」両方の尊敬語であるため、ふたつのパターンの意味で使えます。
自分が展示会主催者の場合は、「相手が来るかどうか」を聞いていることになります。また「自分が展示会に参加するのだけれど、相手も行くのかどうか」を聞きたい場合も同じ聞き方になります。
(3)上司に取引先の相手が来社したことを伝える場合
「部長、○○様がお見えになりました」
「お見えになる」は、「お越しになる」とほぼ同じ意味として使って間違いはないでしょう。
ただし、つい言ってしまいがちな、「お見えになられました」という表現は二重敬語になってしまい、間違った使い方なので注意しましょう。
(4)相手のところへ行くことを伝える場合
「来週そちらに参ります」
先ほども紹介したとおり、「来る(行く)」の謙譲語は「参る」です。この場合、自分がする行動なので、へりくだって「参る」を使います。
(5)相手の会社に行く予定を確認するとき
「金曜日の15時に伺いますが、ご都合はよろしいでしょうか」
取引先の会社などへ出向いて打ち合わせをしたいときには、こういう表現を使うと良いでしょう。
5:正しい敬語を使いましょう!
「敬語って面倒くさい」と考える人も多いと思いますが、敬語が正しく使えるかどうかで、相手に与える印象も変わってきます。きちんとした敬語が使える女性は、男性から見ても魅力的なはず。どんな場所で出会いがあるかわからないので、日ごろから正しい敬語を使えるように準備しておいてくださいね!