年金支給額を自分で計算するには?年金の仕組み解説と年金支給額の計算方法

少子高齢化が進むとともに、年金に対する不安が高まっています。その一方で、そもそも年金ってどういう仕組みなのかや、結局のところ自分はいくらぐらいもらえるのかなど、年金についてよく知らない人も多いはず。そこで今回は、国民年金と厚生年金の違いなどの年金の仕組みや、支給額の計算方法などについて解説します。
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1:結局、国民年金っていくらもらえるの?

1)支給される厚生・国民年金の平均金額と推移は?

まず、年金の月平均支給額を見てみましょう。国民年金は、25年以上支払った老齢年金の場合、2013年は50,544円だったのが、2017年には55,518円と、若干ながら増加しています。一方、厚生年金は65歳以上が、2013年に男性183,155円、女性109,314円だったのに対し、2017年には男性174,535円、女性108,776円に減少しました。

2)厚生年金や国民年金の支給額に上限はある?

国民年金は、20歳から60歳まで、40年間欠かさず支払った人が満額受け取ることができます。これが事実上の上限額とみていいでしょう。その金額は月額65,008円。国民年金だけでは、満額でも月々の生活を維持することは厳しいと見ざるを得ません。

一方、厚生年金ですが、保険料の最大額を納める月額報酬62万円以上、年3回賞与を150万円ずつ常に得た人で、国民年金が満額の場合、シミュレートすると月額31万円強が最大値として算出できます。しかしこれは、ほぼあり得ない額と言えるかもしれません。

3)公務員の年金受給額は?

公務員にはかつて、国家公務員共済年金、地方公務員共済年金、私立学校教職員共済年金といった共済年金があり、厚生年金に比べて優遇されていました。しかし、201510月、民間企業の年金制度である厚生年金に一本化されました。徐々に一元化が進んでいるため、今後は厚生年金並みの受給額になると想定されます。

 

2:厚生年金や国民年金の仕組みと金額表

1)公的年金は“2階建て”?

日本の年金については、「二層構造」とか「三層構造」とか言われてきました。人によって、受け取る金額に差がありますが、それはこの二層構造に関係があります。

厚生労働省の説明では、日本の年金は二階建てで、20歳以上60歳以下の人すべてが加入する基礎年金という国民年金が一階部分。これに加えて、会社員や公務員が加入する厚生年金が二階部分です。

これに、企業が福利厚生のために支払う企業年金(国民・厚生年金と違い、社員は負担しない)が三階部分として加わる人もいて、三層構造と言われるわけです。

2)現役世代がみんなで支える年金

日本の公的年金は、予測することができない人生のリスクに備え、すべての人が安心して暮らせるように国が制度化したもの。個人でお金を積み立てて老後に備えるのではなく、働いている人が収入から一定額を支払い、それでお年寄りを支えているのです。

その支払う金額ですが、基礎年金となる国民年金の場合は定額で、平成31年度(令和元年度)時点で16,410円。一方、厚生年金については、収入に応じて支払う額が異なってきます。その負担額は月給の18.3%です。

ちょっと高いような気がするかもしれませんが、半額分は勤務先の企業が支払うのが決まり。支払い方法は、給与から天引きされるため、毎月いくら払っているか実感がないかもしれません。厚生年金保険料額表に載っていますので、参考にしてみて下さい。 

 

3:国民・厚生年金の受給金額を計算しよう!月額の年金支給額を計算する方法

1)国民年金は受給年齢によって貰える額が変わる!

国民年金は、原則として65歳から亡くなるまで一定額が支給されます。ただし、60歳から減額された年金の繰上げ支給や、66歳から70歳までの希望する年齢から増額された年金の繰下げ支給を請求でき、もらい始める年齢によって金額が変わります。支給開始年齢は、自分のライフプランに合わせて決めましょう。 

2)平均月収42.8万円で厚生年金は月額15.6万円に

厚生年金の場合、65歳以上ですと「報酬比例年金額+経過的加算+加給年金額」が支給額の計算式になりますが、在職中の収入によって、その額は大きく変わります。

以下に、例を示してみましょう。

厚生年金に40年間加入して、その期間の平均収入(月額換算した賞与含む)が月42万8000円をモデルケースとすると、受給する月額は約156,000円です。(厚生年金91,000円+基礎年金65,000円)

自分がいくらくらいになるか知りたい人は、日本年金機構が提供する「ねんきんネット」のサービスを利用してみましょう。

 

4:気を付けよう!年金の支給額が減額されるケース

国民年金は、納めた期間に応じて、支給額が満額から減っていきます、払わなかった期間があれば、そのぶん、減額されるということ。ひと昔前、政治家の年金未納が問題になりましたが、未納は将来受給するときに影響が出ますので、十分注意しましょう。払わないでいると、結局、困るのは自分なのですから!

国民年金は、天引きされる厚生年金と違って、自分で納付するため、未納が起きやすくなります。原則として納付期限から2年経過すると時候によって納められなくなりますので、「うっかり忘れ」がないようにして下さい。

未納期間が生じやすいタイミングとして、20歳以上の学生、転職期間中、厚生年金加入者が結婚して相手の扶養に入るときなどが挙げられます。

一方、将来、受給される年齢になった場合、その後も働き続けて収入を得た場合は、年金がカットされることも。また失業給付をもらうと、年金は全額カットになります。

 

5:まとめ

年金だけでは生活が成り立たない……そう言われながらも、厚生年金を足せば、なんとか暮らせそうなのが実際のところ。基礎年金だけとなる自営業者やフリーランスで仕事をしている人は、老後に備えてコツコツ積み立てたほうがいいかもしれませんね。

 

 【参考】

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法

日本年金機構 年金見込額試算

日本年金機構 平成29年9⽉分(10⽉納付分)からの厚⽣年⾦保険料額表

平成29年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況