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「拝見いたしました」は二重敬語で間違った言い方ってホント?そのギモンに答えます

番長みるく

番長みるくM.Bancho

目次

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1:「拝見いたしました」は二重敬語なの?

「拝見いたしました」という言い方は「見る」の謙譲語の「拝見する」に、「する」の謙譲語「いたす」がついた、二重敬語の定番。丁寧に話そうとするあまり、このように、うっかり二重敬語を使ってしまうこともありますが、回りくどい印象を与えるうえ、日本語としても誤用です。

この場合、「拝見いたしました」ではなく、「拝見しました」が正しい言い方になります。

 

2:「拝見させていただきました」は間違い?「拝見する」の間違った使い方5つ

「拝見いたしました」以外にも、紛らわしい表現がありますので、まとめました。

(1)拝見させていただきました→拝見しました

何かを「見た」ときに、敬語を使って「拝見させていただきました」と言ってしまいがちですが、この表現は誤り。「見る」の謙譲語の「拝見する」に、「させてもらう」の謙譲語の「させていただく」で二重敬語になっています。何かを「見た」ときに敬語を使う場合は、シンプルに「拝見しました」のように使いましょう。

(2)拝見してください→ご覧ください

謙譲語とはへりくだった表現をすることによって、相手への敬意を表す言葉です。つまりへりくだるべきなのは自分であり、謙譲語の主語は「私」や「身内」になることを覚えておきましょう。

一方、尊敬語は相手を高めることで敬意を表す言葉。尊敬語の主語は「目上の人」になります。

なので、「拝見してください」は、「見る」の謙譲語を「拝見する」を目上の人に使っているので間違った言い方です。この場合は「見る」の尊敬語の「ご覧になる」を使います。書類や資料などを目上の人に見てもらう場合は、「ご覧ください」と言いましょう。

(3)社長が拝見しました→社長がご覧になりました

自分が目上の人に対して「拝見しました」と使うのは間違いではありません。「拝見」は「見る」の謙譲語なので、目上の人を敬った言い方になります。

しかし「部長は拝見しました」や「社長が拝見しました」のような使い方は間違っています。「目上の人が見た」という状況を伝えたいときには、「部長(社長)がご覧になりました」のように言います。

(4)拝見されますか→ご覧になりますか

同様に相手や目上の人に質問するときにも、主語は目上の人になるので、相手の「見る」という動作に「拝見」を使うと失礼になります。「見る」の尊敬語の「ご覧になる」を使って、目上の人や相手を敬う言い方をしましょう。

(5)拝見なさる→ご覧になる

「見る」の謙譲語の「拝見する」に、「する」や「なす」の尊敬語の「なさる」をくっつけるのも同様に間違った言い方です。「拝見する」は自分が見るとき使う謙譲語で、「なさる」は目上の人や相手がすることに使う尊敬語です。

相手が見るときには「ご覧になる」を使い、自分が見る場合は「拝見する」を使いましょう。

 

3:「確認いたしました」は謙譲語ですが…ビジネスシーンで間違えやすい丁寧語・尊敬語・謙譲語3つ

ビジネスシーンで間違えやすい敬語をまとめました。

(1)「確認いたしました」と「確認しました」

ビジネスシーンで書類や資料などを確認した際に「確認いたしました」と使うことはよくありますよね。謙譲語が「確認いたしました」になり、丁寧語では「確認しました」になります。

資料や書類などを確認したことを目上の人や上司に言うなら、「確認いたしました」と言い、部下や同僚に言うときは「確認しました」と答えるのが正解です。

また他の人が確認した場合は「Aさんが確認なさいました」と言い、誰か他の人に確認してもらったときは「Aさんに確認していただきました」となります。

(2)「ご利用できません」は誤り

「利用する」の尊敬語は「ご利用になる」。なので、利用できないと伝えたいときには、「ご利用になれません」もしくは「ご利用いただけません」が正しい言い方となります。

「利用できない」の丁寧語「利用できません」に「ご」がついていても、丁寧な表現ではありますが、尊敬の意味合いが足りず、間違った言い方になります。

(3)どうか致しましたか

相手が困っていそうな状況で「どうか致しましたか」と使う人もいますが、「いたす」は「する」の謙譲語。なので正しくは「どうかなさいましたか」となります。

しかし「どうかいたしましたか」が常に誤った言い方とも限りません。「何か不都合が発生しましたか」の意味で「どうかいたしましたか」は問題ありません。

「いたす」には丁寧語としての使い方もあります。原因が相手ではない不都合の発生について、丁寧語の「いたす」を使って表すこともあります。状況に応じて言い方を変えましょう。

 

4:「拝見します」を英語で言うと…

「拝見します」はシーンによって使う英語が異なります。

例えば「今から拝見します」は「I will look at that now.」など、動詞の部分は敬語であってもなくても、表現は同じです。

また「ファイルを拝見しました」は「I took a look at the file.」になります。ビジネスメールで「ご返信いただくメールは、部署内の人間が拝見することもあります」は「Other staff at my department might read your email replies」になります。

こうして比べてみると、日本語の敬語というのは非常に複雑ですよね。日本語を習得しようとする外国人が総じて苦戦するのも納得です。

 

5:敬語は正しく覚えることが大事!

毎回間違った敬語を使っていると、恥ずかしい思いをすることも。これを機に正しい敬語を身につけましょう。

敬語を覚えるときは、単語だけではなくよく使いそうな例文で覚えると、間違いにくくなりますよ。