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住みやすい県ランキング1位は静岡!女性が住みやすい県や住みにくい県もリサーチ
水野 文也F.Mizuno
1:日本でいちばん住みやすい県はどこ?
ズバリ、「日本でいちばん住みやすい県」は静岡県です!
というのもこれは、ソニー生命保険が全国の20歳~59歳の男女4,700人(各都道府県100人)に対して実施している「47都道府県別 生活意識調査」の結果によるもの。
2018年の「暮らしやすさ自慢」の項目において、宮崎県、愛媛県を僅差で振り切りました。静岡、宮崎、愛媛といずれも温暖な気候で知られる県ですね。たしかに、暖かい気候は暮らしやすいのかもしれません。
2:住みやすい県ランキング
アンケート結果では、静岡県がトップになったものの、それはあくまでも主観によるもので、数字的な裏づけがあるわけではありません。なので、ここではあえて、数字上でわかるデータで考えてみましょう。
住みやすいとなると、気候や県民性といった要素ももちろん大切ですが、やはり生活するためには、経済的な側面を検証する必要があるでしょう。そこで、各都道府県の平均的な収入と支出を比較し、その差額をもとに、住みやすいかどうかを探ってみました。
基本となるデータは、収入が厚生労働省の「毎月勤労統計調査地方調査 平成29年年平均分結果概要」、支出が総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)平成29年(2017年)」を使用しました。
(1)やっぱり東京都が住みやすいの?
収入をみると、東京都が全国でダントツの1位(411,953円)となりますが、東京都は物価が高いと言われています。ですが、支出部門は全国6位(271,655円)ですので、この面で東京都が暮らしにくいとは言い切れません。
収入から支出を引いた差額というのは、ある種の暮らしのゆとり。つまり、それだけ余裕を持って生活ができる……ということで、これをランキング化すると、ここでも東京都がトップになります。
あくまでも経済的な統計でみる限りですが、東京都は生活しやすいと言えそうです。
以下に、収入と支出の差額の大きいの県を「住みやすい都道府県」としてベスト5を示しました。ちなみに、全国平均は72,403円となります。
【住みやすい都道府県】
1位・・・東京(140,298円)
2位・・・兵庫(123,181円)
3位・・・大阪(122,217円)
4位・・・山口(94,592円)
5位・・・愛知(90,077円)
(2)静岡県って本当はどうなの?
では、アンケートでトップになった静岡県について見てみましょう。
静岡県は、収入は307,203円で14位。全国平均の316,966円こそ下回っていますが、平均は東京都が突出しているために高くなっており、全国14位という順位でみれば、まずまずといったところでしょうか。
支出は236,737円で、多い方から数えると23位で真ん中に位置。平均の244,563円を下回っており、収入と支出の差額は70,466円で16位となっています。
この結果から鑑みると、やはり住みやすい県と言ってもいいのではないでしょうか。
3:日本の住みにくい県ランキング
(1)経済的にみると住みにくいのは奈良県?
一方、住みにくい県ですが、これも収入と支出で探ってみましょう。
さすがに、“赤字”になる県はありませんでした。しかし、東京都などベスト5に比べて余裕のない県というのも少なくありません。
そのワーストは奈良県でした。奈良県は、経済的に裕福な大阪府の隣県ですけど、大消費地に近い分、物価が高いことが理由と考えられます。後述しますが、支出が多い県のランクをみると、東京、大阪の周辺に上位に入った県が目立ちます。
【住みにくい都道府県】
1位 奈良・・・3,035円
2位 岐阜・・・9,525円
3位 大分・・・12,656円
4位 鹿児島・・・13,453円
5位 山形・・・15,130円
(2)大都市近郊って意外に住みにくい?
横浜市という大都市を抱えて、裕福なイメージがある神奈川県は、収入も多い一方で支出も多いため、収入から支出を引いた額は62,564円と19位にとどまっています。大都市近郊は便利ではありますが、この観点で見ると案外住みにくいのかもしれませんね。
4:女性が住みやすい県は?
女性が住みやすいというのは、経済的な側面だけで計ることはできないでしょう。育児などの物理的な要素のほか、メンタル的なものも考慮しておきたいものですね。
そこで、政府の統計から離れて、民間の調査をピックアップしてみました。
株式会社メディプラス研究所(東京都)が、全国の20~69歳の男女各7万人を対象実施した「ココロの体力測定」(ストレス指数チェック)をもとにまとめた、2019年版の女性の「ストレスオフ県ランキング」によると、第1回目は「鳥取県」が1位に。第2回、第3回は「愛媛県」1位という結果になりました。
鳥取県は、「ママ友関係」「友人関係」「SNS」など、他県と比較して対人関係において友好的な傾向があり、愛媛県は「気候が温暖」「自然環境が良い」など、暮らしやすさについてストレスオフな傾向があるそうです。
また、やはり女性となると、安全かどうかも気になりますよね。
前述したソニー生命の調査をみると、治安の良さ自慢ランキングは、1位が福井県、2位が宮崎県、3位が秋田県となりました。ちなみに、この調査で、福井県は子育てのしやすさが自慢の県でダントツのトップ! 女性にとって、福井県は住みやすい県といえそうですね。
5:一人暮らしで住みやすい県は?
一人暮らしで住みやすい県というのは、将来のためにお金もためたい……そんな風に思う人が多いでしょうから、経済的な面でみるのがいいでしょう。
ただし、シングルで若いとなると、収入が多くないと思われます。収入から種出の差額で判断するのは適切でありません。
ここでは、純粋に支出の少ない県のランキングをみてみましょう。
【支出の少ない都道府県】
兵庫県・・・174,844円
沖縄県・・・190,116円
長崎県・・・200,908円
鳥取県・・・202,275円
山口県・・・207,128円
トップは兵庫県でした。神戸市という大都市もあり、大阪府の隣県で便利なため、いいかもしれません。ちなみに、支出が多い都道府県のランキングも記しましたので、参考にしてみて下さい。
【支出の多い都道府県】
石川県・・・291,966円
栃木県・・・281,887円
岐阜県・・・276,099円
奈良県・・・274,635円
茨城県・・・271,915円
支出が多いというのは、それだけやりくりに苦労する主婦にとっては大変! 女性にとっても住みにくいといえるのかもしれませんね。
6:まとめ
ランキングで下位になった県のみなさま、これはあくまでも経済統計からの結果なので、気を悪くせず、受け流して下さい。
ちなみに、筆者は「神奈川県→東京都→大阪府→東京都→千葉県」と移り住みましたが、どこでも「住めば都」でした(笑)。
【参考】
ソニー生命保険株式会社「47都道府県別 生活意識調査2018-19年版(生活・家族編)」
厚生労働省「毎月勤労統計調査地方調査 平成29年年平均分結果概要」