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自縄自縛(じじょうじばく)とは?意味や類語、忙中有閑など座右の銘にしたい有名四字熟語も
水野 文也F.Mizuno
1:自縄自縛の意味は?自業自得、因果応報との意味違いや類語
自分で自分を苦しめてしまうことって、ありますよね。それを意味する四字熟語はいくつもありますが、中でも「自縄自縛」はその代表例と言えるでしょう。
(1)自縄自縛とは?
自縄自縛の意味をまず調べてみましょう。
じじょう‐じばく【自縄自縛】
《自分の縄で自分を縛る意》自分の心がけ・言葉・行為のために、自由な動きがとれず苦しい立場になること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
よくあるのは、偉そうなことを言って、引っ込みがつかなくなること。例えば「年内に5kg痩せられなかったら、高級フランス料理を奢るわ」などと軽い気持ちで言ったら、体重計の目盛は減らず……。ダイエットに苦しむ一方で、このままだと奢らなければならない──というケース。まさに、自分で自分の首を絞めるような状態になるわけです。
できもしない約束などは、将来的に自縄自縛になって、苦しむのは自分。何か決め事をする際の発言には気をつけるべきでしょう。
(2)結局は自分の行いが原因に…
自分が原因で苦しい立場になるという意味で、似た言葉に「自業自得」がありますが、「自縄自縛」とはちょっと意味が異なるようです。
じごう-じとく【自業自得】
自分の行いの報いを自分が受けること。一般には悪い報いを受ける場合に用いる。もとは仏教の語で、自分のした善悪の行為で、みずから苦楽の結果を招き受けること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
自業自得とはもともと仏教用語で、何かについて悪い結果が出た場合、過去の自分の悪い行いが原因だったときに使います。例えば、学校で進級できずに留年した場合、遊び呆けていたことが原因であるなら、それは遊んでいた自分が悪いので、自業自得となります。
悪い行いとは言えないながらも、自縄自縛で挙げた「ダイエット宣言」の例も、言わなきゃ苦しまなかったわけですから、ある意味、自業自得とも言えるかもしれませんね。
(3)悪い行いをすれば自分に…
もうひとつ、仏教用語の「因果応報」も、似たようなニュアンスで使われます。こちらは悪い行いは悪い結果に、善い行いは善い結果に──といったように、自業自得が悪い意味で使われるのに対して、良い意味でも使われます。
いずれにしても、何らかの結果というものは、すべて自分の行いから起きるという訳ですから、普段の行いにはくれぐれも注意しましょう。
2:忙中有閑など…座右の銘にしたい有名でも意外と知らない四字熟語
自縄自縛、自業自得は、自分の戒めにもなる四字熟語として覚えておきたいものですが、その他にも、人生の道しるべになりそうな四字熟語は少なくありません。座右の銘にできそうな四字熟語をいくつかピックアップしてみました。
(1)忙中有閑(ぼうちゅうゆうかん)
忙中有閑とは、「どんなに忙しいときでも、ひと息つくくらいの暇はあること」という意味です。毎日忙しくて疲弊している人も、適度な休みを入れることで能率がアップするかも。心に余裕を持たせる意味でも、知っておきたい四字熟語です。
(2)創意工夫(そういくふう)
この言葉は知っている人が多いでしょう。「アイデアをめぐらせ、独創的な考えや方法を編み出す」という意味です。何をするにしても、人真似ではなく自分自身でよく考え、役に立つ方法を生み出せば、良い結果が生じるでしょう。
(3)一期一会(いちごいちえ)
これもよく耳にする言葉ですが、正確な意味を知っていますか? 茶の湯において、茶会は一生に一度という思いを込めてもてなす──から転じて「一生に一度しかない出会い」という意味で使われるようになりました。「出会いは貴重」と心に留めておきましょう。
(4)仁者無敵(じんしゃむてき)
「仁徳の備わった人は、すべての人を慈しむので敵というものがない」という意味で、中国の古典「孟子」から出た言葉です。これを実践するのはとても難しいかもしれませんが、寛容な心を持てば、人徳の備わった人に近付けるかもしれませんよ。
(5)万里一空(ばんりいっくう)
江戸初期の剣豪である宮本武蔵が著した「五輪書」の中に、この一節があります。「目的、目標、やるべきことを見失わず、頑張り続けること」を指しますが、何をするのにも、この精神で前向きに取組みたいものです。
3:感謝の気持ちを表す四字熟語一覧
四字熟語には、感謝の気持ちを表す言葉もたくさんあります。よく聞かれるものを中心にピックアップしてみました。
(1)一宿一飯(いっしゅくいっぱん)
これはよく聞くと思います。一宿一飯は「一晩泊めてもらう、食事を一回恵んでもらう」という意味ですが、「一宿一飯の恩義」で、「ちょっとした恩でも忘れてはならない」という意味となります。少しの恩でも感謝することの大切さを教えてくれる四字熟語です。
(2)一飯千金(いっぱんせんきん)
仕返しの意味の「倍返し」ではありません。「受けた恩に対して厚い恩返しをする」というもの。さりげないひと言に救われた……そんなときは、たくさん恩返ししたくなりますよね。一般千金の気持ちを常にもって人と接していけば、徳の高い人になれるでしょう。
(3)三拝九拝(さんぱいきゅうはい)
これは日本人独特の感性かもしれませんが、何度も頭を下げて敬意を表するという意味です。「おじぎ」というのは、感謝の意を表すときは、とことん丁寧にしたいもの。お礼のお手紙などの文末にこの言葉をしたためて、相手への敬意を表すときにも使えます。
(4)感恩報謝(かんおんほうしゃ)
言葉の意味がわからなくても、漢字を見ただけで、感謝の気持ちを表していることがわかるでしょう。「恩を感じた人に最高の礼で報いる」という意味です。
(5)恐悦至極(きょうえつしごく)
これもよく耳にしますし、年配の方でしたら、堅いスピーチの中で使ったことがある人がいるかもしれませんね。相手の厚意に喜びを感じた場合に使う表現です。
4:まとめ
実は、この記事は眠いのを我慢して夜中に書いています。そうなったのは、日中にサボっていたため。まさしく、絵に描いたような「自業自得」でしょう(苦笑)。
また、これを読んで「面白かった」と思ってくれた方に対しては、「恐悦至極に存じます」と、この場を借りてお伝え致します。