精神論の意味は?精神論の特徴と嫌いな理由・根性論との違い

“精神論”といえば、ひと昔前のスポーツの世界で聞くことが多かった言葉です。似たような言葉に“根性論”というのもあります。ですが、そもそも“精神論”や“根性論”とは、一体なんなのでしょうか。一緒に考えていきましょう。
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1:精神論の意味は?対義語・英語で言うと?

それではまず、精神論の意味について考えてみましょう。

(1)精神論の意味

精神論とは精神主義と同義です。精神主義を辞書で調べてみると、

せいしん‐しゅぎ【精神主義】の意味

1 物質的なものよりも精神的なものに優位性を認める立場。

2 精神力を集中的に駆使すれば、物質的諸事象を統御できるとする考え方。精神論。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

とあります。

スポーツの世界などで使われる意味としては、2の「精神力を集中的に駆使すれば、物質的諸事象を統御できるとする考え方」のほうです。つまり、無理だとわかっていても、精神力や気持ちのあり方次第で、物事は何でも思い通りに達成できるという考え方です。

「気持ちで負けてるから、試合に負けるんだ! もっと集中して、本気になれば必ず勝てる!」「根性があれば、勝てる!」「負けるのは、気合いが足りないからだ!」というようなことを言う人は、精神論の持ち主ということになります。

(2)精神論の反対の言葉

ちなみに、精神論の反対の意味の言葉には、物質主義や唯物主義というのがあります。物質主義とは、目に見えない精神的なものよりも、物質的なものを第一とする考え方です。唯物主義とは、ちょっと簡単には説明ができないのですが、まぁ物質主義とほぼ同じ意味と思ってもらったらいいでしょう。

(3)精神論を英語でいうと

ちなみに、精神論を英語で言うのは、実は難しいんです。というのも、直訳すると「spiritualism」になるのですが、これではスポーツの世界などで使われる意味にはならず、哲学用語になってしまいます。

粘り強く頑張るという意味では「guts」とか「grit」という言葉があります。ですが、ここには無理だとわかっていても精神力や気持ちのあり方次第で、物事はなんでも思いどおりに達成できるというようなニュアンスはありません。

欧米の映画やドラマでは、スラングとして「Kamikaze(神風)」という言葉を耳にすることができます。そういう意味では、精神論というのは日本特有なのかもしれませんね。

 

2:精神論者の特徴3つ

それでは、精神論をもっている人の特徴について、考えていきましょう。

(1)質より量派

スポーツの世界でよくあるのが、練習を質ではなく量で考える場合です。現在のスポーツトレーニングでは、科学的な視点から、短時間で効率よくトレーニングする方法が構築されています。ですが、精神論を唱える人の多くは、質ではなく量を重視します。

量というよりも、追い込んで追い込んで、苦しい思いをしたほうが良いという考え方といった方が正しいかもしれません。アメリカ大リーグのシカゴ・カブス所属のダルビッシュ有氏が、何かのインタビューで、「練習前の走り込みはムダ。アレは体を温めるだけで、だったらお風呂でも入ったほうが良い」というような内容をコメントしているのを見たことがあります。

実際はそうなのでしょうが、精神論の人はこういう考えを受け入れません。

(2)自分に自信がない

スポーツに限らず、仕事でも精神論をもちだしてくる人は、案外と自分に自信がない人が多いものです。

それは、自分が“する側”という意味だけではなく、“指導する側”でも当てはまります。自分がちゃんと指示できなくて失敗したにもかかわらず、それが露呈するのを恐れて、「根性が足りないから負けたんだ」とか、「気合いが足りないからできなかったんだ」というふうにしてしまうわけです。

(3)考え方が古い

質より量のところで、「現在のスポーツトレーニングでは、科学的な視点から短時間で効率よくトレーニングする方法が構築されています」といいました。

ですが、精神路をもちだす人は、自分自身が古い時代の、その当時は常識だった古いやり方に固執しています。不利やり方とは、まさに精神論が全盛期のときのやり方です。そのため、新しい方法を受け入れることができず、すぐに精神論を持ちだしてくるんです。

 

3:精神論が嫌いな人の特徴と理由3つ

今度は反対に、精神論が嫌いな人の特徴を考えてみましょう。

(1)個性を重視する考え方

今の若い人たちは、良いか悪いかは別として、ゆとり教育の中で、個を大切にした教育を受けてきました。そういう人たちは、精神論をもちだす人の「自分はこれでやってきた。それでうまくいった。だからお前も同じようにしろ」という自分の経験をもちだすような指導や指示は、あまり好みません。

「根性が足りない」とか「努力が足りない」と精神論の人は言いますが、精神論が嫌いな人からすれば「努力や根性は人それぞれ。自分は自分なりに頑張っている」と考えます。

(2)理屈が通らないと考える

精神論の「根性が足りない」とか「努力が足りない」という言葉自体、数値化できるわけはないですし、客観性がないですよね。いわば論理派の人からすれば、「そんなの、理屈が通らない」と受け入れがたいわけです。

(3)「あなたはどうなの?」と思ってしまう

筆者もそうなのですが、「根性が足りない」とか「努力が足りない」とか言われると「じゃあ、あなたにも根性や努力があればできるのか?」と思ってしまいます。

精神論を持ちだす人の特徴に、自分に自信がないことを指摘しましたが、言われたほうも「言うのは簡単だけど、あなただってできないでしょう」ということを見透かしているのかもしれませんね。

 

4:精神論と根性論の違いは?

ちなみに、今回の記事では精神論という言葉を使ってきましたが、別の言い方をするなら根性論と言えるでしょう。

というのも、結局のところ精神論というのは、気持ちのもっていき方次第で、物事の成功の可否が変わるという考え方。そして、この気持ちというのが、まさに根性なんです。

 

5:精神論は仕事で役に立つ?

では、こんな精神論ですが、仕事で役に立つのでしょうか。筆者の考えとしては、まったく役に立たないと思っています。

根性で何だってできるんだったら、景気はもっと上向きますし、世界平和は達成されています。むしろ、ちゃんとした理屈ではなく、個人に意味のない過重を与えてしまう精神論は、まさに「ブラック◯◯」の元凶でしかありません。

 

6:まとめ

日本人って、けっこう「努力」という言葉好きですよね。おそらく、才能があるかないかは不平等なものですが、努力は万人ができるから、みんなにチャンスがあるという考えが根底にあるからなんでしょうね。